2-20
2022/02/21 加筆修正しました。
「ロキ君を僕のクラスから離すなら、担任は彼にしてください」
「え、俺ですか……」
新しいクラス分けが行われるのは、クラスの実技授業進度に大きく差が出た時である。
1年2組の担任だった男――レイヴンは、黒髪を無造作に括った後輩の男を指差して指名する。
「僕は、あの子を任せられるのは君くらいだと思ってますので。だって、あんな事件起こす渦中にいる子ですから」
「……めんどくさすぎますって……公爵家の子供じゃないすか……」
レイヴンはそんな男の言葉を無視して笑う。
「よろしくお願いしますね、オリヴァー君」
去年からちらほら話振られてたから予想してたでしょと言われて、否定できなかった。
この性悪精霊使いの幼馴染兼先輩の言葉を実感するのは、ほんの少しだけ先のこと。
♢
「……ロキとクラス離れた……」
ソルの呟きは、ヴァルノスに拾われた。
「あら、ロキと一緒がよかった?」
「当然よ! だって一緒ならまだいろいろ予定の擦り合わせとかないのに!」
「まあ、それもそうだよねえ」
春休みを終えたロキたちは珍しくあった初等部のクラス替えによっていくつかのグループに分かれていた。
ロキにとっては全く知らない人間も増えたが、同じクラスにレインの名があったため特に何を思うことはなかっただろうな、とヴァルノスは思っている。
「1組2組の成績上位の人が均等に分けられちゃったね」
「まあ仕方ないか……」
カルとロキを離すことは叶わなかったらしく、仲は良いが階級も下、加えて女子であるソルとヴァルノスはロキと違うクラスに入れられていた。
「でも私とソルは同じクラスね」
「そうね。あ、でもルナはロキたちと同じだわ」
「いいなー」
他に言うと、ロゼとレインが入れ替わりになってしまったらしい。
男子は男子で固められた形になったようである。
「よう」
「あ、セト」
「おー」
セトがやってきてクラスの表示を見てクスッと笑った。
「どうしたの?」
「いや、カル殿下がレオンとどう折り合い付けるんだろうと思ってな」
「あー」
セトに声を掛けたソルは納得の表情で表示を見直す。レオンはクローディ公爵家のレオンの事で相違ない。レオンとロキは別に仲が悪いわけではないのだが、レオンのコンプレックスをロキが刺激するのか、仲良く会話を交わすような仲でもないらしいのだ。
セトはロキともレオンとも個別で会うような立場にあるものだから、その反応をよく知っているのだろう。カルの傍仕えに騎士団長の息子であるセトが確定している現状、ロキとレオンどっちが傍仕えに上がるのか、はたまたどちらも上がるのかは不明である。
カルはどちらを気に入っている、とは明言していないものの、関りが多くなりがちですっかり懐に居座っているロキの方を気に入っているのは誰の眼にも明白なので、口先だけでもロキと衝突していると噂のレオンへの印象がよくないのは予想が付く。
レオンの魔力量が公爵家にしては低いのは周知の事実と化している。そこに、魔術が使えなかったとはいえ膨大な魔力を持っているロキが魔術を使えるようになってやってきたという状況。レオンがロキに噛みつくのでは、と予想されるのも致し方ない事だったかもしれない。
レオンの魔力量は実際のところ、男爵家クラスくらいと言われている。大人たちは秘匿していたが、魔術の威力のわりに撃てる回数が少ないのは皆去年で知ってしまっているので、それくらいの魔力量しかないと考えられているのだ。なおソルやルナは平均的な男爵家の子供よりもはるかに多い魔力量を誇っているので、レオンよりも魔力量は高いと評価されている。
「でもレオン様の事、ロキは何とも思ってないんじゃない?」
