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Imitation/L∞P  作者: ヴィラノ・エンヴィオ
初等部編

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41/387

2-4

2021/10/29 改稿しました。

2026/02/12 大改稿しました。

2026/02/14 編集しました。

2026/02/26 少々加筆しました。

「……」


ロキは朝早くから教室に入って、自分の席がインクでべたべたになっているのを確認した。インク高いだろうに、と呟いて、ロキは持参した雑巾でインクを拭き始める。そんなロキを見て、くすくすと笑う生徒の一団が廊下にいた。


ロキはそちらを見ることなく、掃除に集中する。長机なのにインクなどぶちまけてくれるなよ、と内心文句を言いつつ、レイヴン、というかロゼやカル、ソルが登校してくる前に掃除を終わらせなければ大事になること請け合いなので、ロキは手早く掃除を終わらせた。


あ、これが虐めか、とロキは思ったものの、まあ、しょうがないか、と思ったので仕掛けられている嫌がらせについてレイヴンに報告したことはない。無論、アーノルドにも。スクルドになんて以ての外である。


なんか乙女ゲームのヒロインが受けそうな意地悪だなあ、なんてどこかぼんやりロキは日々を過ごしていた。入学してもうすぐ2ヶ月が過ぎようというタイミング。どうやらロキにちょっかいを掛けてきている生徒たちはロキの考え通り、2組の生徒ではなかったようだ。日々お暇なことで、と内心ボヤくぐらいは許されたい。彼らは余程ロキの事が目障りらしい。


掃除を終えて、雑巾を廊下の水場で洗っていると、後ろから蹴られて、水を出している魔道具にロキの頭が激突した。


「おぁ!?」


ゴヅッっと鈍めの音がして、バキャ、と嫌な音が続く。ブシャ―――ッ、と水が勢いよく噴き出し、廊下が水浸しになっていく。


「わあ!?」

「うわやべっ」

「濡れた! サイアク!」


どうやらロキを蹴り飛ばしたらしい彼らにも水がかかったらしい。ロキは濡れてしまった顔を拭った。こいつら馬鹿じゃないの、と振り返って、ロキを蹴ったであろう生徒たちを見やる。


「……いくらなんでも、やり方が悪いと思う。流石に、学園の備品破損までは受け入れられないぞ」

「はぁ!? 誰がお前なんかの言い分を信じるってんだ?」


魔道具はロキの頭が思い切りぶつかったせいで完全に破損したらしい。廊下の水浸しになった部分がどんどん広がっていく。ロキも目の前のそいつも服がびしょびしょに濡れてしまった。ロキは心配になってくる。視界の端にアビゲイルの姿を捉えたロキは、ゆっくりそちらを見やった。


「あの先生」

「あ、先生来てる」

「え、うそ」


ロキの方ばかり見ていた生徒たちは教員が来たことに漸く気付いて、慌て始める。別にロキ的にはロキにあれこれするのはどうでもよかったので、いまだに水を噴き続けている魔道具をちらと見やった。あれ、いくらぐらいするんだろう。魔道具とは、総じてお高いのである。


「貴方たちッ、今すぐ保健室へ! その後教員室へ来なさいッ!!」

「はい」

「げッ」

「何で!」

「こいつが勝手にぶつかったんですっ」

「ファビウス・ファンベル君、貴方がフォンブラウ君を蹴ったのも見えていました。言い逃れは許されません」


アビゲイルが手早く魔力で魔道具の強制停止を行い、後からやってきた2人の男性教員に生徒を預けた。


「レイヴン先生、アラン先生、この子たちを保健室へ。身体を拭いてあげてから教員室へ連れて行ってください」

「ええ、分かりました。一度ここはお願いします。ヘンドラ先生を呼びますので」

「お願いします」

「さ、4人とも、こっちへおいで」


ロキはレイヴンの眼が冷たくロキを射抜いたので首を傾げる。レイヴンは小さく息を吐いて、困ったように眉根を下げた。


「ロキ君、ロキ君。君はロキ神の加護を受けているだけなんです。今はまだ、誰も、何人も、君を傷付けていい理由など持っていないんです。復讐の理由すらないのです。受け入れてはダメですよ」

