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フェアレーターノアール  作者: たい焼き
【第一章】十二支連合帝国篇
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【第一章】十二支連合帝国篇Ⅴ-報復ー

 「アザミの花」の幹部、十二神将の一人を撃破した蒼。

 しかし、それで終わりではなく、彼らはすぐに動き始めた。

 先の戦いで負傷して戦えない蒼、そんな中、「アザミの花」の幹部たちが襲撃する。そして、ある人物が先に遂にー!

 ここはとある会議室である。ここには「アザミの花」の幹部である十二神将たちが集まっていた。そして、十二神将全員がテーブルに腰かけていた。

「よし…全員集まったな」

 男の声がそう言った。

「ボス、暗城がいませんが…」

 女性の声がそう言った。

「暗城はやられた。これ私を含め十一人。これより、会議を始める」

 ボスは会議の開始を宣言した。

「それでは、ここに相応しい議題をお持ちの方はいますか?」

 ボスの隣に座っている女性がそう言った。真っ先に手を上げたのは赤島だった。

「赤島」

 女性が赤島を指名すると、赤島はすぐに話し始めた。

「【草薙剣くさなぎのつるぎ】のテスト使用は順調、量産も進んでるぜ。これで、兵士一人一人の兵力もそれなりにできるだろうぜ。報告は以上だ」

 赤島が話を終えると兎咬が手を上げた。そして、それに女性が兎咬を指名した。

「赤島…お前はまだ言わなければならないことがあるだろう。例の「天使」使いについてだ」

 兎咬がそう答えると赤島が欠伸をしながら兎咬に抗議した。

「いや、その話はいいでしょ、別に。次あったら俺が仕留めるって言ったろう?」

「どういうことですか?」

 女性が赤島に問い詰めると赤島はやれやれと手を両手を上げた。しかし、赤島は答えようとはせず、代わりに兎咬が答えた。

「赤島の部下が【草薙剣くさなぎのつるぎ】のテスト使用中に「天使」使いに遭遇し、負傷したとのことです。赤島はそれに割って入ったのですがその天使使いを見逃したのです」

 兎咬はそう答えるとまたしても赤島は兎咬に抗議をした。

「いや、だから俺は部下を逃がすために割って入ったのであって、殺すためじゃない。それにあの少年には俺たちに関わるなと忠告した。それに、次あったら俺が始末するって言ったろ?」