「ん、ホントになんとも思ってなさそうだぞ」
「というかロキずっとレイン様といちゃついてたじゃないの。帰りに一緒にスイーツ食べに行ってさ。メルヴァーチ邸宅とフォンブラウ邸宅方向逆じゃん?? ラブラブじゃんあの2人??」
「どっちも美形だからヨシ」
1年の頃はレオンの補助をレインがしていたはずなのだが、ロキが放課後や食事の時間はレインを連れて王都のカフェに入り浸っていたのでレオンは放置されていたことになる。いや、レインはそもそもロキの従兄弟であるのでロキと一緒に遊びに行くのは何もおかしい事ではない。
美形がいちゃついとる、と一部の人間にはわかる価値観に即した発言をかましたヴァルノスの一言でこの話題は終わりだ。
「まあ、なんだかんだ、レオン様もロキの近況ぐらい知ってるでしょうけれどね」
「レイン経由で情報渡ってるかもって話?」
「そうそう。去年度最後の最後に3組がやらかしたじゃない」
「あれの所為で殿下の気が立ってると言っても過言じゃないんですけど!」
「ドンマイ」
ロキは決して気が短い方ではないので、カルが先に怒り狂うことが多いのも実情である。セトは後から報告を受けるばかりが多いらしく、どうしろってのよ、とあんまり悩んでなさそうな声音で言った。
「現行犯からロキを庇うってのもできないしね」
「ロキならそのうち皆味方にしてしまいそうだけれど?」
「可能性あるわね、」
いつの間にか来ていたロゼの声に3人は振り返った。
「おはようございます、ロゼ嬢」
「おはようございますセト様。私のクラスはどこですか?」
「3組だな」
「あなたたちは?」
「私とヴァルノス様は2組です」
「俺は4組だ」
ロゼは1組の表を見て、小さく息を吐いた。
「ロキと他の転生者を引き離されたわね」
「もうほとんど関係ないから放置しててくれてもよかったのにね」
「それもあるけれど……ああ、レオンの癇癪を他の公爵家に止めてほしいってところかしら」
私ではその役は務まらないものね、とロゼが呟く。ロゼも公爵家の娘にしては魔力量が低く、レオンのストッパー足り得ないので致し方ないのだという。
「だからといってカル殿下に任せるわけにはいかないしな」
「ロキが可哀そう……レオンの癇癪ってレーザー砲なのよ」
「やっぱ公爵家じゃん」
「それね」
結局公爵家じゃねーかその威力。
近年加護持ちが多い公爵家にあって加護持ちでない子供ばかりなこの学年なので、加護持ちであるロキは逆に珍しいと言えた。
ロゼの場合は牡丹色の髪であるにも関わらず本来の属性は火。家系の魔力は土であるが、それを扱えず嘆いていたところをロキの魔力を浴びたことによって何らかの変異を起こし、土属性の魔術を扱うことができるようになった。
「レオンの方が恵まれてるのよ畜生!!」
「ロキに先に会ったからノーカンってことだろ」
「セトに私たちの言葉が移っている!?」
おそらくロキ経由かと、とヴァルノスが笑った。
♢
「では最後に、あー、えっと。今年は珍しくクラス替えがあった。今年の1組の担任のオリヴァーだ。早速クラス内での役割決めてもらうぞ」
ロキのクラスは1組。
担任になったオリヴァーは王族1人に公爵家2人、侯爵家3人とかマジ荷が重いわと文句を言いつつ教壇に立っていた。
「まず学級委員か。去年やったからわかると思うがあんまり仕事はねえ。ほら自主的にやれー」
ロキはけしてこういったことに手を挙げるタイプではない。自由に動ける時間の方を大事にするタイプであるし、何より魔力を体内に長時間とどめておかない方がいい、というのは今後もなるべく継続すべき事項である。
暇があるなら魔力結晶を作っておいた方がよっぽどいい。
「ほら誰かー」
「ロキ様はやらないのですか?」
「俺は一生リハビリだ」
