魔物討伐
ネオside
一通り話を聞き終わった後、俺はアルに尋ねた。
「アイザックとはどういう関係なんだ?」
アルは少し考える素振りをした後こう答えた。
「仲のいい相棒、かな、」
悲しそうにもういないけどね、と付け加える。
「じゃあ今までありがとう、それそろ魔物の討伐に向かうよ。」
「まだ回復しきっていないだろ?死ぬつもりか?」
「、、死ねたら楽なんだけどな」
「は、、?」
「し、死にたいってことか、、?お前は。」
「そうだよ、相棒も助けられない俺の何が勇者だ。
俺は、、、一刻も早く死にたいんだよ。」
そう言いながら聖剣を担ぎ荷物を持つ。
「っ、おい、待て!」
「じゃあ、お世話になりました。」
俺の制止も聞かずに扉は虚しく閉められた。
あの様子だと体調はおそらく大丈夫だろう。
が、やっぱり心配なのであとを少しつけることにした。
尾行している間も何度か勇者は魔物に遭遇していたが
流石は勇者と言ったところか、冷静に対処できていた。
しばらくして、お目当ての魔物の住処を見つけたようで
聖剣に付与をかけたりして準備している。
しかし、付与をかけたために探知されたのだろう。
洞窟のような穴の中から、ドラゴンがでてきた。
「、、、案外でかいな」
勇者はそう呟いて聖剣を構える。
ドラゴンは体長8メートル、、いや、もっとあるだろうか。
おそらく沢山の人間を喰って成長したのだろう。
、、、人間によっては魔力が多いやつもいる。
そんな奴らをたくさん食べた化け物に勝てるのか、?
不安になりながらも少し離れた場所で見守る。
おそらくドラゴンはレッドドラゴンだろう。
レッドドラゴンは炎が効かない代わりに氷属性はよく効く。
俺も昔何度か討伐したことがあるからよくわかる。
が、勇者は剣に炎を纏わせて攻撃をしようとしている。
勇者は炎耐性持ちだと知らないのだろうか?
まあ、炎が効かないだけだから声はかけないでおこう。
勇者はドラゴンの頭上まで跳んで、そのまま剣を振り下ろす。
「___炎天撃。」
凛とした声が響き、
ドゴオオオオオオンッッ
と、轟音が鳴り響いた。
先ほどの衝撃でたちこめた煙が晴れ、
周りの景色が見えるようになっていく。
そこには、
地面に倒れ伏しているドラゴンと、何事もなかったように
立っている勇者だけがいた。
「、、、討伐完了。」
そう言いながら剣をしまうアルド。
、、、
耐 性 貫 通 し て る
思わず声に出しそうになるがなんとか抑える。
まあ、もう魔物討伐は終わったみたいだし
もう心配はいらなそうだなと思い家に帰るか。
「んで?そこで何をしてるんだ?ネオ。」
、、、どうやらそういうわけにもいかないようだ。