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第13話 トリゲート城塞奪還戦・決死の撤退

「な、何でこんなことをするんだァァ!」


 橋の一部に立つ有原はそう腹の底の底から真壁へ怒鳴った。

 しかし真壁はまるで応答せず、落ち行く有原たちを見下していた。


「尋問は後でしましょうよ有原さん……ここはまず、渡り切るのが先決だ!」


 そう言った後、海野は落下する瓦礫を次々と飛び移り、どうにか対岸を目指そうとする。


「しっかり掴まってろよ美来!」


「は、はい!」

 それにならい、飯尾は内梨をおぶったまま瓦礫から瓦礫へと絶え間なくジャンプする。


「ヒィィィ! 俺たちはどうやって渡ればいいんですか!?」

 その間、槙島と畠中は途切れた橋の淵で立ち往生していた。

 体力がないことと、最後尾を走っていたこと、そして臆病さが災いして、城塞側に取り残されてしまったのだ。


「もう誰も死なせない……もう、誰も!」

 有原は落ち行く瓦礫の上で踵を返し、


「おい有原、お前どうする気だ!」


「待っててくれ、すぐそっちに行く!」

 海野と飯尾がしたように、瓦礫から瓦礫へ飛び移り、城塞へと戻った。


「【セイント・レイ】!」

 有原は対岸と二人を背にするや否や、魔物たちの群れへ一筋の光線を放ち、突破口をこじ開ける。


「ヒィィ、何度もごめんなさい有原さ……」


「それは後にして、まずついてきてくれ!」

 有原は切羽詰まった状況ながらも冷静に、二人を連れて城塞の壁際に沿うように進む。


(久門さんが渡っただろう橋ならまだ残っているはず。流石の真壁さんでも久門さんには手出しがしずらいだろうから……)


 と、有原は予測し、久門たちが通っていた南西へと目指した。


 未だに城塞の上空にはテラフドラがおり、その双眸は城内を漠然と見ている。有原たちへ集中砲火する……という線は今のところない。

 有原が注意が行き届きにくい壁際の道を進んでいることが功を成していたのだ。


 ただし、それでも燃え盛る火の手と魔物には注意を払わなければならないのには変わりはない。


 なので有原は走りながら、

「気をつけてね。槙島くん、畠中くん!」

 後方の二人へ注意を促す。


「は、はぁい!」

 畠中は無理くり出した大声で返事し、


「……なんで、ですか……?」

 槙島はこう問いかけた。


「なんでって、それは危ないからですけど……」


「……違います。なんで僕たち、なんかを助けてくれるんですか!? 僕は……あなたの友達を……」


「ああ、そっちでしたか。でしたら……純粋に『助けたい』からです」


「『助けたい』……」


「そう。僕が一番尊敬している人……お父さんと誓ったんです『みんなを助ける人になってくれ』って。だから、僕は誰彼関係なく助けたいんです」


「そう、ですか……」


 有原の後に続きながら、槙島はより一層、慚愧する。

 このような清廉な人から友達を失わせることに繋がった、自分の実力の無さを。


「もう少しだ。もう少しで北西門に……ん!?」

 

 有原は急に足を止めた。

 辺り一帯の炎から鳴るパチパチという音と、魔物たちのうめき声に埋もれているため、槙島と畠中は聞こえていないが、有原は、学級委員として聞こえていた。


「ごめん、二人とも、一旦道をそらす!」


 有原は北西門への道とは関係ない道へと曲がる。

 瓦礫をどかし、炎をかき消し、たどり着いた先にいたのは、


「三好、さん……」


 地面にへたり込み激しく嗚咽する、宇宙の深みを彷彿させる紫色の髪をした女子――『三好みよし よすが』と、三好を心配して側に立つ返り血めいた赤髪の女子――『桜庭さくらば 依央いお』の二人だった。


