森の中に隠れた秘密
アルside
畑が荒らされた近くの森にやってきた。
森には綺麗な花が咲き、果物が実っている。
これだけたくさんの果物や花があって、どうして
村の畑にまでやってきたのだろうか、、、。
俺は近くの果物を手に取って食べようとした。
、、、が、ネオによって果物が奪われてしまった。
「ちょ、なにするんだ、ネオ?」
「、、これ、アルにはわからないだろうが微弱な毒が盛られてる。」
「え”」
見た目と感覚だけじゃわからなかったので、魔力感知を使う。
すると、本当に、気づかないくらいの毒があった。
「なんで毒が、、、?」
「これだけ微弱な毒でも、魔物なら異変に気づく。
もしかしたら、これを利用して畑を荒らさせたのかもな。」
なるほど。果物や花に毒を仕込む事によって
村の畑に何者かが誘導した、というのが正しいだろう。
ただ、村の人間がわざわざ敵を呼び込むわけはないし
ましてや、畑を荒らすよう誘導するはずがない。
なら、考えられることは一つ。
「魔族の仕業か。」
「おそらくそうだろうな。」
どうやらネオもその考えに至ったらしい。
にしても、勇者である俺が気づかないくらいの毒か。
さっき魔法を使って鑑定してみたところ、
食べたとしても体が少し痺れるくらいの弱い毒だ。
人間を殺す気はないってことか、、、?
「ま、とりあえず先に進んでみるか_」
俺がさらに森の奥へ進もうとすると、
「ちょっと待て」
「ぐえっ」
ネオに首元を掴まれ引っ張られる。
首が一瞬締まり、情けない声が出る。
「おい,何するんだよ!」
「あれ、みてみろ。」
そう言ってネオが指差すのはブラックホーン。
だが、こちらに気づいても攻撃してこない。
どうしてだろうか、と思って近づく。
「おい、大丈夫か?」
ネオがそう声をかけてくるが、構わず
ブラックホーンにそっと触れる。
「この子、お腹が空いているみたいだ。」
だから攻撃してくる気力もないのだろう。
可哀想に思った俺は、懐からリンゴを取り出す。
「食べる?」
そう言って俺が問いかけると、ゆっくりと近づいてきて
リンゴに害がないことを確認し、食べた。
「、、、これ、体力回復したら襲ってこないよな?」
ネオが言う。
「ま、そんときはそんときさ。」
食べ終わったブラックホーンは、
俺に攻撃を仕掛けることなく俺に頭を下げた。
「お、懐いた。」
「ええ、、、?」
よかった。攻撃されなくて。
ブラックホーンって毛並みいいんだなーと思いつつ撫でる。
と、ブラックホーンがいきなり鳴いた。
「うわっ!?ど、どうしたんだ?」
その鳴き声に反応して、ブラックホーンが集まり始める。
「これ、まずくないか?」
「まずいかも。」
が、俺たちを囲うだけで何もしてこない。
「もしかして、、、この子たちもお腹が空いているのか?」
俺がそう問いかけると、ブラックホーンが頭を下げる。
俺が思うよりもブラックホーンは知能があるようだ。
仕方ないので、集まってきたブラックホーンに
リンゴを2個ずつ手渡す。
それぞれが食べ始め、食べ終わると俺に頭を下げてどこかへ行った。
「お前は行かないのか?」
最初にリンゴをあげたブラックホーンだけがその場に残っている。
「もしかして、ついていきたいんじゃないか?」
「ええ、、、?」
連れていっても大丈夫なのだろうか、、、。
、まあ、説得すれば大丈夫か。
そう思った俺はブラックホーンに名前をつけることにした。
「じゃあクロ、これからよろしくな。」
一応、飼い慣らしていると言うことを
人にわからせるために首に鈴をつけた。
これである程度は大丈夫だろう。
「さて、先に進みますか。」
「そうだな」
俺らはクロを新しい仲間に加え、森の奥に進んで行った。