 赤島がそう答えるとボスが口を開いた。

「赤島、お前のその忠告は意味をなさなかったようだ」

 ボスがそう答えると赤島は頭に疑問符を浮かべた。

「どういうことですか?」

 赤島がボスに尋ねる。

「そのままの意味だ。暗城はその「天使」使いに敗れたのだ」

 ボスはそう赤島に告げた。

「マジかよ…あいつそんなに強かったのか…見逃したのは失敗だったな…」

 赤島は他人事のようにそう言った。

「だから、仕留めろとあれほど!」

 兎咬は言うと赤島は右手を頭に置いた。

「悪かったって、俺が見た感じじゃあいつ大した奴に見えなかったからな。まだ子供だったし」

 赤島はそう言うと兎咬はさらに続けた。

「人を外見や雰囲気だけで判断するのが貴様の悪い癖だ!これだからお前は!」

 兎咬はグチグチとそう言った。

「悪かったって、ったく、分かりましたよ…じゃあ、その「天使」使いの始末は俺がやります」

 赤島はそう言うがボスはそれを拒否した。

「いや、赤島、お前は【草薙剣】の量産を進めろ。その天使使いは別の幹部に対処させる。そうだな…雛澤、西森、ロンしろがね、お前たち四人でその天使使いを始末しろ」

 ボスがそう言うと四人はコクリと頷いた。

「他にこの会議に相応しい議題を持っている方はいますか?」

 誰も返事はなかった。そして、ボスの言葉でこの会議は締めくくられた。

「さぁ、私たちの報復を始めよう」


 蒼と慧留は普通に学校に登校しており、二年三組の教室にいた。

「大丈夫かい!?時神君!どうしたんだい?その怪我は!?」

 叫んだのは董河湊だった。

「ああ、ちょっとな…後で話すよ。生徒会室で話したいし」

 蒼は湊にそう言った。

「そうか…分かった。けど、無理だけはしちゃ駄目だよ!」

 湊はそう言うと蒼は不機嫌な顔をした。

「ウルせーよ。クソナルシー」

「その呼び方は止めてよ!何なんだよ!会長といい君といい、何か俺に恨みでもあんの!?てか、心配してくれてる人にその態度はどうなの!?」

 蒼のあまりの言いように湊はたまらず叫んだ。

「そうだよ、蒼。仮にも心配してくれてるんだから…そういうことは言っちゃだめだよ」

 慧留は自分の長い黒髪をいじりながらそう言った。

「お前は俺の保護者か!」

 蒼は慧留に突っ込みを入れた。

「はぁ~。昨日のあなたと今日のあなたが同一人物とは思えないよ…」

 慧留は溜め息交じりにそう言った。

「…悪かったな…」

 蒼はそう呟いた。

「ナニナニ?二人とも昨日の夜に何かあったの?もしかして恋の急展開が…」

「そんな訳ねーだろアホかてめーは」「湊君、喧嘩売ってるの?」

 湊がそう言いかけたが蒼と慧留は湊に対してゴミを見るような目をしながら否定した。というか、慧留の否定の仕方がかなり怖かった。湊だけでなく、蒼も少しビビっていた。

「………もう、帰っていいかな?俺…」

 湊は遠い眼をしながらそう言った。チャイムが鳴り響き、三人はすぐに席に着いた。


 授業が終わり蒼たちは生徒会室に来ていた。そのすぐ後に一夜も生徒会室にやって来た。そして、一夜は昨日の出来事を生徒会メンバーに話した。

「『アザミの花』の幹部と蒼が昨日交戦していたなんて…」

 遥は驚愕の顔でそう言った。

「信じられないよ…そんな奴を時神君一人で倒しちゃうなんて…」

 続いて湊も驚いた顔でそう言った。

「でも、話によるとまだ十一人いるんですよ…気は抜けません…恐らく、この一件で『アザミの花』は警戒を強めるはずです」

 美浪が続いてそう言った。

「けどまぁ、奴らの根城が分かんない以上手が出せないしね~。みんみんが焦るのも分かるけど、こっちはそんなに動けないんだよね~」

 澪は美浪にそう告げた。

「奴らの根城を突き止める方法はあるよ」

 一夜が冷静にそう言った。

「本当か?」

 蒼はそう答えた。

「ああ、だが、僕も準備がある。明日まで待ってくれないか?」

 一夜がそう告げると皆は首を縦に振った。

「しかし、奴らは今日にでもここに来る可能性があるわ…」

 遥がそう言うと蒼が話し出した。

「悪いがしばらく俺は戦えない。昨日の戦いのダメージが結構残ってる。慧留は傷を塞ぐ事は出来ても、体力までは回復させられない」

「ごめんね…」

 蒼がそう言うと慧留は蒼に誤った。

「気にすんな。お前がいなかったら俺はとっくにあの世だったよ」

 蒼が慧留にフォローを入れる。

「相手は『アザミの花』よ。決して油断は出来ないわ。今日から仕掛けてきてもおかしくないわ」

 遥がそう言うと澪が続いて話し出した。

「そうだね~。皆、しばらくはあたしたちで頑張ろ~。相手の戦力は強大、けど、あたしたちも幹部の一人を倒してる。出来ないことはないよ!」

 澪は珍しく気合を入れた話し方をした。

「あれ?何や?これは…」

 美浪はそう呟くと遥が美浪に「どうしたの?」と尋ねた。すると、美浪は答えた。

「このパソコンのサーバー、いえ、この町全体のネットサーバーにウイルスが入り込んでるみたいです。しかも、今もめっちゃ増殖してて…このままやったら町全体に甚大な被害が出ます」

