ありがちを叫びたい 8
結局私の見解は正しかったと思う。
こうして、人とすれ違っても誰にも振り向かれないし、学校でも話しかけてくれる人はいない。
私には人を惹きつけるオーラがないという事だろう。
“人の目を気にしなくていいとなれば、すっぴんでいても問題ないから楽だ”
自分でも今の自分は地味だと思う。
むしろ、自ら目立たない事を望んでいる様な気がする。
休日は一応メイクして出かけるが、あの頃より薄くなった。
女子としての私は退化しているのだろうか?
最近自分に問いかける事が多くなった。
自分にいる沢山の自分に。
ラジオに耳を傾ける。
少しでも頭を空っぽにする時間が欲しかったから。
考えていても落ち込むばかりだから。
ラジオを聴いていると帰り道はあっというまだ。
家に戻る。
僅か15分の滞在時間を経て、私は自転車に跨がる。
紅茶の匂いに後ろ髪を引かれるが、こう見えても私は忙しい。
23区トウキョウの新曲の練習をしなくては。
カップリングの曲が3曲もあるのだから。
友達の居ない私はひたすらダンスに没頭する。
放課後のこの時間、クラスメイト達はどんな過ごし方をしているのだろうか。
私には分からない。
仕事をしているか、居残り姉妹として鏡とにらめっこしていた記憶しかない。
学校帰りにタピオカを飲みに行くのだろうか。
はたまた、ゲームセンターだろうか。
アルバイトに勤しんでいるのかも知れない。
そういった過ごし方に羨ましい気持ちはある。
だが、一人でそんな事をしても何も面白くない。
だから、今は目の前のダンスだ。
新作映画を見るようにワクワクしている自分。
また、新しい物語に想いを馳せる。
そういった気持ちで寂しさを消し去っていく。
楽器屋RACKに向かう私。
白い自転車を漕ぐペダルが少しだけ重い。
そして、少しだけ16区ナゴヤのメンバーに会いたくなっていた。




