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マッチング魔道具で知り合った子が魔王軍の女幹部だったんだが。  作者: ふぃる汰


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58話 幼なじみと敵国幹部



「……は、はい。こんな感じで大丈夫でしょうか」



「うわ~すごい! サインだけじゃなくてスケブまで描いてもらえるなんて……! 蛇目先生、ありがとうございます~っ!」



「……い、いえいえそんな。というか、わたしのことはラァ子で良いですよぉ」



「そそそそんな、恐れ多いです! 蛇目漱石大先生に対してそのような呼び方は万死に値しますっ!」



「今までのオレは万死に値してたのか」



 憧れの作家先生に会えて大興奮のハチェットと、そんな彼女のハイテンションっぷりに困惑しつつも嬉しそうなラァ子。

まるでこの間のメリアスのライブに来てたファンとのやり取りを見てるみたいだ。



「……ま、まさかルイさんのご友人が、わたしの作品のファンだったなんて。きょ、恐縮ですぅ」



「コイツに頼まれて本買いに行ったらブースにラァ子がいてさあ。あの時はさすがにオレも驚いたよ。というわけでラァ子、オレが欲しくて買ったんじゃないからな? コイツの代理で買ったんだからな?」



「そんなこと言って~ルイくんも読みたいんでしょ? ナーガとハーピィの托卵バトル交」



「タイトル読み上げなくていいから」



 憧れの蛇目漱石先生からイラスト付きでサインを貰い、さらに写真まで一緒に撮ってもらったハチェットは本当に幸せそうだった。

それにしても、体長でいえば魔人族1位のナーガ族と、亜人族の中でも妖精族に次いで小柄なリトルフット族が一緒にいるのは中々に珍しい組み合わせだな。



「……ど、どうしましたかルイさん。わたしたちのほうをじっと見つめて」



「どうせ見抜きでしょ? ルイくんのえっち!」



「こんな公共の場でんなことするわけねえだろ。いやまあ、ナーガ族とリトルフット族の組み合わせは珍しいなって思ってな」



「あーたしかに。リトナー系のカップリングってあんまし無いよねえ」



「……フェ、フェアナーは結構ありますが、リトナーはだいぶニッチジャンルですねぇ」



「は? な、なに? リトナー? フェアナー?」



 急に専門用語を出されても意味不明なんだが。



「リトルフット族とナーガ族のカップリングがリトナーで、妖精族とナーガ族のカップリングがフェアナーだよ。ルイくんこんなことも知らないんだ~」



「知ってるわけねえだろそんなもん」



「……ル、ルイさんはわたしとハチェットさんをそういう目で見てたんですねぇ」



「リトナーの百合とかさすがに過疎ジャンルすぎるよルイく~んっ!」



「いやだからそういうんじゃねえって……」



 随分と楽しそうだなこいつら。まあ同じ趣味っていう繋がりもあるしな。

なんにせよ、知り合い同士が仲良くなってくれて良かったよオレは。



「……あ、それならルイさんも作ってみますか? リトナー百合の混ざりモノ系同魔人誌……ルイさんがシナリオやるなら、わたしイラスト描きますよぉ」



「おっ良いじゃん良いじゃん! 蛇目先生がイラスト担当してくれるならもう爆売れ間違いなしだよ!」



「作るわけねえだろ」



 サンブレイヴ聖国師団長とエビルムーン帝国十三邪将がタッグを組んだ同魔人誌とか国際問題になるわ。



 ―― ――



「いや~まさかあの蛇目先生とお知り合いになれちゃうなんて、ハチェット感激だな~。ルイソンくん、今日は本当にありがとう」



「そうかい。それは会わせた甲斐があったよ」



 エビルコミックマーケットから帰り、喫茶ハロゥでイベントの打ち上げをする。

いやまあ、打ち上げって普通は頒布してる方がやるもんだと思うけどな。

実質ハチェットの戦利品お披露目会に付き合わされてるだけだし。



「それにしてもお前、またなんというか……ニッチというかエッチというか」



「同魔人誌ってそういうもんだから! ほら、ルイソンくんにもオススメのやつ貸してあげるよ」



「なになに……『合法ロリババア吸ケツ鬼と秘密の穴』……絶対読みたくないわそれ」



 なんちゅうもん買ってきてんだこいつは……



「ん? これは……」



「あっちょっと待って! それはっ」



 『ぷに〇〇リトルフット、深夜の濃厚人狼ゲーム』



 …………。



「……よ、読んでみる?」



「勘弁してくれ」




————  ――――


面白かったら★とリアクションをいただけると執筆の励みになります!


————  ――――

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