「……そうなんですか?」

「ええ。君はまだ誰も傷付けていません。()()を理由に君を断罪するのは間違っています。ロキ神の加護を理由に君に意地悪をするというのなら、それこそ()()()()()()です。受け入れてはいけません。君は、まだ何も、悪いことなんてしていません」


レイヴンの言葉にロキは目を丸くした。そういうものなのか、と呟いたので、これは気に掛けるだけじゃダメだったか、とレイヴンも内心反省することになった。


「レイヴン先生、後は俺がやっておくから、ヘンドラ先生を呼んできてくれ」

「わかりました。では後はお任せしますね、アラン先生」


では、とレイヴンはロキの事もアランに預けて離れていく。

ロキはアランを見上げた。アラン・ヴェーリッヒ、ペイルグリーンの髪に蜂蜜色の瞳の男性教員で、中等部の武術関係の講義を受け持っている。初等部の人手不足でよく顔を出しているので2ヶ月も学園で生活していれば自然と顔は覚えた。



歩きながら、ロキはなんだかぶつけたところが不快だな、と手でぶつけたところに触って、自分の脆さを改めて自覚することになった。どうした、と振り返ったアランは目を丸くし、ロキはどうしましょう、と少し困った顔をしていた。


ロキの手には、赤い血が被った水で広がっていて、ロキは自分が着ていた黒い上着の袖でざっと拭う。あまり患部に触ってはだめだと言いながら、アランは慌てて保健室へ向かったのである。


アランによって保健室に4人とも連れて行かれ、タオルで髪や体を拭って、着替えがあれば着替えて、なければ服を借りて着替える。その頃にはすっかりロキにちょっかいを出した生徒たちも黙ってしまっていて、ロキは彼ら風邪ひかないか? と若干場違いな心配をしていた。蹴られたのも怪我をしたのもロキなので、その心配は本当に場違いというものである。保険医はロキの額にガーゼを貼った。


アランは優しく声を掛けるようなこともなく、最低限の言葉で子供たちに行動の指示を出していたが、保健室に途中で青い髪の生徒と赤い髪の生徒が入ってきたことで状況が変わる。