「思ったよりも速かったね…」

 美浪が答え終わると一夜はそう呟いた。

「ああ、恐らく、敵の仕業だ…ネットサーバーを利用しやがったのか!一夜以外はこの状況はどうすることも出来ない…一夜!」

 蒼がそう答えると一夜はすかさず、行動を始めた。

「分かってる。僕の見せ場だね!残念ながら準備は整っていない…この生徒会のパソコンを使わせてもらうよ!このパソコンは汚染されてないみたいだからね!」

 一夜がそう言った瞬間、生徒会室の電気が停電した。

「く、ここも汚染され出したか…だが、このパソコンだけは何とか使えそうだ…」

 一夜が冷静にそう言って、パソコンのコンセントを引っこ抜き、持ってきていたバッテリーを使用した。

「パソコン用のバッテリーを持ってきてたんですね!」

「まぁ、緊急用だがね!蒼と会長はこの部屋で僕のサポートを頼む!慧留ちゃんと湊君と副会長と美浪ちゃんは外の状況を確認してきてくれ!これだけ大掛かりなことをしてくる奴だ。敵が一人とは考えられない!」

 慧留がそう言うと一夜はすぐさま指示出しをした。

「ちょっと待て!慧留を連れ出すなんて危険すぎる!なら、俺が!」

 蒼がそう言うと一夜は反論した。

「慧留ちゃんは回復要員として必要だ。それに、君はダメージが残っている。現状、君に行かせる方が危険すぎる」

「でも…」

 それでも食い下がる蒼だったが、慧留はそんな蒼を静止した。

「大丈夫だよ、蒼。私を…皆を信じて」

 慧留は蒼の眼を見つめてそう言った。

「…分かった。けど、危なくなったらすぐに逃げろ」

 蒼がそう言うと慧留は首を縦に振った。

「じゃあ、行ってきますね。苗木さん」

 美浪がそう言うと他の四人はすぐさま生徒会室を出て行った。



「この町ね」

 雛澤がそう言うと龍が答えた。

「そうみたい…」

「随分な都会じゃねーか」

 龍が答えると西森がそう言った。

「………」

 銀は無言だった。

「じゃあ、計画通り進めましょう…西森」

 雛澤がそう言うと西森が神器を出した。

「ああ、【知恵神(クエビコ)】」

 西森が神器を解放した。西森の神器、【知恵神クエビコ】はコードの形状をした神器であり、それらを町中に張り巡らせた。

「町が発展している場所はネットや機械に頼ってることが多い。西森の使う【知恵神クエビコ】はその電子機能を暴走させる。後、一時間もすればこの町は火の海ね」

 雛澤がそう言うと電柱に火が付き始めた。さらに、町中の家の電気も消え始めた。

「西森は安全な場所に隠れて。私たち三人は件の天使使いを叩く」

 雛澤はそう言って、龍と梶木を連れて西森の元から離れた。

「へっ、この【知恵神クエビコ】さえあれば俺は無敵だ…」

 西森はそう言ってケタケタ笑った。


「さてさてさて…早速始めるよ」

 一夜はそう言ってパソコンをいじり始めた。

「どうするんだ?」

 蒼が一夜に聞くと一夜はすぐに答えた。

「この町のネットサーバーや電子器具はほぼ全て敵に掌握された。だから、その所有権を取り戻す!」

「そんな事出来るの~。相手は神器使いよ、なえきん」

 澪がそう答えると一夜は再び答えた。

「確かに、神器とこのパソコンではスペックはまるで違うだろう…普通の車とレーシングカーぐらいの差はあるね…けど、強力な武器を使っても、達人の使う小石に負けることだってある。要は力量次第で力の差はある程度埋められるのさ」