 正確に言えば、三好のもう二人の友達『御崎みさき かなで』と『佐伯さえき つむぎ』もいる。けれども二人は、もう既に事切れていた。


「ごめん……本当にごめん……奏、紬……!」


「……」

 ついさっき、同じ感情を味わったものとして、有原は何も言えなかった。

 有原は一旦はただ二人に寄り添うことにした。


 けれども、それは間もなく撤回された。


「あ、有原さぁん! ままま魔物が来てますよぉ!」


 畠中に教えられてすぐ、有原は辺りをキョロキョロと見る。

 四、五体の魔物の群れが二つ、三人を挟むように現れ、すぐ襲いかかる。


「【ブレイブリー・スラッシュ】!」

 有原は光を帯びた剣撃で、まず片方の群れを斬り倒す。それからもう片方を倒そうとするが、


「こんな時に来るな、邪魔だっつの!」

 桜庭は両手それぞれに持った二本の槍を怒り任せに振り回し、魔物を粉砕した。


「あ、ありがとうございます! 桜庭さ……」


 桜庭は片方の槍を地面に突き立て、無理な笑顔をして食い気味に言う。

「ありがと級長! それで、よすがっちッ!」


 桜庭は血相を変えて、泣き続ける三好の襟を掴んで無理やり立たせる。


「とりあえず今のことは一旦忘れよう! でないとこっちはこっちで迷惑だから!」


「……で、でも……」


「でもじゃない! 難しい話は後! 今やることは逃げること! ねッ!」


「う、うん……」


 普段の天井知らずの明るさはどこへやら、すっかり落ち込んでしまった三好を引っ張って、桜庭は有原に近寄り、


「てなわけで、アタシたち逃げるの手伝うから!」


「……はい、よろしくお願いします。ちなみにですけど桜庭さん、久門さんたちは無事ですか?」


「知らない。火の雨が降ってきた時に逃げ回りまくってはぐれた。けど、もう城内からはいなくなってるってきっと」


「そうですか、ありがとうございます」


 それから有原たちは、北西門へと向かっていく。

 当然、道中では引き続き魔物が、幾度と襲いかかってきた。


 けれども、今は戦闘要員が増えている。有原は桜庭の多大な助力を経て、その度に邪魔者をすんなりとどかす。


 一応、槙島や三好も戦っていた。


 しかし、槙島の成果は桜庭と比べると遥かに小さく、あまり目立たなかった。


 三好は友達の死を引きずってか、動きにキレがなく、お世辞にも神寵覚醒者らしいとは言えない戦いぶりだった。


 なお、畠中は相変わらず戦闘が起こる度に距離を取ってうずくまっていた。


「三好さん。あなたも無理しないで、畠中さんと一緒に避難しても……」


「ごめん、級長……けど、ちょっとは貢献させて……」


「はい、けど無理はしないでくださいね」


「……ごめん」


「いいんです。僕だって、辛いのはわかりますから……」


 そして、疾走と戦闘の連続の果てに、有原たちはついに北西門を前にした。

 北西門から伸びる、元あった石橋は既に壊されていた。けれども、新たに簡素な作りの鉄橋がかかっている。


「よし、想定よりちょっと違うけどこれで脱出できる……みんな、もう少し踏ん張って!」


 有原立ち五人は鉄橋を目指して、最後の数十メートルの直線をひた走る。


 その最中、道の横にある塔の下部に、一文字の切れ目が入り、そして倒れた。


「なんだこの熱気は……はっ!?」


 塔の影が覆う地点で、槙島と畠中が息を切らしてバテながら走っていた。

 塔の大きさからしても、足の速さからしても、二人は……

「槙島くん、畠中くん! 逃げろォォォッ!」


「ヒィィィィィ!」


「あ、あああ……【フロスト・ジャベリン】ッ!」

 槙島は塔の芯を狙い、氷槍を射出する。だが、塔は鋼鉄のように硬く、傷つけることさえ敵わなかい。


