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また弦を切ったあの子  作者: 角河 和次
たりないぶたい
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たりないぶたい 13

今岡先輩も横井先輩も私も本番前の緊張に直面している中、豊田先輩だけが凄く落ち着いている。

先輩も緊張しない性格ではないのに。

確か2次選考の時はしっかり緊張していた筈だ。

なのに今は私達を鼓舞する余裕を見せている。

今岡先輩達も不思議に思っている素振りは見せるものの、それを問い詰める余裕はない様だ。


そんな私達に追い討ちをかける様に控え室が揺れる。

目眩ではない。

観客の歓声がライブハウス全体を揺らしているのだ。


「皆さん!盛り上がる準備はできてますかー!!」

観客を煽るスペーシー平尾。

このフェスの総合MCを務めているお笑いコンビ、アルトビーツのボケを担当する人物だ。

肩幅がしっかりしており、尚且つ身長も高い。

画面で見てそう思うのだから恐らくもっと威圧感があるのだろう。


モニターの音声など必要のないくらい控え室まで音が響いてくる。

この部屋はステージから少し離れているにも関わらずだ。

会場は満席なのだろう。

カメラは固定されている為、見たわけではないが歓声の大きさから容易に想像できる。


会場の温度が上がるにつれ、控え室の緊張感がより増していく。

歓声の振動が身体に伝わり足の振動に変わっていくのだ。

私の視界に入るだけでもかなりの人がその状態になっている。


体験した事のない緊張感なのだ。

いつも想像してきた舞台。

観客が大勢いる中で演奏している自分を。

でもそれが現実として現れた時、どうすればいいか分からなくなる。


ただ私は今そんな事考える余裕なんてないくらい興奮していた。

それは総合MCがスペーシー平尾さんだったから。

何を隠そう私はアルトビーツのラジオリスナーなのだ。

「アルトビーツのオールナイトジャパン」という番組の。


番組で16区ナゴヤの事を話題にしてくださった事をファンの方が教えてくれた。

そこから興味を持ち2人の番組を試しに聞いてみた。

深夜起きているのは辛かった。

でも、番組を聞いた瞬間そんな事は吹き飛んでいった。

そこには私が知らなかった世界が広がっていた。

それ以来深夜ラジオという世界の深みにはまっていった。

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