炎の断捨離41
こんばんは。
少しペースが落ちています。
筆者自身少し混沌としていまして。(夜は飲みながら書いているからかもしれないのですが)
最近、世の理について考えています。
私の職場もオンラインが当たり前になりましたが、人ってそんなふうに電子機器に向かい合ってていいのか!?
それがいいなら、ソードアートの世界散策するでのOKなんじゃ、って思ってしまう。
※
ジウスとヨアズは双子だった。
ヨアズは兄だが、弟のヨアズに常に遠慮する兄弟関係で、素直な感情表現ができなかった。
双子であっても、いつもジウスの方が可愛がられる。
知っていて、どこか諦めていたからヨアズは自分の主張を閉じ込めることを常としていた。
かといって弟ジウスが可愛くなかったのかというとそうではない。
自分の半身。
眩しいぐらい真っ直ぐな弟は、なりたい自分の象徴としてあるようで、ヨアズはジウスを可愛がっていた。
「全てのものをお前の手中にすることは私の望みだ」
一生日陰を歩いてもいいくらい、ジウスは眩しくて神々しく、母である太母ラァから贔屓される存在として君臨していた。
ーーその気持ちが揺らいだのは。
ソフィアという一人の女人に出会ってからだ。
日陰という存在に甘んじたヨアズは、一人だけの居場所を探して、禁断の区域とされる銀の森で安らぐことを常としていた。
そして人生を覆すような、ーー今までの価値観を根こそぎ奪っていくような少女と出会ったのだ。
アセスの視界に、ヨアズとリンフィーナのような人が出会い、心惹かれていく様子が映っていた。
ヨアズは異性として彼女を好きになる。ーーけれど一方でリンフィーナと姿を同じくするソフィアと言われる少女は、初めて見た人という同種の暮らしにたまらなく惹かれていったのだ。
そこへジウスが要らぬことを言った。
ソフィアを自分の伴侶として守りたいと思い連れてきたヨアズに、ジウスはこう言ったのだ。
「なんと珍しく可愛らしい姫君だ」
率直な、感想だった。
それなのにその一言を聞いてからのヨアズは、ジウスがソフィアを奪ってはいかないのかが心配でならなくなった。
彼女は私が見つけた、私のモノだ。
他のものは全てくれてやる。
けれど彼女だけは奪われてはなるものか。
地獄というのは、醜い心まで赤裸々に見せてくる。アセスは自分のことのように見ているのが耐え難くなる。執着心は、時にこれほど人に苦しみを与えるのだと、ヨアズの地獄を追体験する。
それを今目の前の男ヨアズは、表情ひとつ変えずに見つめていられるのだ。何度この地獄の庭を眺めてきたのか。それを思っても苦しくなった。
「ここからが本番だ」
単に三角関係がこじれているだけであれば、不幸はそれ以上膨らまなかったのだとヨアズは言った。
「けれどソフィアは、自分にもジウスにもーー、そしてラーディア一族にも制御できるような少女ではないほどの運命を背負った、いや莫大な力を宿していた少女だった」
ーーそして彼女は魔女として処刑された。
仲違いした双子の気持ちなどそっちのけで、彼女は世界に疎まれた。強すぎる力があり、制御できるものはこの世にはなく、彼女の死を持って畏怖する力を根絶するより仕方がないと結論づけられた。
結果、ーーヨアズもジウスも、運命には逆らえなかった。
「彼女は処刑された」
地面には這いつく配らせられ、十字架に両手両足を縛られて、天高く持ち上げられた十字架を背負う彼女の姿が、脳裏に焼き付いている。
最後まで彼女は気が強かった。
泣くことなく、叫ぶことなく、気丈にこちらを見下ろしていた。
十字架に貼り付けられ、彼女は魔女として煉獄の炎で焼かれた。
守りきれなかったことを後悔しても仕切れない。
ヨアズはアセスの方を向いた。
「彼女の体神を作り出したのは、私の後悔から。そして体神は、彼女ではない別の命の責任も背負ってしまったのだな」
ソフィアとして、そしてリンフィーナとしての命だ。
「……貴方が、ーーいた黄泉が私に敵対するものではないことを確認できただけで満足です」
アセスは言った。
「今、世界は揺らいでいる」
ヨアズは何食わぬ顔で言ってきた。
「それは私と、そしてジウスの寿命、先代で氏族を支えた呪術者の寿命が尽きようとしているからだ。先を担う者の存在が必要だ」
冥府もしかり。
ヨアズは横目に自分を一瞥した。
偽りの神々シリーズ紹介
「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫
「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢
「封じられた魂」前・「契約の代償」後
「炎上舞台」
「ラーディオヌの秘宝」
「魔女裁判後の日常」
「異世界の秘めごとは日常から始まりました」
シリーズの7‘作目になります。
異世界転生ストーリー
「オタクの青春は異世界転生」1
「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」




