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4話 ようやく出発


・・・もうちょっと静かに食べることはできなかったのだろうか。

シャーはひどくうるさい咀嚼音を立てながら

ヴォルフの死体に喰らいつき、その度に血しぶきが舞い、

地面を赤く染め上げる。


目の前で悲惨な光景が映っているが

俺は当たり前であるかのように、全く動揺をしていなかった。

顔をそむけたくなる様な、

悲鳴の1つでも上げてもおかしくないような、そんな出来事なのに

俺は平然として、今、こうして冷静に考えていられる。

魔物になったことでこういう物に嫌悪感を感じなくなったのだろうか?

それとも・・・


【ウメェ!ウメェ!】


・・・こいつから声と共に送られてくる幸福感に

俺の恐怖心が押し潰されてるのかもな・・。


それにしてもこいつ、俺が大声を上げてうるさそうにしてた時も

敵に威嚇していた時も、こんな風に声が送られてくるなんて

無かった。もし、今の声が感情が溢れたから声が送られるのだとしたら

こいつは、どんだけ食い意地を張っているんだ・・


まあそれは置いておこう。魔物である以上、戦いは避けられない。

こういう物に耐性がついたのは好都合だしな。

色々な疑問はあるけど。


それでも、やっぱり精神的に見たくなかったので

目を逸らし、次のことを考えた。


そういえばステータスがどうとか言っていたな。

ステータスを確認すると能力値を自由に3つ上げられる様だ。

念の為、それぞれの能力の説明を見てみる。


器用値 攻撃命中率アップ

敏捷値 移動速度、攻撃回避率アップ

知力値 魔法攻撃ダメージアップ

筋力値 物理攻撃ダメージアップ

生命力 物理攻撃の防御においてダメージ軽減

精神力 魔法攻撃の防御においてダメージ軽減


どうやら、この器用値というのが、攻撃を当てやすくする能力らしいので

早速、俺はその能力にすべてのポイントを使う。


 器用値 23(3↑)敏捷値 24 知力値 20 筋力値 24 

 生命力 24 精神力 20


よし、ちゃんと上がったようだ。

さっきの戦闘で分かったが

物理ダメージを上げる筋力値は十分に高いが

当たらなきゃ意味がないのが分かったからな。


それで次は・・・そうだ、種族スキルの確認をしようとしていたんだった。

そう思いステータスを開く。


種族スキル

捕食吸収 共有 複数意思 威圧 盾鱗 丸呑み 頭(獅子 鮫 )※あと1頭まで追加可能


早速、調べようと、捕食吸収の説明から見ようと意識を集中する。

・・・が、何故か説明が出ない。隣の複数意思の説明も見ようとしたが、

説明は出ない。


おかしいな、まさか壊れたのか?と思い、試しにノーマルスキルに意識を集中すると

いつも通り、スキルの説明が出てきた。

もう一度、種族スキルの説明を見ようとするが説明は出てこない。


うーん、もしかしたら種族スキルは詳しい説明というのが

無い、もしくは見れないのかもしれない。


詳しい説明がないのはつらいが幸運なことに説明が無くても

わかりやすいものが多い。


頭についてはそのままの意味だが追加可能というのが気になるが、

どうすればいいのか分からないので、とりあえず置いておこう。


丸呑みもはやろうと思えばできるのだろう、当然やりたくないが。


盾鱗は、鱗と書いてあるので試しに自分の体を触るとザラザラとした鱗がある。

これは、きっとシャー、もとい鮫を選んだからこのスキルがあるのだろう。

このスキルが無かったらヴォルフから受けた傷はもっと酷かっただろう。

食い意地が張っているがこいつを選んでよかった。


ということは、スキルを見る限りこの威圧が、獅子のスキルなのだろうが・・

これ、ちゃんと発動しているのか?ヴォルフに舐めた態度を取られたぞ。

やっぱり俺が弱かったから発動しなかったのか?いや、でも

俺が雄たけびを出したときは、怯えていたから大声を上げると発動するのか?

