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アリサのバディ候補、サラリーマンとミリオタ

 ☆カサンドラ冒険者ギルド




 この冒険者ギルドに新たに二人の転移者が呼ばれた。

 一人は高校生17歳、野田信好のだのぶよし、ミリタリーチート能力者である。


 彼は、少女アリサの持っている銃を酷評する。




「へえ、君の銃は64式?プゥ、これって、蛸壺陣地にこもって撃つ銃じゃん。ロックタイムも長いし、・・・ロックタイムって分かる」



 ニヤニヤと高校生くらいの転移者が、64式7.62ミリ小銃を背負っている少女に話しかけた。その少女はアリサだ。



「引き金をひいてから撃鉄が落ちる時間・・・」


「ねえ。僕と組むなら後方だな。それか、20式召喚出来る?それにしなよ」



「・・・?」



 それに対して、もう一人の転移者である吉田秋夫32歳サラリーマンが苦言を呈す。能力は鑑定である。




「コラ、先輩を敬わないか。野田君」


 しかし、ノブヨシは吉田をスルーし、ギルマスに話しかけた。



「ギルマス、ソロで良いでしょう。盗賊なんて簡単ですよ」


 ギルマスは

 少女アリサ3人パーティーを組ませようとしているのだ。



 冒険者でソロは難しい。野営など交代の見張りが必要だからだ。

 異世界人の血を引くアリサと相性が良いと思いギルマスが特別にカサンドラに呼んだ。



 突然、ノブヨシは20式を構え。アリサに向けた。


「バ~ン!はい、死んだ」



「お、お前、先輩だぞ」


 余りに不躾だ。




 ・・・若い方は、異世界転移して有頂天になっている。

 こういった輩は・・・



「・・・防弾チョッキは着込んでいた方がいい。鉄帽も被れ」



「え、それはたいした問題ではない。だって自衛隊のは重たいし」


 大抵の事は、たいした問題ではないと言いアドバイスを聞かないし、自信過剰だ。



「冒険者ギルドの手引き書、盗賊等を読め。この世界は銃が知れ渡っている」



「サバゲで僕は強かったんだ。このクエストを受けるよ。僕ならあっという間だよ」



「しかしだな。ソロは禁止だ」




 ・・・・



 結局、アリサと吉田が後衛、ノブヨシが先鋒になった。



 彼は先に森を進む。


 サラリーマン吉田は、ヘトヘトだ。



「はあ、はあ、はあ、アリサさん。もうダメです」


「分かった。休憩しよう」


「申し訳ない。君みたいな若い子に・・」

「大丈夫だ。全然、余裕だ。それに比べて・・」


「遅いよ!先に行くから、ちゃっちゃと終わらそうよ」


「ノブヨシは馬鹿になれない馬鹿だ」






「私の能力は、計測が出来る。吉田さんは鑑定?」

「はい、そうです。まだ、よく分かりません」

「手引き書は読んだ?」

「はい、何故かこの世界の文字が読めました」


「盗賊は?」

「囮を使うタイプがいる」


「そう、ところで大分年下だけど、私の言うことは聞ける?」


「勿論、社会ってそうなっています」

「軍事経験は?」

「皆無です」


「フフフ、全てヨシの吉田さん」

「え?親父ギャク?」



 少女は自分を知っている吉田を頼もしく思った。




 ・・・・・・・




 しばらくすると、ノブヨシは完全に見失う距離まで先に行った。




「大変だ!野田君がいない!」

「もう、この世界、銃は知れ渡っていると教えた。後は自己責任だ」





 この時、ノブヨシは接敵することになる。




 フウ、大分、離れたぞ。俺は野田信好、サバゲ同好会のリーダーだ。

 分かっている。そろそろ盗賊の出没地帯だ。


 銃を構え。照門をのぞき警戒しながら進む。分かっているさ。



 ガサガサガサ~



 草むらから人が出てきた。

 ヨシ、やるぞ!




「あの、お金を下さい・・・」

「その持ち物もよこせ・・・下さい」



 え、現れたのは老人と子ども?一瞬、躊躇した。撃って良いのだろうか?

 いや、ここは異世界、盗賊だ。



 僕が引き金に手をかけた瞬間、音が聞こえた。



 ダダダダダダダ!


「な、何だ。周りの草むらに銃弾が?」



 少女アリサが、ノブヨシの周りの茂みを撃っている。

 そこに盗賊が潜んでいると予測したからだ。




 ・・・・・・




「吉田さん。鑑定!」

「・・・はい、あの老人と子どもは村人・・・おそらく『はいらない!』はい!」



 少女アリサは伏せ撃ちで、ノブヨシの真横の草むらに向けて、連射で撃った。



 ダダダダダダダダ!



「いない。・・・どこ?」



「あの、私の鑑定だと、野田君の真後ろに茂みに・・・ジョブ盗賊のマークがあります!」



「・・有難う!」



 弾倉を入れ替えて、少女は、64式の機関部と銃床の間を左手で上から抑え。引き金を優しく引いた。


 連射またはフルオート、引き金を引いている間だけ弾が連続で発射される撃ち方である。




 ダダダダダダダダ!


「「「ギャアアアアアーーー」」」




 ・・・・・・



「有難うございます!私達は人質にされて・・・」



 老人と子どもは、盗賊に脅されて囮になっていたのだ。



「冒険者ギルドに行って、保護してもらおう。吉田さん。傷の手当てをお願いします」


「分かりました。さあ、傷薬あります。しばらく、休んだら」




【待てよ!】



 ノブヨシは憤る。何故なら、事前に何の連絡もなく、周りを撃たれたのだ。失禁をしていた。



「・・これは、決闘だ!僕を殺そうとしたな!」


「否定しない。老人と子どもを助けるためだ。弓で捕捉されていた可能性が高い」



 吉田が銃を構えた瞬間、



 バン!バン!


 銃声が二発響いた。


 少女が撃ったのだ。彼よりも早く二発撃った。二発とも胸だ。

 衝撃で倒れながらもノブヨシは宙を撃った。


 バン!


「ガハ、何故、64式はロックタイムが・・・」


 バタン!


「ハア、ハア、ハア」


 もう、ノブヨシの目は瞳孔が開きかけている。



「ごめん。殺してあげるね」


 少女は銃をノブヨシの頭に構えた。


 バン!




「あのね。近場での銃撃戦なら、単連射を使うよ・・銃のせいじゃない」


 単連射、極限まで引き金の遊びを殺し。いつでも撃てるようにする技だ。



 その後、冒険者ギルドに帰った吉田は。



「・・・申し訳ございません。私には戦場は無理です。デスクワークを希望します」



「分かった。また、母様の世界の事を教えて欲しい」


「もちろんですよ」



 少女アリサ、まだ、専属のバディが決まっていない。





最後までお読み頂き有難うございました。

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