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炎の断捨離20

ゴルフから帰り、小説書こうかな、とブログ感覚で書いています。

今晩はこのまま書き進めるかなぁ。

         ※


「またこの状態か……」

 明け方、サナレスは全裸のまま抱き合っている自分達の様子を見て、体を隠すために布団をかけた。


「兄様、無事!?」

「ああ、お前が癒してくれたんだろ?」

 正しくは自分ではく、自分の中に住まう魔女ソフィアの仕事だった。


 昨夜は傷だらけだったサナレスの身体の怪我の具合を見るために、リンフィーナはサナレスをまじまじと見つめた。

 サナレスは髪をかきあげながら、気だるそうに上半身を起こしている。


「そう見るな。大丈夫だ……」

「ダメでしょ!? そんな全身ボロボロになって帰って来られたら、全部脱がしてでも確認しないと……」


 リンフィーナは一糸も纏わないサナレスをじっと見て、傷口が癒えているかを確認する。

 この前も今のような状況だったのかと、関係を勘ぐった自分に平手打ちしたいくらいだ。

「おまえ、前の時と反応が違うのな」

 前はもっと恥ずかしがっていたのに、と残念そうに笑っている。


「もうそんなのいいから。ーーどうしてそんなに怪我だらけなのか話して!」

「ラーディアという後ろ盾がないのだから、こんなものだろう」

 サナレスは寝台から出て、彫刻のような裸体で部屋の中を歩き、リンフィーナに背を向ける。


 背中に大きな傷が見えて、リンフィーナは息を呑んだ。

「まだ癒えきっていない」

 動かないでと、兄を止める。


「大した傷じゃない。散り散りになったラーディアの近衛兵を招集しているだけだ」

 兄が嘘を口にする理由。それは自分のためだとしか思えずに、リンフィーナは目を細めた。


「違うでしょ? 昨夜ソフィアと話したよ。ーーソフィアが兄様に無茶なことをさせているような口振りだった」

 ガウンを羽織って、サナレスはこちらを向く。

「私とソフィアとの関わりなんて、おまえが気にすることではないよ」


「気にしないわけないよ! 自分の意識がないうちに、兄様はソフィアとどんな話をしているの? どんな無理難題を言われているの!?」

 サナレスは無茶を言われている。そしてそんなサナレスをソフィアが癒して、更にこき使っているのではないか。自分に心配させないように、隠し通そうとしているように見える。


「おまえが気にすることではない。私とソフィアも、ーーそしておまえも何の関係も結んでいないのだから、おまえはアセスに対して何も後ろめたく思う必要もない」


 サナレスの言葉が引っかかる。

 まただ。

 秘密主義のサナレスは、いつも自分の思考を読み取るようにして、本心を隠している。

 それほど自分は頼りにされず、守られるだけの存在だと言うことだ。


「言いたくないなら、もういい」

 リンフィーナは少し唇を尖らせた。本音ではもっと兄の懐に飛び込みたい。

 けれどサナレスが今の自分の主張には微動だにしないことを早くも悟る他なかったので、リンフィーナは睨むような視線で兄を見る。


「もう話してなんて言わない。ーーでも兄様、私これからはもう待ってない。ずっと兄様の後をついていく」

 話してくれないのであれば、この目で見て、この耳できく。この体でサナレスを守りたい。


「兄様私ね、多分兄様がこの世から消えたら、生きる意味さえ失うの」

 だからこの先の人生は、兄様と生涯を共にする。


 決意を口にするとサナレスは少し戸惑って、眉を寄せた。

「おまえは、死が二人を分かつまでの相手を……」

「アセスだよ! 兄様にそう言った。私の相手はアセスしかいない。でもそれって、兄様が生きてることが前提なんだよね? ーー私、兄様がいない世界では、何一つ想像できない。何ひとつ、先が見えない。兄様がいる世界が私の生きられる場所ーー」


 リンフィーナはこの世に生を受けてから、一番真摯に兄を見つめた。

「私が選ぶのは、兄様! いつもサナレス兄様なんだから、兄様と一緒にいる!」

 訴えるのに必死だった。


 アセスを恋い焦がれる気持ちが薄れているわけではない。

 でもサナレスに対する気持ちは、これは身内に対する愛なのか、恋なのか、まるでわからないけれど真実だ。


「ねぇ兄様、私の中の魔女が兄様の行く道を違えるなら、今すぐ私は自害する」

「何を馬鹿な……」


 背を向けるサナレスに、リンフィーナは抱きついた。

「どこにも行かないで。ずっと一緒にいる。兄様と私、絶対に死が二人を別つなんてことはない」

 兄様が死ぬなら、自分も同じだ。

 兄様が生きていない世界で、一秒たりとも生きていたいと思えない。


「おまえなぁ……」

 サナレスはリンフィーナの体を抱きとめた。

「そんな殺し文句、ーー今言うなよ」

 サナレスはリンフィーナの体に布団を巻きつけて抱きしめる。


「大切なんだ」

 サナレスはリンフィーナを抱きしめて、顔を伏せるように俯いたままそう言った。揶揄うようにサナレスは呼吸した。、

「おまえは私の好みじゃない」

「ーーひどいよ」


「私の好みはもっとこう大人の女性で、凹凸もちゃんとたおやかな女性だ」

「タキみたいな? ーーもうちょっと大人になれば、出るとこだって出るから!」

 必死に抗弁するリンフィーナを抱きしめたまま、サナレスはぷっっと吹き出している。


「今に誘惑する! 大人になった身体で、絶対に誘惑するから、ちょっと待って!」

 サナレスはリンフィーナの体を抱きしめる力をぐっと強めた。不意にサナレスが首筋から胸元に口づけしてきて、リンフィーナは脈打つ気持ちを制御できない。


「ねぇ兄様。ーー私、本当の妹じゃないなら兄様の相手になる資格はあるよね……?」

「そうだな」


 でもな、とサナレスは苦笑した。

「おまえはさ、もう惚れた女以上に私の大切な姫なんだよ」

 強い力で引き寄せられて、サナレスの呼吸を鼻先に感じた。

「アセスと勝負して、真実おまえの気持ちを手に入れるから」

 同情はするなよ。


 サナレスはリンフィーナに微笑んだ。


 偽りの神々シリーズ紹介

「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫

「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢

「封じられた魂」前・「契約の代償」後

「炎上舞台」

「ラーディオヌの秘宝」

「魔女裁判後の日常」

「異世界の秘めごとは日常から始まりました」

シリーズの7‘作目になります。


 異世界転生ストーリー

「オタクの青春は異世界転生」1

「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」

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