「【ブライト・カッター】!」

 有原も光の斬撃を放ち、塔の破壊を試みた。けれども、冷気を帯びる塔はその形を保ったまま倒れていく。


「有原級長でも壊せない……だったら!」

 桜庭は二槍を構えて、塔へと飛び込もうとする。


「……それはやめて依央! さもないとあなたも……!」

 もうこれ以上友達を巻き添えにしたくない。その一心で三好は桜庭を遮った。


 桜庭はこれに憤る……かと思いきや、

「よすがっち……そうだ! だったら代わりによすがっちがなんとかしてよ! アンタの神寵ならあんなのすぐ壊せるじゃん!」

 と、目を輝かせて三好に頼み込んだ。


「それは……それは……」


「大丈夫だってよすがっち! 次は大丈夫だって、さっきのアレは……まぐれだよ! 今回は……」


「……ごめん……本当に……ごめん……!」


 そして塔は、有原と槙島の抵抗も虚しく、激しい熱風と砂煙を起こしながら倒れ、バラバラに砕けた。

 槙島の詠唱も、畠中の悲鳴も、どちらももう聞こえなくなった。


「あ、あ、ああ……また、また……また……」


 四人目。五人目。それも今日一日で。

 有原は地面に両拳を叩きつけ、文字に表せないくらい純粋に泣き叫んだ。


「……マジでごめん……マジでごめん……有原さん、槙島さん、畠中さん……奏、紬……」

 三好は誰に伝えようという思いもなく、謝罪の言葉を繰り返しつぶやいた。

 

「……」

 桜庭は二人の様子を間近で見て、自分でも解せない複雑な感情になった。けれども色はだいたい分かる――少なくとも、『前向き』ではない。


 そんな三人へ、邪神獣【邪悪のテラフドラ】は咆哮を放つ。

 無論、それには追悼の気持ちは一切無い。そのままテラフドラは息吹を放つべく、息を吸い上げる。


 有原はその音を聞いて、

(ただ助けることを考えるんだ……こうして泣いている間に、僕はまた……)

 潜在的にある使命を取り戻し、


「わっ!?」

「ひっ!?」


 三好と桜庭の手を掴み、半ば引きずるようにして鉄橋を渡り切った。


 突然獲物がいなくなったテラフドラは、吸った息を普通に空気として吐き出し、満足げに空高くへ舞い上がり、トリゲート城塞から遠ざかった。



 数分後。

 有原たち三人は堀の周りを歩き、北東門で待っているだろうみんなの元へ向かう。


「あれは……有原殿!」


「よかった。無事脱出できたようです」


 時同じく、ハルベルトやクローツオたちも北西門へと向かっていたため、彼らは北東門と北西門の間の位置で合流した。


「おい、大丈夫か、飯尾!」


「ま、待ってください! 今回復します!」


 騎士団長二人に付き添っていた飯尾と内梨は、真っ先に有原の元に駆けつけてくれた。


「三好さんと桜庭さんも助けてきたのか……とにかく、お疲れ」

 満身創痍の身体を支えることも、回復魔法もできない海野は、飯尾と内梨から若干遅れて、離れた位置で有原の無事を祝った。


「あれ、そういえば槙島さんと畠中さんはどこにいますか……?」


 そう内梨に尋ねられると、有原は至極無念そうに首を横に振った。


「こら、内梨さん……そっとしてあげなよ」


「あ……ごめんなさい! 祐さん、それと海野さん……」


 飯尾もそういえばと周りをキョロキョロして、

「あ、ほんとだ! あいつらじゃない! よく見たら三好さんと桜庭さんだ!?」


「飯尾、テメー内梨さんの五億倍気を使えよ」


「ごめんて海野。マジで有原が助かったことが嬉しすぎて、あんまその他がよく見えてなかったんだよ。そんでもって、マジでごめんなさい、三好さん、桜庭さん」

 飯尾は三好と桜庭に会釈して謝る。会釈しかできないのは有原に肩を貸しているからである。

 

