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また弦を切ったあの子  作者: 角河 和次
赤黄色の胸騒ぎ
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赤黄色の胸騒ぎ 38

お店の匂いなのか、それともここにいる人の匂いなのか。

いい匂いがする。

私は肺いっぱいにこの香りを吸い込む。

私がもし男の人だったら不審者と思われていたかもしれない。

いや、こんな行動をしている時点で性別関係なく不審者だろう。


アイドルの楽屋の匂いに近いかもしれない。

特にテレビ番組の収録がある時の楽屋に。

先輩である23区トウキョウの方々と同じ楽屋になった時、私は衝撃を受けた。

先輩達はこんなにいい匂いがするのかと。

これが、アイドルの匂いなのかと。


当時中学生だった私はボディクリームは疎か、香水の付け方すら知らなかった。

今はスキンケアもするし、香水も軽く振ったりする。

バンドの先輩の中で唯一豊田先輩だけが、その事に気づいてくれている状態だが。


「このお店は金木犀の香りのボディークリームが売ってるんです。だから、いつもつけて寝る様にしてます」

ようやく彼女から金木犀の香りがする理由が分かった。


このお店、店内を物色して見ると薔薇やラベンダーなど定番なものから梔子、沈丁花といった香木まで、花にちなんだものが多く並んでいる。

そう考えたら、金木犀も香木の一つという事を思い出していた。


私も何か買っていこうかと、テスターで様々なクリームを手に塗る。

せっかくだからと、色々と試し過ぎただろうか。

様々な種類の匂いが混ざってしまい試し塗りしたクリームの匂いが分からなくなってしまった。


自分の嗅覚を信じられなくなっていると買い物を終えた彼女が不思議そうに私を見ている。

私はゆっくりと匂いの分からなくなった手を下ろし、テスターを元の場所に戻す。


「これ、私が好きな金木犀の香りの香水です

良かったら本番で使ってください!私からのお守り代わりです」

そういってさっき買っていた香水の入った袋を私に差し出す。

自分のカバンから取り出したCDと共に。


ある楽団が演奏しているクラッシックの曲が収録されているCD。

ケースには小高オススメと書かれたポストイットが貼られていた。

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