Prologue
魔族が人々を襲い、混乱にあった時代。
世界に一筋の光が差し込んだ。勇者が現れたのだ。
「これでとどめだ!魔王!」
ザシュッ
と、鈍い音がして魔王が倒れ、塵になって消えた。
人々は歓声を上げ、勇者を称え、これで平和が戻ったと感嘆していた。
時は流れ三年後。
in???の研究所_____
「、、、偽りの魔王が消えてから3年か。」
「そうですね、ネオ様。」
俺の名前はネオ=ダークネス。
人々に魔王と呼ばれる存在である。
、、、が、数年前に俺の魔力の一部を喰らった魔族が、自分こそ魔王だと名乗り、あの魔族こそが魔王と呼ばれることになったのだ。
俺の方が何千倍も強い。
あんなのが魔王と呼ばれ倒されるのは癪だが、研究が捗ったのでまあ良しとしよう。
普段この研究所には俺が信頼してる人以外は入らない。
なぜなら、『許可なく侵入したものは切り捨てる』と外の看板に書いてあるからだ。
まあ、俺に対して敵意や殺意が無い者に関しては話によっては許すことはある。
嘘をついたら即切り捨てているが。
俺らはこの時間や日々を楽しく平和に過ごしていた。
あの日までは。
××月××日。
朝起きて、全員で研究所で朝ごはんを食べる。
並べ終わり、食べようかという瞬間。
「ごめんくださーい!」
と、声がして、玄関が開かれた。
いや、正確には壊された。
俺らは戦闘態勢にすぐさまはいり、そいつに武器を向ける。
「わぁ、、歓迎されてるなぁ」
こんな状況なのに物怖じず、しゃべり続けるそいつ。
そして、そいつは研究所にいる俺を見て、目の前まで歩いてくる。
俺の仲間が殺そうとするがそれを制する。
そして、そいつは俺の目の前まで来て、一言。
「君がほんとの魔王?」
「は、」
思わず声がもれてしまった。
が、すぐに平然を装って聞き返す。
「どうしてそう思うんだ?」
「ん〜、だって君の魔力、自称魔王のやつの魔力と似てるんだよね。それに君、自称魔王よりも何倍も強いでしょ。」
、、、ただの人間にここまで見抜かれるとは思っていなかった。
いや、待てよ、、
「もしかしてお前、勇者か?」
赤い髪に、青と赤のオッドアイ。
ただ、違う点があるとすれば性別だ。こいつは昔見た勇者とは違い髪がとても長い。念の為に聞いておこうと思い、そういった。
「うん、そうだよ〜」
「え、勇者女なの!?」
「あ、やっぱわかんない?」
「いや、わかるわけないだろ。」
こちとら画面越しでしか見たことないんだし。
「んで、話戻すけど、君が魔王?」
「、、そうだ、と言ったら俺を殺すのか?」
勇者は少し考えた後、
「いいや、君が人間に危害を加えないなら別に殺さないよ。」
「、、そうか。」
今まで出会った人間は、俺が魔王と知ればすぐに殺そうとしてきたんだが、こいつは違うらしい。
もう少し勇者を知りたくて、さらに質問をする。
「、、勇者、お前は魔族に関してどう思っている?」
「ん〜?一部を除いていいヒトだと思ってるよ?」
だって魔族の全員が悪いわけないじゃん、と付け加える。
「、、、お前は良い奴なんだな」
「そうでもないよ。俺だって強くなるために魔物を倒しちゃったしね。」
そんなことで、良い奴では無いと否定するのか、、
俺だって魔物は殺すが、罪悪感なんて持ったことない。
この勇者とやらは、俺らや、他の人間とは大きく違うらしい。
「勇者、、、名前は?」
「俺?俺の名前は_____」
「アルド=ナーヴァス!よろしくな!」