転生
続きは感想が一つでもあったら書きます
私は今日もため息を吐く。
なぜか?
真にその元凶と言える存在がまさに眼前に聳えている。
「フランス第五共和制海軍所属
空母シャルル・ド・ゴール」
総工費約170億フランである。
そして備え付けのティラノサウルス15頭
ステゴサウルス30頭、トリケラトプス25頭
ケツァルコアトルス5頭である。
なぜこんな動く国家予算&古代生物を従えることになったか、
それはおよそ1、2時間前のことである。
ある日道を歩く私は天啓と狂気の混合物とも、
言えるものに打たれた。
眼前のトラックに巻き込まれ、
死してカラスの餌となれば、晴れて社会的ウンコから、ウンコになり、
そして異世界転生ができるという旨の天啓であった!
そうなれば話は早い、大学に通うことすら厭った足が、不思議と快活にトラックへと進んだ。
そして神様とのエンカウントを終え、
確実にナーロッパ程度滅ぼせる戦力を手に入れたが、
心中は穏やかではない。
転生した私は今、肺の奥から深くため息を吐いている。
よくよく考えてみると食料がない。燃料もない。このままでは、
ひろいひろいこのナーロッパ海の真ん中で飢えた恐竜の大怪獣バトルに巻き込まれ、恐竜の糞として後世の研究対象になってしまう。
来年も吐息を垂れながして、地球を温める役割に甘んじていた昨日に戻るボタンはないものか。
そんな非生産的な思案はやめ、
僕は神様へのやり直しの思念を飛ばし続け、
3時間が経過した。
乙