「よしレイン行け」
「ほう、あの光景を見てなお僕をロキから引き離せると思っているのか」
元2組のメンツは言葉を交わし合う。学級委員なんて言っても結局は教員側にとって使いやすい雑用係。やりたがる生徒はあまりいないのが実情である。
「雑務をお前らが俺の手足となってやるというならやってやるが」
「なんだ、お前何もしないのか」
「……ああ」
レオン・クローディの言葉にロキは何か言おうとして辞めた。
「体調管理に難があってな」
「先生の手伝いもできないほどにか」
「……やってみて倒れたらお前責任とれるか……?」
「……お前意外と表情あるよな?」
ロキは少し考えて言ったが、レオンの答えは結局ノーだった。
「俺がやります」
「反対無いかー。よし、じゃあレオン・クローディが学級委員ということで」
何か絶対やれ、と言いそうになってふとオリヴァーは思い出し、手元のプリントに目を通す。
面倒くさがって先ほどまで読んでいなかったものだったが、ロキたちの去年の担任であるレイヴンが作ってきた書類なので読んでみた。
「あー、マジかよ」
「先生、どうかなさいましたか?」
「いやー、レイヴン……去年のロキ様たちの担任から書類預かっていたんだけどなぁ」
「「「あー」」」
ロキとカルが顔を見合わせ、ルナとレインと、ロキらと同じクラスだったクルト・ブリンガー男爵令息が苦笑を浮かべ合った。
「なんて書いてあるのか知ってる感じか」
「たぶん書いてるだろうなってところは分からなくはない……よな?」
「仕方ないだろう……」
だってあの先生だもの、と彼らは言う。生徒が授業についてくる限り基本的にマイペースに進む先生だった。
「えー、いろいろと体質に問題があるためロキ・フォンブラウとその補助者に役員は振らないこととする」
「なんですかそれ」
「詳細は知らせてはいただけないんですか」
「あー、これはまあ、知らせてもいいけど、去年の3組の奴らの二の舞だと思うぞ」
「「「……」」」
経験者がいたらしい。
3組の二の舞。
それがさすのは、ただでさえ教科書の内容をほぼ終わらせてしまっていた2組の生徒たちが、カルからの報告もあってかロキを傷つけた者を容赦なく攻撃したことに由来する一連の騒動であり、その後被害者は中等部の生徒にまで広がった。
「……3組の生徒がロキ・フォンブラウに対して何かしようとしたってことぐらいは聞いているけれど、その先を俺知らないんだけど、何があったの」
レオンがロキに問う。ロキはあっさり答えた。
「攻撃対象にされただけだよ。実際のところ特に何もなかった」
「……ならいいが。それを許してしまったらそれこそ公爵家のメンツが立たなくないか」
「さてね」
ロキが早々に話題を終わらせようとしたが、カルが口を挟んできた。
「ロキ、お前は、生徒3人がかりと教員1人が暗い部屋にお前を連れ込んで詰め寄っている状態を何もなかったと言い切るのか」
「はッ!?」
「チッ」
ロキの舌打ち、レオンの驚愕、他の生徒も驚いたのかガッと椅子と机が軋む音がする。ロキは面倒くさそうに両手を挙げた。降参の合図だ。当時の出来事を見ていたカルに黙っていてくれと言ったところでどうしようもない。アーノルドに報告したため生徒も教員も制裁は加えられているし、これ以上事を引っ張る気も無かったのだが。
「もう終わった話じゃないか。俺は彼らから謝罪も受けたし、彼らは父上から沙汰が下った。これ以上引き摺るつもりはないよ」
「あれが初めてだったとは、俺は思わん」
「ああいう形のは初めてだったって、言ったろ。人刃血統であることを明かしただけで攻撃対象になるんだから、そりゃ誰も言わなくなるよ」
こんな状態を変えなきゃね、とロキは話題のすり替えを行おうとした。そしてそれをカルは待て、と制止した。