「ふ~ん」

 澪は適当にそう言い流した。すると、生徒会室のドアを突き破り、大量の電子器具が出てきた。

「おい、一夜!!来たぞ!」

 蒼がそう言った瞬間、電子器具の動作が止まった。

「よし!この学校のネットサーバーと電子器具の所有権は取り戻した!」

 一夜がそう言うと澪は驚いた顔をした。

「神器の力に、一般人が勝てるなんて…」

「生憎、ただの一般人じゃないんでね…僕は。とは言え、これは一時凌ぎに過ぎない…手を緩めるとまた、所有権を奪われる。だからと言って、このままじゃあ、スペック差に押しつぶされて負けてしまう…よし、蒼、僕の身体頼んだよ!」

 一夜がそう言うと蒼が首肯した。

「分かった。だが、無茶はすんなよ!」

 蒼がそう言うと一夜は両手でパソコンに触れた。その瞬間、一夜の身体から電流が走り、一夜はそのまま倒れた。

「どうなってるの!?これは…」

 澪がそう言うと蒼は話し始めた。

「一夜はちょっと今は死んでるけど大丈夫だ。精神はパソコンの中にいる」

「どういうこと?」

 澪が蒼に問いかけると蒼は更に続けた。

「一夜は精神を電子化して、電子器具に潜り込むことが出来るんだよ。その能力を使って、色々情報を手に入れたりとかしてんだ。けど、この一夜の能力は使っちまうと本体が無防備になるからあまり使いたがらないんだよあいつは。けど、電子化したアイツの基本能力は格段に上がる。生身のあいつはほとんど何もできないけどな。電子系全てがアイツの領域テリトリーだ」

 蒼がそう言うと澪は驚きの顔をした。

「こんな異能を使える人間は見たことがないわ…霊呪法以外の異能を使える人間は何人か見てきたけど…こんな特殊性の強い能力を…」

 澪は驚きの表情をしていた。

 澪は今まで異能を使う人間には何度かあったことがあるが一夜の様な精神を電子化させる能力を使う者と会ったことがない。

 それ故に澪はかなり驚いていた。

 澪と蒼は一夜の身体をずっと見ていた。


「何だ?妨害を受けてるのか?まさか、俺の神器に対応できる奴がいるとはな…」

 西森は一宮高校のネットサーバーおよび、電子器具の所有権が奪われたことを察知し、驚きの表情をしていた。

「まぁ、いい。すぐに排除すれば済む。【知恵神クエビコ】!」

 西森がそう言うと西森の周囲のコード状神器【知恵神クエビコ】が光り輝きだした。

「これで、終わりだ」

 そう言って、西森は満足げな顔をした。

 【知恵神クエビコ】は電子空間を汚染する神器である。現代社会は魔族の力が台頭することになったとはいえ、それ以前の人類は科学が盛んであった。ネットワークもそのうちの一つであり、今の人類の間でも大きく貢献している。

 【知恵神クエビコ】は一見、地味な能力であるように思えるが、情報の山であるネットワークが汚染されるのは大打撃をこうむることになる。

 戦いに限らず、情報はとても大きい武器となる。この世界は一つ一つが情報であり、それを上手いこと使うことで人類は発展してきた。

 その情報を汚染することはかなり手痛いダメージを負うことになる。

 西森は今もなお嗤い続けていた。


「無事に電子空間に入れたか…さて、ここからだね」

 一夜はそう呟いた。電子空間は青に包まれた世界である。特に何がある訳でもなく、あるとすれば至る所に線のような模様があり、それを通じて電気が流れてるくらいである。

「さてと、とにかくコアを探そう。ここにあまり居座り続けるのも怖いし」

 そう言って一夜は光速で電子空間を駆け巡った。この電子空間は自身を電子化させているため通常の何倍ものスピードを出すことが可能である。一夜が進み続けていると機械の集合体がやって来た。

