炎の断捨離31
冥府編まで突入。
ということでもう一つ、別世界バージョンを入れていこうか検討中。
コロナ後の未来を予想した小説を、すでに執筆中です。
評価、感想、どうなんだろ。
アセスが転生した一瞬の未来とか、いるのかどうか。
書くよ。ほんと、接触性過敏なんでキーボードに手荒れ起こしてますが、書きたいことは尽きないのだけれど。
※
連れてこられたそこにいるのは三つ目の少女と、ラーディア一族の総帥ジウス・アルス・ラーディア。
アセスは目を疑った。
「これは面妖な……」
思わず口にでた言葉を、李蘭と呼ばれる三つ目の少女は非難してきて、図が高いと高圧的だ。
「見た目は似ていらっしゃいますが、イル・サ・ラーディアではいらっしゃいませんよね?」
問いかけると黒髪のジウスは薄く微笑んだ。
ジウスはリンフィーナと同じ、青みを帯びた見事な銀髪の術師である。けれど目の前にいる彼は、ラーディオヌの民かと見まごうような漆黒の髪、けれどラーディオヌ一族では有り得ない青い相貌の持ち主だ。
「そのように主城をまじまじと見ることは許されない!」
横で吠えている三つ目女のことは、アセスにとっては雑音程度だ。三つ目の目が横開きではなく、縦開きなんだなという感慨しか覚えていない。
「ラーディオヌ一族の総帥、其方名前は?」
「アセス・アルス・ラーディオヌ」
「ほう……。アルス家の血筋か?」
アセスは首肯した。そしてアセスも聞きたいことを口にする。
「あなたもラーディアのアルス家の当主にそっくりだ。同じ血族の方か?」
「死してなお、その血族であると名乗っていいのであれば、そういうことになろう。私はジウスと血を分けた双子の兄だ」
想像通りの人物だったので、アセスは胸の中で彼の名を反芻する。ヨアズ・アルス・ラーディアと。
「どうして貴方がここにいらっしゃるのです?」
「それはアセス殿、私も伺いたいことですよ」
ヨアズは三つ目の少女、李蘭を人払した。少女は不服そうに自分を凄い眼差しで睨み、その場から一瞬で姿を消す。
「この城は、ラーディア神殿の城とそっくりです。その玉座も、ジウスが座る椅子と何一つ違わない」
李蘭という異形の少女を目にしていなければ、魂が浮遊する黄泉からこの世に戻ってしまったのかとすら思えたほどだ。
「其方の考えていることは想像がつくが、ここは紛れもなく黄泉だ。ラーディア神殿に見えるというこの城は、私が過去を想像して作り出し、そして其方が私の面影にジウスを重ねているから。それだけだ。生きた人がいる場所ではなく、異質なところだよ。ーーそれなのに其方、どうして故意にここを訪れた?」
互いに疑問ばかりが交錯して、アセスは吐息をつく。
「私がここに来た目的は二つあります。一つはリンフィーナ・アルス・ラーディア、私の婚約者なのですが、彼女が魔女ソフィアと関連する体神だと聞かされました。現に彼女の中に、ソフィアの人格がいるようで、ーーこの状態を打開したいのです」
「ではもう一つは?」
アセスは口の端で笑った。
「数日前に黄泉に旅立った少女と、一つ約束をしてしまいましてね。ただその少女に約束事を果たしたいだけなのです」
本心を口にすると、ヨアズは承知したとうなづいた。
「其方は自身の身に降りかかる魔族との契約を破棄しに来たわけではないのだな?」
「契約破棄ってそんなに簡単なものではないと了解しています。私も精霊達と無数の契約を結んでおりますか」
ヨアズは玉座から降り、自分の方に近寄ってきた。
見れば見るほど、ジウスに酷似しているが、身に纏う空気にはジウスとヨアズが別人だという違和感がある。
「其方、ちと自分を大切にした方がいい」
細められた目に、自分がどう写っているのか、アセスには判別しかねた。
「もう一つ、望みを口にしていいのでしょうか?」
不意に生まれた疑問を、アセスは口にしていいのかどうかを迷っていた。
「なんだ?」
ジウスもヨアズも、明らかに格が違う。
それは背負う時代と過去の重さが違うということだ。
「なぜ双子であるジウスが生存し、ヨアズ様、貴方が冥府にいらっしゃることになったのか、私は非常に興味を持ってしまいました」
偽りの神々シリーズ紹介
「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫
「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢
「封じられた魂」前・「契約の代償」後
「炎上舞台」
「ラーディオヌの秘宝」
「魔女裁判後の日常」
「異世界の秘めごとは日常から始まりました」
シリーズの7‘作目になります。
異世界転生ストーリー
「オタクの青春は異世界転生」1
「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」




