始まり。(1)
愛ってなんだろうか。
いや、愛なんて存在しないんだ。
付き合っても、永遠はない。いつかは別れるのだ。
ドラマのような運命的な出会い。
アニメのような現実味の無い恋愛。
人は夢見ている。
馬鹿げている。
街を歩いていても、周りにはいちゃつくカップルを見るが、あいつらはすぐ別れるはずだ。
キモイ?そんなのありえない?
そんなの僕に言ってもなんとも思わない。
僕は失恋した。
おまけに色々なものを失った。
それを埋めあわせるために、色々な恋愛ドラマやアニメを見た。
なんなんだ。ただの作者の妄想でしかない。
僕は病んでいると思う。
いや、もはや病みを通り過ぎている。
僕は恋愛という概念を捨てた。
今の世の中はSNSが流行し、聞きたくない情報も見たり、発言したり、発言の場が匿名でも言うことができる。
傷つけ傷つけられ、純粋な恋愛もできなくなった。
今の子供は、自由になりすぎている。
僕も自由になりすぎた。
さあ、変えてやろうぜこんな世界。
僕は彼女を作らない代わりにアイドルに手を出した。
最初の頃は、可愛こぶったりしているアイドルに少しの興味をそそられなかったが、女の子と毎日話さなくなるにつれて少しずつ興味を持ち始めるようになった。
孤独は寂しい。
最初の頃は僕はそうとは思わなかった。
友達との面倒くさい関わり。
彼女とのやり取りに慎重になったり。
こんなの楽しくもなんとも思わなかった。
高校を卒業したのと同時に、僕は浪人生となった。
高校時代は部活ばかりして、いつも親から勉強しろと怒鳴られた。
僕はこれを機に、都会の大手予備校に通い、寮生活をするようになった。
最初の頃は、人懐っこさを演じ友達も少しはできたが、秋になると、気づけば友達も誰一人もいなかった。
寂しい。
ほんとに寂しいと思うんだ。
僕は初めてこの時、寂しいって思うようになった。
僕は、浪人生を孤独のまま卒業し大学生となった。
3月の間に高校時代の友人と旅に出かけたりして、僕は幸せだなって改めて思った。
高校時代の友人達と食事をすることになって、僕達は一年ぶりにみんなと再開した。
「あれ?久保って彼女とどうなったの?」
急に1人の女友達が僕に尋ねた。
「急に可愛くなったよね!私びっくりした!」
そう、僕の元彼女別れてから劇的に印象が変わった。
メガネからコンタクトに変え、ピアスをし、化粧をすることで見た目がガラリと変わった。
周りは、そうそう!とか、やばいよね!とか、ざわつき始める。
こいつらはきっと人を印象でしか見ないのだろう。こいつらは何もわかっていない。
こんなふうに僕が思えるのは、僕には相手をうまく観察し、相手の人格を的確に当てることができるのだ。
でも僕はこの能力をうまくは使えない。
「で、どうなったんだよ!あれから1年だろ!連絡とかとってないの?」
肩に手をかけながら、話しかけてくるのは本山舜士。僕の中学からの親友だ。
部活も一緒に励み、僕とは違って、部活でも活躍し、勉強もできる俊才なのだ。
僕はこいつを心の底から尊敬できる。
彼女もできるし、友達も多い。
なんと言ってもイケメンだ。
マンガとか、恋愛ドラマとかに出てくる、ああいうかっこいいタイプの奴なのだ。
「でどうなんだよぅ」
「なんもない。もう縁は切ったって言ったろ。」
「だよな。高校の時も付き合ってて楽しそうに見えなかったもんな!言ったろ、俺。楽しくねえなら別れろって。あみちゃんと一緒の方が楽しそうにしてたじゃん。あみちゃん今フリーらしいぜ。」
あみちゃん。松下亜美。本音も言い合える女友達。
確かに僕は、松下と付き合ってた方が楽しかったかもしれない。
元彼女と付き合わなけええば、確実に告白もしていたはずだろう。
「今日いるぞあみちゃん!どうすんだよぅ」
「どうもしない。あれっきり僕は彼女を作ろうとは思えないんだ。」
「楽しくないな、お前の人生。」
「僕はこういう人生でもいいと思ってる。」
「あっそ。変わったなお前。」
「変わったよ。1年で。変われるんだよ人はたった1年で。」