「なるほどね…あれがウイルスか。さっさと倒そう。霊呪法第二九七番【雷光陣らいこうじん】」

 一夜が霊呪法を唱えた瞬間、ウイルスの下から雷が発生し、一瞬でウイルスを粉微塵にした。一夜も一応霊呪法が使えるが雷系統の霊呪法しか使えない。

「ふう…」

 一夜が息をつくのも束の間、すぐに大量のウイルスがやって来た。

「マズいねこれは…。霊呪法第三六七番【雷刀千本花らいとうせんぼんか】」

 一夜が霊呪法を唱えると、一夜の周りから雷の刃が発生しウイルスを貫いた。

「全部倒せたか。しかし、あまり長居は出来ないね」

 取り敢えず一夜の周りにいるウイルスは全滅させたが、恐らく増え続けるだろう。それをさせないためにコアを探さなければならない。

コアとは電子空間にウイルスを発生させている根源の事を言い、これを破壊しなければウイルスは増え続ける。

「霊呪法第五番【綴電子音つづりでんしおん】」

 一夜が霊呪法を唱えると一夜の周囲に微弱な磁場が流れた。そして、南南東5キロメートル先に磁場が反応した。【綴電子音】は周囲の強力な電気や磁場を探知できる。

「この強い磁場…あそこか」

 そう言って、一夜は光速で南南東に向かった。身体を電子化させて高速移動をした。

 そして、一瞬で目的地に辿り着いた。すると、目の前には強大な丸い物体があった。

「あれが今回のコアか…僕が今まで見た中で一番でかいね…さて、どうしたものか」

 そう言っているとウイルスがコアから大量に出てきた。数は軽く数千を超えていた。

「うわっ!いくらなんでも多すぎる…ここは一旦…」

 そう言いかけた瞬間、一夜は完全にウイルスに囲まれてしまった。そして、ウイルスからレーザービームが照射され、一夜の腹部を貫いた。

「くっ!これが神器の力か!マズい!霊呪法第三六七番【雷刀千本花】!」

 一夜が霊呪法を放つがコアはおろか、ウイルスにすらダメージが無かった。

「何だって!?まさか、僕の霊呪法を学習して対策したのか?何て処理能力の速さなんだ!」

 一夜に再びレーザーが飛んでくる。右手、左足、次々と一夜の身体をレーザーで貫いていく。電子化してるとは言え身体の構造自体は人間とほとんど変わらない。急所を突かれたら致命傷になるし、死にも至る。このままでは一夜はジリ貧だ。

 このコアは一度見た能力を学習する高度な学習能力を備えている。つまり、同じ攻撃を二度喰らわないということである。何とも厄介な力だ。

「速く済ませるか…」

 一夜はそう言うとコアを見つめ始めた。攻撃を躱しながら、ずっと見つめていた。そして、一夜の頭にコアの情報が流れだした。

 -名前は【知恵神クエビコ】。一度受けた技は学習する高度な学習能力…所有者は西森叡にしもりえい…解除コードは…

 一夜の眼は【電子人の眼】を持っている。この眼は見つめたものの電子器具の情報を読み取ることが出来る。一夜のハッキング技術が高いのはこの眼によるものなのである。

 勿論、一夜自身の技術も高いのでこの力を十二分に発揮できるのは一夜だけであろう。

「必要な情報は手に入った。やっぱり、神器の創りだしたコアでも解除コードは存在した。まぁ、普通に考えて当たり前だけど」

 一夜はこのコアにも解除するためのコードがあることを確信していた。何故なら、危険な物であればあるほどそれを止めるための策を作る必要があるからだ。

 でないと、万が一装置が暴走した場合、その装置が自滅する可能性がある。それは神器も同じだ。

 一夜はすぐさま、コアの元に向かった。ウイルスの攻撃を躱しながら、そして、コアに触れ、解除コードを入力した。すると、コアの稼働は止まった。そして、ウイルスも消滅した。コアとウイルスの停止を確認すると一夜は両手を離し、一息ついた。

