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また弦を切ったあの子  作者: 角河 和次
たりないぶたい
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たりないぶたい 1

リハーサルが終わり本来なら楽屋で待機しているべきなのだろう。

ただ楽屋の張り詰めた空気に息苦しさを感じた私は観客席の一番後ろで、座席に座るでもなく他のバンドのリハーサル風景を眺めていた。


先輩達も含めてこの広さの会場で演奏するのが初めてなのだろう。

慣れないステージに戸惑っているのが分かる。

緊張、感動、動揺、不安。

それぞれが色んな感情を持ってリハーサルを行っている。


"懐かしい"

私がこのステージに立った時、初めに浮かんできた感情。

このライブハウスには来たことがないのに。


「理想は高く、夢は大きく、16区ナゴヤ〜!!」

思い出の中を辿っていくとその理由に気付く。

青臭いスローガンを円陣を組んでみんなで叫んでいた。

夢は紅白、ドームライブ。

そんな私達16区ナゴヤとして初めてライブ。

姉妹グループである23区トウキョウのおまけではなく私達のソロライブ。

それを行ったのはこれくらいの大きさのステージだった。

今から向かうステージの何10倍もあるステージを目指して踏み出したのだ。


今では単独で5000人を動員できる会場でライブをする様になった。

それも地元名古屋だけに留まらず、東京、大阪をライブで回れる程に。


そんな事を思い出しながら眺めるステージ。

当たり前だが、観客席には誰もいない。

その代わり、戦楽フェスU-18というTシャツを着たスタッフの方が客席やステージを右往左往している。


そういえば、私の卒業コンサートの時もこうやってスタッフさんが慌ただしく動いていた。

後から知った話だが、延べ6000人を動員したらしい。

私は6000人の前で卒業のスピーチを行ったのだ。

6000人が作る青と白の景色の中で。

今考えるとよく足が竦まなかったなと思う。


リハーサルが進むにつれ、懐かしさが緊張に変わっていく。

数多くのステージに立ってきたが、やっぱりステージに立つ前は緊張する。

6000人の前に立った事が有るとかは正直関係ない。

その事を経験から知っていた。

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