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学生鞄を持ち、玄関の扉を開けるとそこには紺色のつんつんした髪型でサングラスをかけた細身の男がたっていた。


「おじょ…若!おはようございます!」


「…何しに来たんだよ、狭山」


男は膝に手を付き頭を下げる。


ご察しの通り、俺の父親は割と名の知れたヤクザの組長である。

転生したという事実と世界の違いに鬱を起こしていたため、口数も少なく、くらい雰囲気を漂わせていた俺を、父親や組員はかなり心配していたらしい。


そんな中、俺の男として生きたいという初めてのお願いがとても嬉しかったのか、組みそうでで動いてくれ、無事俺は戸籍上男として登録された。


どんな手を使ったのかは知らない……


悪いこともしているらしいが俺のために本気で行動してくれたりと、とても頼りになる組のみんなのことを俺は信頼しているし、多少過保護なところもあるが父親や組員達とは良好な関係を築けている。


そんな俺も今や15歳、他県の高校へ通うため一人暮らしをしたいと言ったところ何故か二階建てのまぁまぁな一軒家を購入してくれた。そして今日はその高校の入学式の日である。


「組長今日、他の組との集まりがあるんで入学式には行けないって話してたじゃないですか」


「おう」


「でもどうしてもむすm…息子の晴れ舞台を見たいってことで撮影するために来ました!」


笑顔で高そうなカメラを持っているこいつは

狭山(さやま) うちの佐藤組の若頭である。


「あのな、さっきからその下手な誤魔化し方…もういいや、てか組の集まりがあるのに若頭のお前が行かなくて大丈夫なのか?」


「いや俺もお嬢の入学式見たいんで無理やり来ました!組長ずるいぞ!ってブチ切れてましたけどね」


ドヤ顔で何言ってやがんだこいつ…てかとうとう誤魔化すのすら辞めやがった…


こんな感じでうちの組はノリが軽い


「それにしてもかっこいいですねぇ〜お似合いですよお嬢!」


「はいはい、それじゃそろそろ遅刻するから行くぞ、目立つなよ、あとお嬢って呼ぶな」


「分かってますよ」


〜〜〜


学校までは徒歩で15分ほど、自転車でもいいのだが俺は歩くのが好きなので徒歩で登校した。


狭山は保護者の案内に従い別れた。


俺はトイレへと向かい鏡でもう一度自分の姿を確認する。


「どっからどう見ても男だよな」


細身ではあるが割と筋肉質の為、見た目では女だと分からないはずだ、金髪にそめた肩の辺りまである髪を後ろで束ね一つ一つチェックしていく。

恵の顔はどちらかというと美人よりではあるが右頬にある'傷'が存在感を出しており、恵のメイク技術も相まってかなりの男前に見えている。

しかしながら、精神年齢的に20代後半程ではあるが、前世でも高校は通ったことはないため、多少緊張していた。


鏡で確認をしていると、トイレに男子生徒が入ってきた。


髪を整えている状態で目が合い、お互いに固まってしまう。


黒のショートヘアの男子生徒で最初に感じた印象はでかい、それに尽きる。恵の身長も170前半ではあるのだが、その男子生徒は180後半はあるだろうか、圧倒されてしまうほど大きく、鏡で丁寧にチェックしていた事に気恥しさも感じていた為完全に固まってしまう。


「その傷……」


沈黙を破ったのは黒髪の男子生徒である。


「えっ?あっこれ?小さい頃にちょっと喧嘩しちゃってさ、それより新入生だよな?俺は佐藤 恵、よろしくな」


相手が声を発したことをいいことに恥ずかしさを誤魔化すように畳み掛ける。


「あっえ〜っと、佐久間(さくま) (かける)だ、よろしく」


図体でけぇのに声は小さいのかよ、


「じゃあ、先に教室行ってるわ、また後でな!」


「あっちょっ」


何か言いかけていたような気がしたが、俺は逃げるようにその場を去った。

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