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また弦を切ったあの子  作者: 角河 和次
赤黄色の胸騒ぎ
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赤黄色の胸騒ぎ 30

平日のランチタイム。

クールビズ期間に入り、カッターシャツを腕まくりしたサラリーマン達。

その中に混じってお昼休みを食べる私達。

おしゃれな街の少し離れた裏路地にある定食屋。

生姜焼きや唐揚げ、アジフライといった定番のメニューが並ぶ。


小高さんに導かれて入ったお店。

サラリーマン達の目線を感じるが気にする事なく、彼女は小さな顔が隠れるくらいの大きなアジフライを食べている。

ご飯に、お味噌汁、3種類の野菜のお漬物、ひじき煮、冷奴、サラダ。

これだけ様々な種類の副菜が並ぶ中、中心にあるおかずの量が普通ではない。

私の頼んだのは塩サバ定食。

皿からはみ出んばかりのサバが鎮座している。

半身で2枚。

つまりは、1匹丸々提供されている。


お店の中央には給食センターにおいてある様な炊飯器が2つ置かれており、お代わり自由らしい。

既に提供された量のご飯を食べきった彼女はご機嫌そうにご飯をよそっていた。


ここは、サラリーマンのお腹と懐事情を満たしてくれる場所。

お会計を済ませ、満足げな表情の小高さんと少し顔色の悪い私。

結局彼女はご飯を2回お代わりし、食を楽しんでいた。

その細い身体の何処にそんな量を収納するスペースがあるのだろうか。

彼女を見るといつも思う。


満腹になると購買意欲は減少すると聞いたことがある。

まさにその通り。

私は一歩も動きたく無くなっていた。


とはいえ、外は快晴。

夏に突入しコンクリートジャンルは私達を容赦なく熱していく。

私達は暑さから逃げる様にデパートに入る。


そこは、様々なブランドの服が並び、アクセサリーが光に照らされている店内。

せっかく買い物に来たのだ。

買い物を楽しまなくては。

店内のレイアウトに触発され、また本来の目的を果たす為、私は足を踏み出す。


「小高さんはさ、普段どんな所で服を買うの?」

デパートの中を歩きながら私は彼女に聞く。

アイドル時代、気に入ったブランドの服しか着てこなかった私はあまり他のブランドの事を知らない。

こんな機会だし自分の知らないジャンルにも触れてみようと考えていた。

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