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第3話:叡智さんはとても優秀です

 黒歴史を作らなくて済んだ俺はまず、寝床の準備に取り掛かる。<叡智>の知恵を借りて満足して寝れる程の寝床が出来上がる。



 「よし!これで完璧だな」


 『はい。次に食料の確保です。この近くには「癒しの実」が大量に実っております。まずは食料を確保致しましょう』



 俺は言われるがままに外に出て癒しの実を取りに向かう。少し行くと大量に(みの)っている木を見つけた。



 「これがそうかな?」



 鑑定を発動させる。が。



 名前:癒しの実

 効果:不明



 「なんだこれは?」



 俺が目の前に出た表示に疑問に思うと毎度お馴染みの<叡智>が答えてくれる。



 『これはスキル<表示(ディスプレイ)>に元々搭載されている<鑑定>のスキルレベルが低いからです。現在のスキルレベルは(A)となっています。スキルレベルを(S)に上げますか?』


 「そう、だな。頼むよ」


 『了解しました。スキル<鑑定(A)>を(S)へと上げます………。了承を確認しました。スキルレベルが(S)になりました』



 てか誰に確認を取っているんだ?……何か気にしたら負けな気がするから止めておこう。


 そして俺は<鑑定>を発動させる。



 名前:癒しの実

 効果:体力、魔力、あらゆる状態異常を回復させるS級食材。どんなに瀕死でも完全回復する。



 「なんかすんごい実なんですけど……」


 『それが癒しの実の効果です。ここは産地になっております。<異空間庫>へと収納てください』



 俺は見ているだけも何なので風魔法を使って落とす。落ちる寸前に<異空間庫>を広げて回収する。メニューを確認すると、癒しの実(489個)と表示されていた。


 何か取りすぎたけどまあいいか。と思いつつも長居をすると危険なのでさっさと撤退する。が、ここはそんなに甘くは無いようだ。


 後ろから巨大な気配がする。確認するとそこには、白い毛をした狼が巨体になった姿がいた。俺は何となくで<鑑定>を発動する。俺はレベルを見て驚愕した。



 名前:フェンリル

 Lv.2680

 スキル:<神速>



 俺は急いで逃げる。フェンリルは俺を追いかけて来る。が、それはとてもゆっくりだ。俺を弄んでいるのだろうと察した。



 「けどなぁ~。レベル2680ってなんだよ!?しかもスキルが1つだぞ。なんだあのスキルは?」


 『<神速>は光よりも速く移動する事が可能です』


 「なんだよそれ…。てかなんか策はないか?」


 『あります』


 「おぉ!それの案とは?」


 『そのまま真っ直ぐ向かって頂くと目の前に壁があります。それを魔法などを使い登っていただき、自身が見えなくなった所で前回と同じく待ち構えます。登ったらその場に鋭利な物をお作り下さい。それで倒します。タイミングは私が行います』


 「了解だ!」



 俺はその案に乗っかり壁を乗り越える。そこに急いで地魔法と火魔法を組み合わせた大きく真っ赤な槍を作り出す。それはマグマの様に熱くなっている。


 それを維持して手で持って待ち構える。


 何故か自分が持つと熱くはなかった。



 そしてフェンリルは壁を飛び越えて俺の頭上に来る。



 『今です』



 その合図と共に俺は槍をフェンリル目掛けて投げる。それは真っ直ぐと進みフェンリルへと迫る。フェンリルはそれを薙ぎ払おうとするが、触れるなりそれは消えてしまう。


 フェンリルは戸惑う。だがそれが分からないままフェンリルは絶命する。



 何故消えたか。それは最初に放った槍は秋人が作り出した幻想であり、本命の攻撃は隠蔽により隠されていた。フェンリルはそれを認知すること無く、防御が弱い目へと深く突き刺さり絶命したのだ。それはフェンリルが俺を弄んだから起きた悲劇でもある。


 そして高レベルモンスターを倒した俺はレベルが上がる。



 『おめでとうございます。レベルが1340になりました。称号が追加されました。』



 名前:柊秋人

 Lv.1340

 種族:人間(99%)

 ユニークスキル:<経験値ステータス倍加><奪う者><幸運><叡智><異空間庫><表示(ディスプレイ)>

 スキル:<魔法(S)><身体強化(S)><神速>

 称号:転生者、超越者、人間を超えた者



 …………俺は目を擦りもう一度ステータスを見直す。やはり見間違いでは無いようだ。



 『マスターの現在のレベルから行きますとレベル3000までの魔物なら倒すことが可能です。そして現時点で人類最強の人間です』


 「………やっぱり疲れているのかな?もう帰って寝るか。俺は疲れたよ」



 俺は戻り、入口には隠蔽を掛け、生活魔法の「リフレッシュ」を使って汚れを落として寝るのだった。




 ─────次の日の朝



 俺は起きる。辺りを確認してからやはり夢では無かったのかと思うと1人で少し寂しくなる。そしていつもの癖で誰もいない空間に「おはよう」と言うと。



 『おはようございます。マスター』


 「そう言えば<叡智>が居たな…」



 俺は朝食に癒しの実を食べる。食べながら俺は考えていた。



 (<叡智>にも名前が必要か?いつもいつも「叡智」と呼んでいたからな)



 心の中でそう思っていると叡智が語り掛けてくる。



 『いえ。私に名前は不要です』


 「なんだ聞こえていたのか?」


 『はい』


 「そんな事を言うな待ってろ考えてやる」



 俺は考える。ネーミングセンスが無い俺は1時間程悩んだ。そして絞りに絞って出した名前は。



 「叡智、お前の名前はメティスだ」


 『ありがとうございます!これからはメティスと名乗られせ頂きます。それでメティスとは?』



 おっと、全てを知る叡智でも分からない事があるのか。そう思うと俺は得意げに教える。



 「メティスとは俺のいた世界のギリシャ神話に出て来る英知を司る神の名前だ。案の定メティスは何でも知っているからな」


 

 俺の説明が終えるとメティスは。



 『その名に恥じない働きをするように致します』


 「まあ、程々にしてくれよ」



 そう言って俺は外に出て行くのだった。

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