「失礼します」

「あれ、レイン君、ケビン君」

「アラン先生? 何故ここに?」

「……フォンブラウもいるじゃねーか。それに、ファビウスも?」


ロキは一瞬固まった。レインは、ロキの従兄弟で1組に在籍するレイン・メルヴァーチ侯爵令息の事である。ケビンは、3組のケビン・シスカ伯爵令息だ。

ロキはレインの顔色があまり良くないことに気が付いた。自分たちが早く退かなければゆっくりはできないだろう。


「ちょっと4人が揉めちゃってね。すぐ出るから、ゆっくり休んでね」

「あ、はい」

「ケビン君は付き添い?」

「そうです」

「そう、ありがとうね」

「いえ……」


ロキは着替えが終わっているのでアランが言えばすぐ出れる状態だった。そんなロキの服を見たレインが、眉根を潜めて口を開く。


「……ロキ・フォンブラウ公爵令息? 今朝と服が違うみたいだけど」

「……あー、揉めたときに濡れたんだ。だから着替えたん」

「それってアビゲイル先生が止めてた廊下の魔道具の件?」


若干食い気味にレインに問われ、ロキは小さく頷いた。

レインが小さく息を吐く。


「初等部入学早々に問題を起こすハメになるなんて、随分狙われたんだね。実技テストの時もちょっかいかけられてたし、いい加減スクルド伯母上に言えば?」

「……それをやったら、彼らの籍が無くなるでしょーが」

「対応がぬるいって言ってんのが分かんないのかな。平民が貴族子弟に危害を加えたってだけで報告に十分な問題だと思うんだけど」

「俺は気にしてないから、別にいい」


一気にロキ相手にまくしたて始めたレインにアランもケビンも、ファビウスと呼ばれた生徒も目を丸くする。ファビウスの後ろにいた2人も驚いてレインとロキを見つめた。


「お前が気にしてるかどうかじゃないんだけど。なに、フォンブラウ公爵家ってお前ひとり守れない程度の家なわけ?」

「いや、そうじゃねーよ、母上たちに話が行っちゃったらオーバーキルになるでしょーが」

「おーばーきるの意味は何となく分かるけど、当然でしょ。グラン商会より規模が小さい商会の会長の息子如きがあれこれしていい程度の立場のやつじゃないんだよ、お前は」


レインはロキを心配しているようだ、となんとなくわかる言葉の端々に、アランはロキが独りぼっちではないとわかって少し安堵する。ロキの友人らしき人物たちがロキと同じクラスに複数いるのは偶然だが、嬉しい誤算でもあったのだ。もっと交友関係を広げてほしいと教員としては思っている反面、レイヴンが危険視する“ロキを何らかの理由で孤立させようとする”行動に対して敏感になっているため、初等部全体でそれなりに見守ってきたはずだった。


今回のようなことが起こる前に、ロキには教員に報告をしてほしかったけれど。

ロキは気にしていないと言い続けている。実際気にしていないのだろうことが分かる表情なのも問題で、それを当然と思っている節があることにきっとレイヴンは気が付いていたのだ。だからあれだけロキについていたのだ。


アランは少しロキ君の状態を嘗めてたな、と内心で独り言ちた。さて、そろそろ流石に止めてやらなくては、と思ったとき、ファビウスが叫んだ。


「何だよさっきからっ、僕がやったことくらい皆やるだろ! なんで()()()()をそんなに気に掛けなくちゃならないんだ! 誰が()()()()なんかの話を聞くもんか! こいつはやられて当然のことをしてきたんだ!」

「ハァ? 君、相当なバカなんだね。ロキが一体いつ裏切ったって? 大体裏切りって何? 君が一体ロキに何をしてあげたっていうの? 入学前に会ったことないだろうし、ロキは君の実家では買い物しないはずだし、入学してまだ2ヶ月くらいなんだけど、クラスすら違うはずなのにいったい、いつ、ロキが、裏切ったって?」


ファビウスの言葉にレインが過剰なまでの反応を示す。ケビンも裏切り者、という強い言葉に眉根を寄せた。


「そ、れは」

「何? 親の言いなり? どうせ親が言ってたことそのまま鵜吞みにして言ってるんでしょ」

「ッな、お前だってこいつに“生まれてこなければよかった”って言ってたじゃんか!」


アランはとっさにロキを見た。ロキはなんてことない顔をしていた。それよりもレインの方が怒りに震えはじめる。


「は……? 僕がいったいいつそんなこと言ったわけ? 流石にめいよきそんも甚だしいんだけど!」

「いーや言った!」

「ファビウス様、それ以上はいけませんって!」

「だめー!」


流石にまずいと思ったらしいファビウスの後ろにいた2人がファビウスを止めに掛かる。呆然としていたケビンを見て、ロキがレインとファビウスの間に割り込んだ。


「ファビウス・ファンベル。俺の事は、好きに言えばいいけど。俺、レインにそんなこと言われたことないぞ。流石に今の言葉は撤回してもらおうか」


保険医がどうしよう、と慌てている中、アランは考えた。今謝らせた方が絶対に良い。ロキは確実に怒っている。激怒こそしていないけれども、本当に、今のうち、というやつだ。


