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また弦を切ったあの子  作者: 角河 和次
卒業のあと
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卒業のあと 0

朝起きる、顔を洗う、学校に行く、授業を受ける。

高校2年生の当たり前の日常。

当たり前が私には違和感だらけだった。


もちろん、私が勝手に違和感を感じているだけ。

それは私が反社会的であるとか格好をつけているわけではなく私にとっての当たり前ではなかったからだ。

「卒業」から1ヶ月経ったがまだ身体が慣れていない。


“6限目まで授業を受けるのは辛いな”

1日の最後の授業が終わり机に突っ伏しため息を吐く。

こんなことを毎日思っているような気がする。

いや、多分毎日言っている。


教室の窓から空を見る。

ただ、その辛さも嫌いではなかった。

自分が高校生の役割をしっかり勤めあげられているような気持ちになれるからだ。


窓際に座るショートカットの女の子。

身長はあまり高くなく、細身で華奢な感じに見受けられる。

肌は白く、目は二重で鼻筋がとおっている。

いわゆる美形だが、モデルや女優ほどではなく、クラスの中に溶け込んでおり違和感はない。


"これが普通の16歳の女の子の生活だもんな”

HRの時間、先生の話を聞きながら思う。

見渡せば同じ制服を来た同級生が思い思いにHRの時間を過ごしている。

先生の話を聞く子、友達との会話に花を咲かせる子、すでに帰る準備を整え帰る気マンマンの子。

ここにいるのは同じ年齢の子ばかり。

全員の名前を把握できているわけではないが薄っすらと区別出来るようになってきた。


岐阜県にある普通の公立高校

学力のレベルはそれなり

この学校には2年生の5月に転校したばかり。

5月という間の悪い時期に転校してきたため、友達作りのタイミングを失い友達と呼べる友達はほぼいない。


「では、気をつけて帰るように。」

先生の言葉を合図に同級生達は一斉に立ち上がる。

そして、バラバラに帰っていく。

その波に乗り遅れないよう私もカバンを肩にかけ席を立つ。


軽く周りの同級生にバイバイと声をかける。

周りもあいさつを返してくれる。

決してとても仲が良いわけではないがあいさつは大事だ。

私はその様に教わってきたし、その癖が身体に染み付いている。


あいさつを返してくれた事を少し嬉しく思いながら私は教室を出た。

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