長すぎる夏休み
「カブト虫を踏みつぶしちまった。バッカだなぁ俺・・・・・・ 」
暑い暑い夏の森の中。少年ともお と 少年けんたろう は残念そうに潰してしまったカブト虫を上から
眺めていた。けんたろうは落ち込んでいる、ともおを元気づけようと言った。
「お、おい駄菓子屋いって菓子食べようぜ!そんな落ち込むなよ夏休みはまだ始まったばかりだぜ?
また探しに来ればいいさ。」
「そうだな・・・じゃあ駄菓子屋まで競争なっ!」
ともおは突然走りだした、けんたろうも後を追うように走り出した。ともおは足がとても速くけんたろう
をドンドン突き放していく。ともおが見えなくなってしまったけんたろうは森の中から道に出た。すると
そこにはうつ伏せで道路の上に横たわっているともおがいた。どうやら車に魅かれてしまったらしい。
ひき逃げだった。
ともおはゆっくりと目を覚ました。周りは真っ白な空間でともおは高価そうな机を前にして高価そうな
椅子に座っていた。そのすぐあと目の前から眼鏡をかけたスーツ姿の男が歩いてきて、向かい側
にある椅子に着席した。眼鏡の男は言った。
「ともお君、あなたは死んでしまいました。ここは生まれ変わり相談所という場所で10歳に満たず
死んでしまった人間は必ず通るところなのです。」
「なんか、頭の中が空っぽになってしまっているみたい・・・」
「仕方ありませんね、ここに来ると生前の記憶がなくなってしまうのです。まぁそんなことより、早速
生まれ変わり先を決めていきましょう。生前あなたはカブト虫に強い関心があったようだ、なので
生まれ変わり先は成虫になったばかりのカブト虫ということにしましょう!それっ」
カブト虫が目を覚ますと森の中の木に止まっていた。近くでは子供達が駆け回っている。
「いいなぁ人間はあんなに地面を走ることができて・・・」
カブト虫がそんな事を考えている時、さっきの子供たちが近づいてきた。そしてカブト虫を指でつまみ
おもっきり木からはがそうとしたのだ。
「痛い、痛いやめてくれ!頼むからっ」
カブト虫は少年達の力に負け地面に落ちてしまった。その瞬間グチャっ・・・・・・。カブト虫は
踏みつぶされてしまった。あっという間の出来事だった。
カブト虫はゆっくりと目を覚ました。周りは真っ白な空間でともおは高価そうな机を前にして高価そうな
椅子に座っていた。そのすぐあと目の前から眼鏡をかけたスーツ姿の男が歩いてきて、と向かい側
にある椅子に着席した。眼鏡の男は言った。
虫君、あなたは死んでしまいました。ここは生まれ変わり相談所という場所で悪事を行わなかった者が
死んでしまった時は必ず通るところなのです。」
「なんか、頭の中が空っぽになってしまっているみたい・・・」
「仕方ありませんね、ここに来ると生前の記憶がなくなってしまうのです。まぁそんなことより、早速
生まれ変わり先を決めていきましょう。生前あなたは人間に強い関心があったようだ、なので
生まれ変わり先は人間の少年ということにしましょう!それっ」
「カブト虫を踏みつぶしちまった。バッカだなぁ俺・・・・・・ 」
暑い暑い夏の森の中。少年ともお と 少年けんたろう は残念そうに潰してしまったカブト虫を上から
眺めていた。
読んでくれてありがとうございます。感想待っています。