炎の断捨離30
ついに冥府ヨアズを執筆することになりました。
この小説、ブログになるかも知れませんが、
頭の中を描くので応援よろしくお願いします。
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「ヨアズ様自ら、行かれるのですか……?」
君主に意見することは御法度なので、李蘭は静止したい気持ちを必死で堪えた。
自分は少なくとも冥府を任される異形であると自負していたというのに、突然我が主人は腰を上げ、トラブルの先へ向かおうとする。
「前件の失態に対するお咎めは覚悟しておりますが、主城自ら出向くほどのことでは……」
この冥府から一度死んだ人間を、現世に戻してしまったことに対する失態については、如何様にも処分を受けるつもりでいる。
サナレス・アルス・ラーディア!
ヨアズ様の双子の弟が産み落とした種は、冥府に異変をもたらした。
眠りについていた魔女ソフィアの魂が目覚め、彼女は冥府を後にして暴走している。
ラーディオヌの王族、ーーそんな折に訪問してくるとは、冥府への殴り込みか。
そう思わずにはいられない。
現状で無数の精霊に守られた魂が、冥府の中で暴れている、とヨアズに報告せざるを得なかった。
サナレスに傷つけられ弱ってしまった臣下のフィスは、まだ完全ではないというのにーー。李蘭は親指を噛んで吐息をついた。
「ラーディオヌの総帥を侮るわけにはいかない……。我が弟の兄弟氏族の長だというのだから、今度こそ一目逢っておこう」
我が主人ヨアズは、ジウスの子サナレスとの一悶着を報告すると、なぜ自分に会わせなかったのかと数日間気分を害されていた。
たかだかジウスの子種が起こしたことを処理できなかった自分の不祥事だと弁明すると、ソフィアを自由にしたことは万死に値するのだと、きつくお叱りを受けてしまった。
だから李蘭は、今回の些細な侵入者のことについて、ヨアズの判断を仰ぐ。
「では主城、その者を連れて参りましょうか?」
「そうしてくれ」
ヨアズにそう命じられ、李蘭は首肯した。
転生無限ループの中にいる彼の魂を、仕方がないから摘み上げる。
何度か転生するうちに、魂の原型が書き換えられていくという渦に飲み込まれているというのに、面倒だが抽出しなければならない。
李蘭は舌打ちして、アセスを迎えに行った。
偽りの神々シリーズ紹介
「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫
「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢
「封じられた魂」前・「契約の代償」後
「炎上舞台」
「ラーディオヌの秘宝」
「魔女裁判後の日常」
「異世界の秘めごとは日常から始まりました」
シリーズの7‘作目になります。
異世界転生ストーリー
「オタクの青春は異世界転生」1
「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」




