夢のクリスマス (夏生版)
眠いけれど
あとちょっと
あとちょっと
クラフト式の自転車
小さい小さい自転車で
ちょっと動かすと
部品が取れてしまう
自転車なんか
いらないもん!
練習したって乗れないもん!
息子の泣き声思い出す
本当は欲しくて
乗れるようになりたくて
息子の心の声は
耳を塞いでも聞こえていた
息子は
友だちの自転車借りて
練習したけれど
何回も転んで泣いていた
転んでも転んでも
泣きながら立ち上がる息子の姿に
うなだれていた僕の心は
大きく揺さぶられて
ある日
息子は友達にもう自転車貸してやんないと
言われてしまった
必死に頑張っていたのに
バッサリ切られてしまった
僕のように
それなのに僕は
息子を怒ってしまった
頑張れよ
諦めるなよ
本当は
自転車を買ってやれない
自分に腹を立てていた
簡単にくじけそうになって
頑張る息子の姿にすがっていた
自分が情けなくて
頑張れよ
諦めるなよ
今度は自分が
何度弾かれても
弾かれても
頑張って
諦めないで
諦めないで
そして やっと掴んだ
クラフト式の自転車
完成!
おっと肝心のメッセージを
書かないと
「メリークリスマス!
ヒロくん、げんかんのそとを
みてごらん」
あいつ
喜んでくれるかな