「ふぅ、終わったか。さてと…最後の一仕事だ」

 そう言って、再びコアに両手で触れた。


「馬鹿な!?神器の機能が停止しただと!?」

 西森は驚愕の顔をして呟いた。街の停電は復旧し、電子器具も元の状態に戻っていた。

「在り得ない…一体誰がこんな…」

 西森がそう言うと神器から声が聞こえた。

『もしも~し!聞こえてますか~、西森叡さん!』

 声が聞こえた瞬間西森は驚き、質問をしてきた。

「てめぇ!何で俺の名を!何もんだ!」

 声はすぐさま答えた。

『僕は苗木一夜だ。君の神器がこの町に多大な被害を及ぼしたのでね。こちらで処理させてもらった』

「何…だと…」

 西森は驚愕の声を漏らした。

『神器の力を過信するあまり、隙だらけだったよ。おかげで想定より楽に対処できた。君自身が大したことなくて良かったよ。っと、こちらから質問をさせてもらうよ…「アザミの花」の本拠地はどこだい?』

 一夜が西森に質問をしたが西森は答えなかった。

「馬鹿が!情報をこの俺が漏らす訳がないだろ!」

『なるほど…情報の大切さがわからないほど馬鹿ではないという訳か。正直見くびっていたよ。でも、今君がいる場所はもう分かっているんだ。三丁目の街にある公園の岩陰に隠れてるよね?場所が特定されたんじゃ逃げられないね。情報を吐く気が無いなら捕まってもらうよ』

