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もしもし、地球さん

作者: choujintarou

あるところに小さい子がおりました。


ある時小さい子は、ふと疑問に思いました。


地球さんは元気なのかな、と。




そこで小さい子は「もしもし、地球さん」と呼びかけてみました。




すると「なんだい? どうしたんだい? 小さい子よ」


地球さんが返事をしました。




そこで小さい子は「人間はみんな、土を掘ってそこにコンクリートをたくさん敷き詰めてしまったよ。地球さんはどう思っているの?」と聞いてみました。




「なんだいそんなことかい。そうだね。確かに少しお肌がくすぐったいけれど、その代わりに人間たちみんなが便利な暮らしが出来るだろ? 私はそれが嬉しいんだ。だから心配しなくて良いんだよ」


地球さんは優しく言いました。




「そうなんだね。地球さんいつもありがとう!」


小さい子は元気に言いました。




「どういたしまして。またいつでも呼んでね」地球さんはそう言うと、笑顔に去っていきました。






またある時、小さい子はふと疑問に思いました。




「もしもし、地球さん」


小さい子は、この間のようにまた地球さんを呼んでみました。




「今日はどうしたんだい、小さい子よ」


地球さんは返事をしました。




「人間はみんな、森や林をたくさん切り崩してしまったよ。地球さんは平気なの?」と聞いてみました。




「なんだいそんなことかい。そうだね。確かにちょっぴり身体が寒いけれど。その代わりに、人間たちみんながお家を建てたり、火を起こして暖を取ったりして暖まれるだろう? 私はそれが嬉しいんだ。だから今日も、暖かくしてゆっくりお休みしてね」


地球さんは優しく囁きました。




「うん。地球さんいつもありがとう!」


小さい子はそう言うと、うとうとと眠りました。




「お休み、小さい子よ」


地球さんはそっと去っていきました。






またある時、小さい子はふと疑問に思いました。




「もしもし、地球さん」


小さい子は、いつものようにまた地球さんを呼んでみました。




「どうしたのかな? 小さい子よ」


地球さんは返事をしました。




「人間はみんな、車をたくさん走らせて煙を出しているよ。地球さんは大丈夫なの?」と聞いてみました。




「なんだいそんなことかい。そうだね。確かにちょっとお鼻がむずむずするけれど、その代わりに、人間たちみんなが車に乗ってとっても楽ちんだろう? 私はそれが嬉しいんだ。だから今日も、どこかへお出掛けにでもいっておいでよ」




「そうだね。地球さんいつもありがとう!」


小さい子はそう言うと、旅行に行きました。




「ふふふ。楽しんでおいで、小さい子よ」


地球さんはバイバイと手を振りました。






ある時、地球さんはふと疑問に思いました。


最近小さい子からの呼びかけがないな、と。




どうしたのかな?


地球さんは、小さい子のお家に行ってみることにしました。




小さい子のお家に着いた地球さんは、窓から中の様子を見てました。




あっ! いた!


中に小さい子がいました。


けれど、なんだかいつもと様子が違うようでした。




「ねえねえ、小さい子よ」地球さんは、小さい子に呼びかけてみました。




あれあれあれ?


小さい子は、地球さんに気付いていないみたいです。


どうやら小さい子は、四角く光っている小さいもの


に、夢中になっているようでした。




地球さんは、ガックリと凹んでしまいました。


もう小さい子とは、このままずっとお話しが出来ないのかな?


地球さんはそう思うと悲しくなりました。


はあー、とため息をついた時、「もしもし、地球さん」と呼ぶ声が、どこからか聞こえてきました。




あ!


どうやら別な小さい子からの声のようです。


地球さんは、その声のもとに一目散に向かっていきました。




ふふふ、今度はどんなことを聞かれるのかな?




地球さんは、今日も変わらずいつものように、忙しなく回ってくれているのでした。



皆さんからのリアクションをお待ちしております。

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― 新着の感想 ―
[一言] 地球さんが心広過ぎて……。 子どもの頃、もしかしたら私たちは地球と対話ができたのかも知れないな、なんて思うととてもロマンチックですね。 いつの日かこの少年のように、文明の利器に心を囚われてい…
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