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プロローグ
――それは、1000年も前の物語。
かつて、この『オリヴィエール』は、闇に覆われた世界だった。
中心地である『クラヴィス』王国は魔王・メネシスによって支配され、暴虐の限りを尽くす彼らに人々は怯えながら暮らしていた。
その男が現れるまでは。
その男は、田舎の剣士であったが、非常に腕が立った。
彼は悪逆非道なメネシスのやり方に怒りを覚え、立ち上がったのだ。
そして、数々の困難を乗り越え、仲間たちと共に、メネシスを倒し、腕輪の中に封じることに成功した。
その後、彼は英雄として讃えられ、彼の戦いは伝説として、語り継がれることになった。
腕輪は、王国の秘宝として、封印されることになった。
しかし…時は過ぎ、200年ほど前。
――その腕輪が奪われたのだ。
王国は血眼になって腕輪を捜すが、見つかることはなく。
幸い、メネシスが復活することはなかった為か、いつしか人々の中から、腕輪の存在は消えていった。
これは、現代。
騎士を目指す、明るく快活な少年と、仲間たちの織り成す、絆の物語――。