「……いいよ。別に」


「う、うん……仕方ないよ、飯尾さんなら」


 そして飯尾はできる限り首を回して、

「マジでお疲れさん、祐」


「……ごめんみんな、山ほど心配させて」


「山ほど心配させた……だけだと思っているのか。自分に対して甘すぎないか、有原さん?」

 都築などの仲間を引き連れ真壁は、冷徹に有原に尋ねる。


「このっ……おい真壁! テメェ一体なんのつも……」


「ちょっと待ってくれ飯尾。ここは……僕がする」


 有原は飯尾の支えから離れ、自分の足で立ち、面と向かって話しやすい距離へ歩み、


「はい、真壁さんたちが僕が気付いている以上に迷惑を被ったというのなら、それは全部謝ります。本当にごめんなさい」

 深々と頭を下げた。


 有原はその頭を上げるとすぐ、

「……では次は僕に質問させてください。どうしてさっき、僕たちが橋を渡ろうとした時に、その橋を壊したのですか?」


「貴方たちの背後に魔物の軍勢がいたので、その道を絶っただけだ。あの魔物の群れもこちらに渡らせては損害が出るのでな」


「そうですか。ですけど……なぜわざわざ僕たちが渡っているときにしたのですか?」


「貴方たちと魔物たちの距離感からして、渡り終えてからでは遅いと思ったからだ。それで、貴方はここで何が聞きたい? 誰かが私の落雷で感電したのか? 誰かが毒堀に落ちたのか?」


「それは違いますけど……質問を変えます。橋を壊して魔物の進路を絶つのではなく、真壁さんたちが橋に来て戦うという選択肢はなかったのですか?」


「ない。あの古びた橋で大群と戦うのは可動域や落下の問題で危険だと判断した。だから橋を絶たざるを得なかったのだ。そもそも、貴方たちが『逃げるのが遅かった』ということは承知しているのか? テラフドラが現れてからだいぶ間隔があったが」


 テラフドラ到来時、真壁は戦局が敗色となったことを悟り、すかさず自隊をまとめて城塞から撤退した。それから三本の橋を破壊していった。

 その時、有原は、


「もう一体の邪神獣がいたので、そちらと交戦していました。流石に僕も分が悪いのはわかってました、安全な時を見極めてから撤退する予定でした。

 それと……その交戦中に……勝利が致命傷を負ったので、その介抱を……」


「なら貴方に私の行動を非難する権利はない。貴方の判断が遅かったのと、『それ』が足を引っ張ったから――すべて貴方たちの責任だ」


 真壁の心無い言葉に、

「……『それ』って何だァッ!」

 有原は耐えきれなかった。


「勝利はただ戦って致命傷を受けたんじゃありません! 槙島さんを庇って受けたんです!」


「ああそうか。ところで、篠宮勝利は今どこにいるんだ?」


「……死にました。もう助からないと自覚して、邪神獣を食い止めるために、僕たちを逃がすためにその場に残ってくれました……そんな立派な人を『それ』呼ばわりするなんて、ひどいじゃないですか真壁さんッ!」


「であれば『それ』は無能だ。根暗で、人と目を合わせて話せず、勉強も運動も碌にできない、この世界に来ても戦果を上げられず、改善するための努力すらも全くしない、あの『能無し』をかばうのも、私は到底理解できないからな」


 真壁は有原の後方を見て、槙島と畠中がいないことを確認してから、有原に問う。

「奴らもここにいないのは、貴方も思うところがあったからか?」


「違います! それは……不幸な事故で、決して僕が見捨てたわけでは……!」


「となれば、ますます『それ』は無能だ。副団長の役職に就きながらも威厳はなく、自軍を纏められる素質もなく、作戦を練る知見もなく、仲間を助ける才能もない――そんな良いとこなしの者に後を託すのは愚か以外の何物でもない……」


 有原は両手を強く握りしめた。

 今自分はすこぶる怒っている。仲間を平然と侮辱されて怒っている。

 けど、これ以上の一線を越えてはならない。そうしても根本的な解決にはならない。

 と、自分に言い聞かせ、真壁の心無い言葉を耐え続ける。


「……ごめん有原、おいテメェ! 仲間が死ぬとこを何度も見ちまった奴にかける言葉かそれはッ!」

 しかし飯尾は――彼の性格上やむを得ないことではあるが――義憤に駆られ、真壁の辛辣な口を殴り止めようとしてくれた。


 だがそれはあっけなく防がれた。

 彼女の傍に立っていた都築が、槍の石突で飯尾の腹を強く突いて黙らせたのだ。


「……つまるところ、全部貴方たちが悪い。橋を落とされたのは貴方たちの行動が遅れたからだ。行動が遅れたのは篠宮が役立たずをわざわざかばったからだ。

 そして、これは私とは無縁故に言わなくてもいいとは思うが、ひょっとすると『どうして駆けつけなかった』などと、責任転嫁してくるかもしれないので、念押しとして言っておく――今回の貴方の不幸全ては、貴方の不明が引き起こしたものだ」


