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解説「深根会」
――静かな大樹は、今日も誰にも気づかれずに立っている。
私たちの日常は、
あまりにも当たり前で、
あまりにも静かだ。
朝、子どもを送り出し
仕事に向かい
夕飯の献立に迷い
疲れて眠る。
その「何も起きない一日」を、
誰が守っているかなんて、考えたこともない。
でも――
何も起きない、という奇跡は
偶然ではない。
街角の違和感。
ニュースにもならない異変。
「気のせい」で流される、小さな揺れ。
それを拾う者たちがいる。
声を上げず、名を残さず、
ただ“循環”として存在する組織。
枝が揺れを拾い、
根が判断し、
幹が支え、
花が守られ、
実が未来を育てる。
それが――
深根会。
これは、
派手なヒーローの物語ではない。
「守られてきたこと」に、
ある日ふと気づいてしまった
私たち自身の物語だ。




