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また弦を切ったあの子  作者: 角河 和次
赤黄色の胸騒ぎ
159/417

赤黄色の胸騒ぎ 2

バンド名は「vacant land」

プロフィール欄にはそう書いてある。

あの演奏の後に出てきたのは不幸だ。

どうしても見劣りする。

いくらフラットでいようとしても、頭の片隅には残っている。

彼らには申し訳ないが、そういう気持ちで審査を始めてしまった。

さらに演奏はどちらかといえば平凡。

だから最初、審査員3人とも反応が薄かった。


だけど、彼らはそのまま終わる事はなかった。

途中であまり反応が芳しくない事を感じ取って修正してきたのだ。

我々の反応をよく読み取っている。

ただ、調子を上げてきただけではない。

我々に合わせに来たのだ。


後から知ったが、ベースの子は元々アイドルだったらしい。

しかも、鳩崎先生のプロデュースしているグループに所属していたとの事。

流石鳩崎先生の元にいただけの実力はある。

ステージは観客ありきで成り立つ事を知っているのだ。


そう考えると、ステージをベースを弾きながら動いていたあの行動。

映像を観ると説明がつく。

リズムに乗っていただけだと思っていたが、あの瞬間ボーカルとアイコンタクトを取っていた。


「演奏技術はまだまだですが、彼らは伸びますね。途中からこちらの反応を見る余裕がありましたし」


「確かに。ボーカルの子、我々の反応に合わせてましたよね。」


「ベースの子。元アイドルでしたっけ?そのおかげかステージの使い方分かってますね」

演奏の技術はまだまだだが、冷静に周りを見れる。

経験を積めば伸び代はかなりある。

それがこのバンドへの我々の評価だ。

だが、悪い点もある。

彼らはその事に気付けるだろうか。

もし気づけなければ、彼らにこの先はない。

それも含めて、俺の記憶に残っていた。


話もひと段落つき、次のバンドの映像に切り替用とした時、1人のスタッフが手を挙げる。


「あの、このバンドの事なんですけど」

手を挙げたスタッフはこのテレビ局のADの男性。

名古屋会場の選考を手伝っていた子だ。

我々の元に昼食の弁当を運んで来てくれたから覚えている。

彼は一斉に視線を浴び恐縮し小さくなっていた。

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