「お前は論点をずらすからな。今日は丸め込ませんぞ」
「いやむしろ今日丸め込まれてくださいな?? はよホームルーム終わらせて帰りたいんだが??」
ロキの本音がぽろっと零れ、あらヤダやっちゃったとさらに話を明後日にぶん投げようとするロキに、カルが吠えた。
「ロキ! あの時隠してたけれど、お前怪我をしていたな! 後からアーノルド公から聞いた! 何が実害はない、だ、実害出てたんじゃないか! 隠すな! 大体、あの3人の生徒は何故退学処分になっていない!? あの教員は!?」
「どうどう、落ち着いて、カル。怪我はすぐ治ったし、生徒3人はあまり大事にしたくないから追い出さなかっただけだし、教員に関してはレイヴン先生に絞られてるんじゃないかな?」
落ち着けよ、とロキが笑みを崩さず言う。それが余計カルを苛立たせているのは分かっているのだろうが、ロキは生憎とカルの怒りを鎮める方法に詳しくない。レオンが見かねて言葉を投げた。
「殿下、こいつがこう言ってるってことは、大事にしたくないのは本心のはずです。ここでカル殿下が蒸し返したら意味がなくなってしまう」
「だが!」
「後でロキと話をする、これでいいでしょう? 少なくともこの場でするべき話題ではありません」
「……!」
カルが黙る。ロキは人知れず詰めていた息を吐いた。竜の怒りは、子供でも侮れないものだ。それでもそれなりに止めるだけの力を持っているはずのオリヴァーは微動だにしていなかった。
周囲を見渡すと、臨戦態勢の生徒と動けないでいる生徒、何も気にしていない生徒の3つの反応に割れている。オリヴァーが息を吐いた。
「ロキ・フォンブラウ、それについては後で話を聞くぞ。カル殿下は怒りを抑えてください」
これは荒れたクラスになるな、とオリヴァーは覚悟する。
「あー、フォンブラウ、一つ要らんことを聞くが、お前本当にあのアーノルド公爵とスクルド夫人の子供だよな??」
「母上の不倫を疑ってるなら締めますよ?」
「その顔の造りでアーノルド公の子供じゃなかったら驚くわ! じゃなかった、いや分かった、お前確実にあの2人の子供だわ!」
オリヴァーはロキから確かに2人の気配を感じた。なるほど地雷を踏み抜くと瞬間的に怒りのボルテージが上がるタイプか、と勝手に心にメモをしながら、一瞬で詰まった息を吐き出す。ロキの圧がカルの怒りより上のような気がする。
「今年まずやらなきゃならんのは種族の認識についてからだな……」
オリヴァーはクラスの生徒を見渡す。一際固まっている生徒を1人見つけて、上も過酷なことをする、と独り言ちる。ロキが大人しいのもこの子が理由だろう。
「よし、お前たちに聞いておかなきゃならんことがある。お前たち、自分の種族が何か気にしたことあるか」
生徒たちに視線を投げかけ、問いかける。オリヴァーの声に反応して何人かの生徒が顔を見合わせた。
「ないです」
「気にしたことないですね」
生徒の答えはそんなものだろうとオリヴァーは思っていた。そして事実そうだった。やっぱり今も自分たちの種族を明確に口に出して明かすことは、リガルディアの貴族はないのだと思い知らされる。オリヴァーだって、模擬戦で種族固有魔法を撃ってくる同級生が居たからあいつその種族なんだ、と理解していた程度だったし。
学年で旅行に出かけるときに、初めてあいつその種族だったの、なんて知ることもしばしばで。
多分、この学年はそれではいけないのだ。
「……普通は気にしない。誰がどんな種族だろうと関係ない。それをありのままに受け入れられればいいからな。――だが、フォンブラウの怪我の原因は種族蔑視の思想だ。このままだとまた次が起きる」
「オリヴァー先生……」
ロキが小さくオリヴァーの名を呟いた。
