君の隣に
ネオside
アルに揶揄われながら、俺らは帰路につくことになった。
アルが言うには
「魔王だから大丈夫だとは思うが非常事態が起こらないとも
限らないから、家まで俺が送っていくよ」
だそうだ。
、、、俺はこの先どうしようか。
いつも通り研究を続ける日々か、それとも、、、
アルと一緒に誰かを助ける旅に出てみようか。
まだ話してもいないし許可ももらってもいないが。
だけど、このまま研究室にいるのも何か違う気がする。
「、、なぁ、アル。」
「どうした?ネオ。」
「、、俺も、アルの旅についていってもいいか?」
「、、、え?」
俺の言葉にアルは驚いたようで固まってしまった。
、、、まあそれもそうか。
今言ったばかりだし頭の整理が追いついていないのだろう。
「、それは人を助ける旅についてくるってことか?」
「嗚呼、そのつもりだ」
「、、、俺はいいけど、、お前は大丈夫なのか?」
「、?」
「人を助けるってことは勿論魔獣も殺すし
、、、魔族を殺すかもしれないんだぞ?」
ああ、なるほど。
アルは俺に同族を殺す手伝いをさせることが嫌なのか。
「その、魔王として、、、というより同じ種族の人,?は、
流石に殺したくないだろうから,やめておいた方がいい。」
「その辺に関しては気にしなくてもいい。」
「気にしなくていいって、、同族だろ?」
「同族だが、俺は嫌われているからな。別にいい。」
そう。俺は歴代の魔王と違って慕われていない。
魔族にも身分があって,俺は一番身分が低かった。
力で、俺は身分を覆してきただけだからな。
魔王という地位にいることが気に食わない奴がたくさんいる。
よく食事に毒をもられたし、暗殺もされかけた。
、、、そんな奴らを、同族だからといって情をかける理由はない。
まあ、アルは無差別に魔族を殺すなんてことはしないと思うから
人間に害がなければ生かしてくれるだろう。
「そうか、、、だけど,無理だけはするなよ?」
「これでも魔王だ、死なないよ」
「死なないのはわかるが精神的にってことだ。」
あ、そっちか。
「これからは一緒に旅をする仲間なんだから頼ってくれよ」
「、、、善処する。」
魔王が勇者に頼る、か。面白いこともあるものだな。
あ、そうだ、みんなにも知らせておかないとな。
「少しあいつらに伝えるから静かにしててくれるか?」
「あ、おーけー。」
俺は思念伝達を使い、あいつらに連絡をした。
『しばらく勇者と旅に出てくるから少しの間任せたぞ』
『え???、、、わかりました!楽しんできてくださいね!』
、、俺はいい仲間をもったな。
「連絡終わった。」
「お、じゃあこのまま別の依頼の街に向かうか。」
「また依頼か?ちなみに、どんな街なんだ?」
「町の名前はアラストル。美味しい食べ物がたくさんあるってさ。」
「観光とかはするのか?」
「もちろんするさ!せっかくだし楽しまないとね!」
「へぇ、、、楽しみだな」