「ク……ッ……!」

 

 こう有原が内に秘めた屈辱を漏らした時に、真壁は踵を返して、ハルベルトへ言う。

「ハルベルト氏、我々だけで先に王都へ帰っていいか? 我々は疲労しているのでな。撤退などにも私たちが同行する必然性もないだろう?」


 ハルベルトは、自分ではどうすることもできないこの現状を無念に思いながら、

「……ああ」

 真壁の希望を了承した。


 そして真壁は速やかに、無感情に仲間たちとともに王都へと帰還していった。


 この場に残された有原は、真壁の後姿を眺め続けた。

 最中、彼は膝から崩れて、両手で地面を突いた。

 終いに、有原はただただ号泣した。


 こうでもしないと押しつぶされそうな気がした。五人ものクラスメートを死なせてしまったこと、努めを果たせなかったこと、勝つべき相手に勝てなかったこと――その罪悪感は、今の彼にはあまりにも重すぎた。


 まとめた荷物を背負った式部と石野谷は、それを見てニタニタする。

「あーあ、級長もうマジ泣きしちゃってるじゃん」

「あそこまでいったら可哀想かもしれねーな。ま、ご愁傷様」


 その二人へ久門は連続で肩に拳を入れる。

「おい、あんなの見てないで、俺たちも帰るぞ。式部、石野谷。さもないと俺たちにも移っちまう」


「へいさーせん、将郷さん」

「そっスね、将郷さん」


 その久門たちやりとりを横目で見ていた飯尾は、

「……あっちもあっちでクソだな! 今度こそ一発かましてやる!」


 彼らを戒めようと後を追う。しかし間もなく、海野に足を引っかけられて転ばされた。


「痛っ、おい何すんだ海野!」


「……もう何もするなお前。これ以上、有原に迷惑をかけるつもりか?」


「……ああ、悪かった」


 内梨は有原の傍に立った。

 今、彼女ができるのはそれくらいしかない、かける言葉はまるで思いつかない。けど、せめてこれくらいはしてあげたかった。さもないと、何もかも終わってしまいそうだから。


 ――トリゲート城塞奪還戦は、一年二組からは五人の死者を出し、『失敗』した。


【完】

■魔物

【邪悪のテラフドラ】

 レベル:95

 主な攻撃:火炎の息吹、属性を帯びた攻撃、など……

 

 十三体いる邪神獣の頂点に君臨する竜型の魔物。これまでに王国八つを滅ぼした邪悪の権化。

 思うがままに大陸の空を飛び回っては、厄災を齎し帰っていく。目的も能力の詳細も不明。


■登場人物

御崎みさき かなで

 レベル:23

 ジョブ:【魔術師】

 神寵:【ジョカ】

 主なスキル:【兵泥創生】


 三好みよしよすがの友達。彼女と同様明るい陽キャ女子だった。

 神寵で得たスキル【泥兵召喚】は、ゴーレム兵士を大量生産する能力を持つ。これで場を制圧するのが得意だった。

 女媧ジョカとは、中国神話の人類を創造したとされる女神。

 

佐伯さえき つむぎ

 レベル:23

 ジョブ:【呪術師】

 神寵:【フォルセティ】

 主なスキル:【グリトニル・ジャスティス】


 三好縁の友達。彼女と同様明るい陽キャ女子だった。

 神寵で得たスキル【グリトニル・ジャスティス】は、対象に取った際『具体的な攻撃』を一つ決め、それを行った相手へ相応のダメージを下すデバフ技。

 フォルセティとは、北欧神話における正義・平和を司る司法神。

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