「ちょっとロキ、そんなこと言ってると、彼らつけあがるよ」

「いいよ別に。つけあがったところで先生たちに叩き直されるでしょ。俺のことは好きに言わせとけよ、それで調子に乗って使えなくなったらその程度ってことでよくないか?」

「……それもそうか」

「フォンブラウの方が非情だった!」

「ケビン復活したな」

「流石にな! ていうか、あんなこと言うようなやつが次期会長の商家とか取引止めるわ。兄貴に言おう」

「えっ」


思ったよりもロキ君冷静だったな、ああどんどん話が大きくなっていく、早く決着を付けなければ。アランの頭の中をいろいろな考えが巡る。ケビンの実家とファビウスの実家の関係が変わるのはもう避けられない気もするが。アランはファビウスに向き直った。


「ファビウス君、今の内ならまだ手の打ちようはある。レイン君はロキ君にそんなことを言ったことはないと言っているよ。今の内に謝っておいてね」

「ッ……何も、知らないくせに!」

「知っていると言ったところで信じないでしょう? ほら、ごめんなさいしな」

「……!」


どうしても認められないらしいファビウスがアランを睨む。ロキはレインをベッドに寝かせて、もう大丈夫だから、と言って落ち着けていた。


「……フォンブラウ、流石にちょっとわけわかんないんだけど」

「あー、レオンに事情説明した後にお前らに回す。それまで待ってほしい」

「げ、レオンに知らせてないのかよ……面倒ごとに首突っ込んじゃったかなこれ?」

「面倒というか、厄介事かもな。案外モーリッツ先輩次第かも?」

「兄貴次第かぁ……あれ? フォンブラウ、そのおでこ」

「しーっ」


保険医はベッドに沈んだレインを見る方に専念し、ロキとケビンは少し距離を取って言葉を交わす。ロキとケビンも正直そこまで接点は多くない。強いていうならば、ロキたちが蹴球(サッカー)を昼休みにやっていると偶に一緒にやるくらいである。先日はロキとボールの取り合いになり、こけて怪我をして保健室にロキが連れてきた。その時も保健室に居合わせたレインによって2人して説教されているのを保険医には見られている。


「……ッ、レイン、さま、ごめん、なさい……」

「……もういいよ。とにかく、ロキはウチの一族でもあるんだ。父上に報告はさせてもらうから」

「……」

「まあ待て、レイン君」


アランは苦笑を浮かべつつレインに声を掛ける。


「何ですか、アラン先生」

「そこまでにしといてやってくれないか。この後教員室でしっかり言うから」

「……わかりました」


レインは渋々頷いて、完全にベッドに沈んだ。体調が悪くて来たのは事実のようで、さっきよりも顔色が悪くなっている。ロキは少し心配そうにレインの方を見て、保険医にこれ使い道あったら使ってください、と魔晶石を渡した。


「……自分の心配しなよね、あまちゃん」

「……俺は、ほら。心配しなくても気遣われることになるから」

「そういうこと言ってんじゃないよ」

「まあ、まあ。説教なら後で聞く。体調悪くて来たんだろ、休めよ」

「……くそ、こんな状態じゃなきゃ……」

「はいはい、メルヴァーチ君はもう休もうね」


レインとロキたちの間に身体を割り込ませた保険医と合わせてアランがロキたちを保健室から出して、ほう、と息を吐いた。


「レイン君あんなにしゃべるんだなあ」

「怒らせちゃいましたね。あとで謝らなきゃ」

「レイン君とロキ君は仲良いのかい?」

「いえ、そこまで話したことありませんね。割と俺は寝込みがちだったので」


そうか、とアランは呟き、それじゃ教員室へ行こう、と4人を促す。

小さく、小さく、ファビウスが呟いた。


「……なんで、誰も覚えてないんだよ……」


ロキは目を細めてファビウスを振り返る。


「全員覚えてたら都合が悪いんじゃないの」

「!」

「ああ、悪いけど、俺覚えてないから。でも、君が俺を裏切り者だというなら、俺は君を裏切ったんだろう。幾らでも罵るがいいさ。……でも、あんまり皆に分かるところで俺を貶めるのはやめな。今回の人生楽しめなくなるぜ」