でもそれだと名前的に違うような気がするしなぁ…


前言撤回。説明が無いと名前でどういう効果というのが

なんとなく分かっても発動する条件が分からない。

確認はまた今度にしよう。じゃあ次だな。


複数意思と共有は、シャーのこと、そしてそれと念話のように

意思疎通ができる事だろう。

共有と念話の違うところは、シャーとしかできないが

感情まで分かる所だろう。


・・・もっとも、これが何の役に立つのかは分からないが

いざという時、役に立つかもしれない・・・多分。


さて、とりあえず自分のスキルの確認は終わったな。

意外とスキルが多かったが大体は分かったし、

ようやく一息ついたところでふと無視してきた

シャーの気持ちに悲痛な思いが混じってきていること

気づいた。


まあ、なんとなく理由を察しながら

シャーの方を見ると血がべったりとついた口で

丁度最後の肉片を食べ終わり

残った骨をじっと眺めているところだった。


だろうなーと思いながら、ペットを飼っていた時の様な

保護欲というべき感情が湧き上がり

なんだか、実家で飼っていた犬を思い出してきた。


まあ、丁度いい。そろそろ

お楽しみの冒険に出発しよう!


妹に声をかけるため妹の方を

見ると丁度黒い画面を閉じたところだった。


『おっ、そっちも終わったみたいだな。』


『あっ、ごめん、待たせちゃった?』


『いや、こっちも終わってお前に声をかけようとしてたところだ。』


『そっか、じゃあそろそろ、行こうか。』


『おう!』


というわけで、いける道を探して見ると

ここは、それなりに広い部屋になっていて、ヴォルフが来た道以外に

通路がない様なので、さっきみたいに敵が来ないか警戒しつつ

進んでいくとしよう。


少し進んでいくがこの洞窟の通路もなかなか広いので

戦闘は問題なさそうだがどうやらここは

自然にできたものではないようだ。

道が綺麗にできすぎているのが理由だが

俺は実際の洞窟という物を見たことがないから

よく分からないのだが。そもそもここが洞窟だと

確定したわけでもないしな。


謎が多い。


そして、二度目の曲がり角を曲がった時、

突然、首元に何かが止まったと同時に

針が刺さったような痛みが走り

とっさに体を振ると

何かは離れていった様だ。


『クソッ、敵だ!首元を刺された様な感じがした!』


『えっ!でも何の気配も感じないよ!』


そういえばまだ慣れていないせいで忘れていたが

気配感知があるんだった。

でもさっきのヴォルフのような気配は感じられない。


周りを見渡すと小さな影が空中を飛び回っているのが

見えたが右に飛んでると思ったら急に止まったり、かと思ったら

今度は左に飛んだりとかなり不規則な飛び方で

うまく視界に収めることができない。


そう考えてる間にもまた刺された。

今度は胴体側面だ。

今度は蚊を潰すような感じで傷んだところを叩くが

勢いよく自分の体を叩いただけだった。

正直少しチクリとする程度だがほっとくと何をするかも分からないし

何より、正体を突き止めたいという好奇心がある。


さて、まずは動きを止める必要がある。

だが、これはもう考えがある。

まず俺が囮になって・・・


『よしっ!敵を調べられたよ!はいこれ敵のデータ!』


『は?ど、どうやって?』


『え?刺されたって言ってたから、お兄ちゃんに

止まってから攻撃してるんじゃないかと思って。』


・・・俺と同じ解決策を俺よりも先に見出していたようだ。

なんだか妹にまた負けたような気分だ。

まあ、妹は優秀だしな。うん、しょうがない。


とりあえず、送られてきたデータを見た。

てか、これって別の人に送れるんだな。


バット lv2 魔物 戦闘状態


バットって意味は確か・・・そうだ、蝙蝠だ。

蝙蝠と言えば名前はよく聞くが実物を見たことがない。

それにこんな飛び方をするとは知らなかったな。


次は倒し方をと考えてはみるが

俺はあのスピードに当然間に合わないし

ヴォルフの際に見せたあの妹の黒い球も

あの動きじゃうまく当たらないと言われた。


打つ手がなかった。正直、もう十回ほど攻撃されているが

何か特別な行動をしてくる訳でもないし

自己再生で傷もすぐ直るので

このまま無視して進んでいくことにした。

名前 ガルム

種族 キメラ 男 種族Lv1

加護 融合王の加護 (連携UP↑)


ノーマルスキル


噛み付きLv2 爪撃Lv2 体当たりLv2 夜目Lv2 疾駆Lv2

自己回復LV2 身体強化Lv2 気配感知Lv2 連携Lv2

念話Lv2 水棲Lv1 鑑定Lv2 識別Lv2


 器用値 23(3↑) 敏捷値 24 知力値 20 筋力値 24

 生命力 24 精神力 20


種族スキル


捕食吸収 複数意思 威圧 共有 鮫肌 丸呑み 頭(獅子 鮫 )※あと1頭まで追加可能




遅れてしまい、大変申し訳ありません。

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