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「国連人口基金によりますと、現在の男女比は4対1、去年はまだ7対3だったことから考えますと、とても早いペースで女性の出生率が低下してきています。このままでは……」
ピッ
「どうなってんだかね〜」
トーストを咥えたままテレビのリモコンを操作する短パンとぶかぶかのシャツを着た少女
「まっ俺には関係ない話か」
少女はBカップ程あるだろう自分の胸にサラシを巻き、男子用の学生服を身にまとい、軽いメイクを施す。
そこには、誰が見ても爽やかなイケメンと表現するであろう男子高校生が出来上がっていた。
〜〜〜
中学2年の夏、俺はトラックに引かれて死んだ。
急な事だったのでどうしてそのような状況になったのかはハッキリしていない。
ただただ不注意で信号を確認していなかったのかもしれないし、道路に飛び出た子供を助けようと思ったのかもしれない。
とにかく俺の意識はそこで絶たれた。
そして気づけば俺は3歳の女の子になっていた。物心というものであろうか、突然自分を自分だと認識したのである。
これが転生と言うやつなのか、そんなことを感じながらもしばらく過ごしていると、自分がだいぶ特殊な環境にいるということが分かってきた。
まずこの世界は女性というものが極端に少ない。当時の男女比は7対3、そして家族という形もかなり前世とは異なっていた。
女性は25から30までの間に3から5人の子供を産むという形になっていて、結婚をするという訳ではなく、男性との間に子供が産まれたら、その子供をその男性が育て、女性はまた別の男性と子供を作るというシステム。
初めて知った時は倫理的にどうなんだと感じていたが、この世界は妊娠中の不安定な時期などを支えるサポートや精神的な面を支えるカウンセリング、そして出産に伴う麻酔などの高い技術により、全面的に女性を支えていくという姿勢になっている。
しかし男性の性欲は健在、性的な事件があるだろうと思っていたのだがそういった犯罪はほとんど存在しない。それは何故なのか、法律を知った時に納得した。そういった行為は一発極刑でなのである。
これを知った時はあらまぁという感想しか出てこなかった。
そして俺はそんな世界に、佐藤 恵として生まれたのである。
なんでだぁぁぁ!こういうのって男女比1対9とかの世界に転生してハーレムを築いていくものじゃないのかー!
転生して肉体よりも高い精神年齢を持っていると言っても、所詮中学生、現実を受け入れるのにだいぶ苦労した。
世界の違いや女として生きていかなければならないという現実に多少の鬱を引き起こしていた俺は5歳にして親にとあるお願いをした。
「男として生きたい」
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