オリヴァーはそもそもそんなに問題に首を突っ込みたいタイプではないのだが、このままだとますます問題が大きくなってくるだろう。先に潰す他無いとオリヴァーは考えた。
――たとえ、自分がレイヴンから聞いているロキの人物像が今目の前で割とだんまりを決め込んでいる子供とはかけ離れたものだったとしても。
チラリとロキを見やるときょとんとした表情を作ったロキがいる。どうしたんだろうという表情なのだと思うべきなのだろうが、この顔は多分、何でこっち見てんだこの教員、という顔だ。ロキは自分で問題解決に動く生徒ではない、今分かった、はっきりと理解した。レイヴンが言っていた“ロキ君は自分の事を気にしない”とはこの事を指しているのだ。
「課外授業だお前たち。全員席を立て。そして父親が人刃族のグループ、吸血鬼族のグループ、人狼族のグループ、イミット族のグループ、その他亜人族のグループ、ヒューマン族のグループに分かれろ。分からん奴は留まれ」
「竜がない」
「殿下は別枠で」
これぐらいはっきり言ってやらねばわかるまい。黒板にそれぞれの種族の大まかな列を書いてやると、それぞれの生徒がそこに移動し始めて、面白いぐらいに人刃族が集まった。
「人刃族多いな」
「何人だこれ」
「5人」
「20人中5人も人刃てそんな高確率ある??」
人刃の列に集まっているのはロキ、レオン、レイン、他2人である。とんでもねえと生徒たちが口にしているが、人刃の列に集まった生徒からすれば何が、という状態で。
「なんだよ、お前と俺父方の従姉妹なんだからお前だって人刃の混血だろ!」
「まあ、そんな吸血鬼もどきと一緒にしないで! お母様はエルフなのよ!」
「人刃族に集まってるの伯爵以上ばっかりだ」
「うそでしょ……上流貴族皆人刃族なの……??」
「人刃族ってダンジョン産の魔物だろ!? 何で人間社会に溶け込んじゃってんのさ?」
「あら? 貴女がそちらにいらっしゃるということは、私のお母様も人刃なのかしら?」
「そうね。叔母様は人刃の血が薄い方だったから、人刃の特徴を貴女が継いでいるかどうかはわかりかねるけれど」
うーん、カオス。
オリヴァーは内心思った。親が自分の種族を教えている家庭は上流貴族に限定されるようで、子爵階級の生徒たちが席に取り残されていた。とはいえ3人だけだ。1人は亜人の列に居た。オリヴァーが知っている限り、子爵家の生徒の1人は父親が人刃族で、1人は人狼族で、ラスト1人は亜人族だったはずである。
人間、狭義ではヒューマン族と呼ばれる種族を父親に持つ生徒は、3人だけだった。
「ヒューマンの父親って少ないんだねえ」
「母親で分けたらこれどうなるのさ」
「もうちょいヒューマン増えると思うわ」
「待って待ってこれ両親ともにヒューマンなのってどれくらいいるのさ」
自分たちで動いたせいで疑問が湧いた生徒の叫びが聞こえる。そうだよな、その疑問は抱くよな、とオリヴァーは思った。だがこれこそが最初に彼らに考えさせなければならない課題だ。
「このことはみんなよく覚えておくように。人間ばっかりの国じゃないんだからな、リガルディアは」
生徒たちがひえ、と震えあがったのは、自分たちの常識と思っていたことが壊れたせいだけではなかっただろう。
「まずは国の成り立ち辺りからかな」
オリヴァーは子供の常識とはいえ形成されつつある常識をぶち壊す所から始めることとした。
なお、この日のホームルームそのものは割とすぐに終わり、授業が楽しみだねと、オリヴァーは子供たちを散々脅して帰ったのだった。
「熱心ですね、オリヴァー君」
「ついノリで言っちまったけど本当はすっごく面倒臭いんですよ??」
顔を出したレイヴンに文句のひとつでも零してやった。