教員室の前、ドアを開けたアランが早く、と4人を促す。失礼します、とファビウスと一緒にやってきた2人は先に教員室に入った。ロキも教員室に入ったところで、ファビウスがロキに掴みかかる。


「お前、お前ッ!」

「誰がお前だロキ様だろうが。大体、今は俺もレインもケビンも、皆、何も覚えてないんだよ、分かれよ。思い出したらまた話聞いてやる、だからそれまで大人しくしてろ。あと俺が気付かないようにやれや! 蹴られたら流石に報告しなきゃいけねえのよ! 自分で自分の首絞めんなこれくらいわかるだろ!」

「無理に決まってんだろ! お前なんか! 殺してやる! お前のせいで、お前が、助けてくれなかったから! 俺の妹も弟も死んだんだよ!」


教員室のドアは閉められ、叫ぶファビウスと宥めつつも声を荒上げているロキの方を見やる教員たちに、アランはすみません、とジェスチャーだけで示した。


「うるせー、お前の弟妹なんぞ今の俺は知らんがな! お前の名前すら名乗られてないから本当は知らないんだぞ! あとさっきから言ってるが、やるなら皆が見てないとこでやれってば! 覚えてない事は謝れないし、お前が罪人になったら俺は謝る機会すら無くなるが!? 俺に頭を下げさせたいんだったら計画的に活動しようね! 俺自分が悪いって分かってる事に言い訳するつもりはないからな!」


ロキが胸倉を掴まれた状態でファビウスに言い募る。きっとロキが言っていることも思っていることも本物だろう。それが分かるから余計やるせないのだろうと、アランはファビウスを見て思うのだ。


アラン・ヴェーリッヒは知っている。この世界がある一定の時間まで回帰することを。ロキ・フォンブラウが回帰前の事を思い出すのはとても稀であることを。ファビウス・ファンベルが(本人の中では)初めて回帰前の記憶を保持していることを。


「ロキ君、覚えてないと言いつつそこまで言えるのがすごいよ君。ファビウス君、ロキ君もこう言ってるし、今は抑えて。現在(いま)はその思いをロキ君にぶつけるにはちょっと、君が不利すぎるから」


ひとまずファビウスを落ち着けなければ話すどころではないな、とアランはファビウスに言葉を掛ける。そのタイミングで戻ってきたレイヴンがこっちへ、と案内した教員室の隣の相談室で、ロキ、ファビウス、他2人と暫く待機していた。


アビゲイルが戻ってきたのはそれから10分ほどしてからで、次の講義は自習としてきました、とアビゲイルが言ったので、ロキは思わず、すみません、と謝罪を口にしていた。レイヴンもアビゲイルもここにいるのである。1組と2組の授業が潰れた、とロキは思ったのだ。


「大丈夫ですよ、フォンブラウ君。ヘンドラ先生にお願いしてきましたので。自習とはいっても、1限だけですから」


ごめんなさい、とあっさり言ったロキにファビウスは目を丸くしていたのだが、ロキはそれには気が付かなかった。悪いと思っているという自覚は大事なことなのである。


この後結局ロキたち4人はアビゲイルとレイヴンに30分ほど説教を受けることになった。

ファビウスは少しロキを気味悪がり始めており、ロキは嫌がらせでも虐めでも、ばれない程度なら受け入れる、と相変わらず笑っていたので、当然ではあっただろう。レイヴンはロキのこの態度に苦笑を零し、アビゲイルはそれはそうときっちり諸々の報告はさせていただきます、と宣言した。


後日、ファビウスの実家であるファンベル商会は、王立学園初等部の水道関係の魔道具という王室所有の財産を破損させたことによる弁償及び賠償、フォンブラウ公爵令息ロキに怪我をさせたとして慰謝料を支払う事となった。ロキは何も言わなかったそうだ。ロキの流血を見たアーノルドとスクルドの暴走が怖かった、と後に語ったという。

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