 一夜がそう言うと西森は逃亡しようした。

『逃がさないよ…霊呪法第二九四番【雷刀時雨らいじんしぐれ】』

 一夜が霊呪法唱えると空から雷の刀が降ってきた。

「ぐああああああああああああああああ!!!」

 西森は【雷刀時雨】をモロに受け気絶した。


「ふぅ~。何とかなったね」

 電子世界から脱出し、元の身体に戻った一夜がそう呟いた。

「何か情報を聞き出せたか?」

 蒼が一夜に聞く。一夜はそれに答えた。

「いいや、情報は得られなかった。だが、直に身柄は拘束されると思うよ」

「そうか。これでまぁ、一段落だな」

 蒼がそう言うと澪はそれを否定した。

「いいえ、まだ敵は残っているわ。安心できないわ」

「そうだね、この街の状況を調べたが敵はあと三人ほどいる」

 一夜がそう答えると蒼は生徒会室から出て行こうとする。

「どこに行く気だい?」

 一夜が蒼を呼び止めると蒼が立ち止まり自分がこれからしようとしていることを話した。

「あいつらを助けに行く。敵が多すぎる…俺が行かねーと」

「うん。そだね。じゃ、あたしが行くよ」

 蒼がそう答えると一夜と蒼は驚いた顔をした。

「だけど…」

 蒼がそう答えると澪が話し出した。

「君はまだ傷が治りきってないでしょ。それじゃ危険だよ。私は一応、この学校の生徒会長だからね。あなたたちを守らないといけない。そう…守らなきゃ…ならないんだよ」

 澪は力強くそう言った。一夜は黙ったまま無表情だった一方で蒼は驚きの顔をしたままだ。

 しばらく沈黙が続く。その時蒼の後ろから声が聞こえた。

「うんうん、泣かせるわね~。あたしも混ぜてよ!」

「「「!!」」」

 三人は驚き声の場所に振り向いた。声の主は若い女性だった。髪は黒髪で一本に括られている、少女だった。

「まさか、敵から来てくれるとはな…」

 蒼はそう言って刀を取るが激痛で動きを止めた。

「アオチーはなえきんを連れて逃げてー。あたしがこいつ倒すから」

 澪がそう答えるが蒼はそれに反対した。

「駄目だ、ここは三対一で…」

「今の君じゃ足手まといだよ。なえきんもめちゃしんどそうだし。あたしに任せて」

 澪が答えると蒼は黙り込んだ。

 確かに今の蒼では足手まといの可能性が高かった。さらに、一夜も先ほどの戦いでかなり消耗しておりとても動ける体力は残っていなかった。

「無茶しないでくださいよ」

「あたしは会長様だよ~。最強なんだから」

 澪が高らかに答えると蒼は一夜を連れて逃げた。

「逃がさないわ」

 すぐさま雛澤は蒼と一夜を追いかけようとするが、澪によって止められた。

「君の相手はあたしだよ。テロリスト君」

「なるほどね…」

 雛澤は神器を取り出し、澪と向かい合った。


「何か雷みたいなのが見えたけど向こうで何かあったのかな?」

 湊がそう答えると美浪は「さぁ…」と言った。今、慧留と遥と美浪、湊はこの街に忍び込んだアザミの花の幹部を索敵していた。周囲は非難を済ませており、人はいない。

「とにかく、速く急ぎましょう!」

 遥が言うと突然目の前に人影が現れた。

「………」

 男は無言だった。見た目は目隠れした黒髪に不気味さが漂っている青年だった。

「どうやら、お客様みたいね」

 遥がそう答えると相手は突進してきた。

「うあああ!」

 湊はそれを叫びながら躱した。他の三人も躱したようだ。

「鎧のような神器…」

 美浪がそう呟いた。

「我、アザミの花十二神将、銀一山しろがねいちざん

 銀は古風な話し方で名乗った。銀一山と名乗るその男は全身が甲冑で覆われていた。恐らく神器だろう。

「ここは私と湊さんで何とかします!二人は別の敵を!」

「え!?俺も!?」

 美浪がそう言うと湊は自分を指さしてそう言った。

「分かったわ。それじゃあお願い!」

 遥はあっさり了承した。

「ええ?いいんですか?」

 慧留は遥に質問する。

「大丈夫。あの二人ならね。それより、すぐ先に別の敵がいるわ」

 遥がそう答えると慧留が驚いたような顔をした。

「さすがにすごいね」

 慧留の数メートル先から声が聞こえた。そして、人影が近づいていき、ようやく全貌が視認できた。頭は癖毛でふさふさしており、気だるげな印象を持つ男だ。

「あなたは何者?」

 遥が敵に尋ねると敵は答えた。

「十二神将の龍王天ロンワンティエン

「一宮高校生徒会副会長音峰遥よ」

 龍が名乗ると遥も名乗った。

「日本人って変わってるね。相手の名前を答えると自分も答えるなんて」

 龍が不思議そうにそう言った。

「それが流儀だからね。あなた、名前からして日本人じゃないわね。中国系の妖怪ね」

 遥がそう言うと龍は疑問を抱いた。

「名前からして僕を中国人と判断するのは分かるけど、どうして妖怪だと思うの?」

 龍が遥に尋ねると遥は答えた。

「アザミの花は人間に迫害を受けた魔族…特に妖怪で構成されているわ。色々調べてね…十二神将全員が妖怪であることは知ってるわ」

「なるほど。結構こっちの情報は掴まれてるんだね…これは速く始末しないと厄介だ」

 遥が答えると龍はそう答えた。

「悪いけど、すぐに終わらせてもらうわ!【嵐凱昂衝らんがいこうしょう】!」

 遥が霊呪法を唱えると水と風で出来たトルネードが発生し、龍を襲う。

「詠唱破棄だけならまだしも呪法番号なしで霊呪法を唱えるなんて…これは僕、はずれを引いたっぽいね」

 龍がそう言うと遥は龍の台詞に訂正を入れた。

「違うわねあなたたちが私たちを敵に回した時点であなたたちの運は尽きていたのよ!」

「へぇ、強く出たね!」

 遥が言うと龍は先ほどにような落ち着きは消え、高揚した顔をした。【嵐凱昂衝らんがいこうしょう】が龍を飲み込む。そして、トルネードは更に勢いを増し、周囲の家も飲み込んだ。

「やったかしら?」

 遥が呟く。そしてー

「行くよ。【嵐天罰オオワタツミ】!」

 龍が神器の名を呼ぶと空中から姿を表した。全身が水と風で覆われていた。そして、両手には手裏剣のようなものがあり、背中にも背負われていた。恐らくあれが【嵐天罰オオワタツミ】の神器の本体だ。

「その背中についてる大きな手裏剣が神器の本体みたいね」

 遥は瞬時に状況を把握し、そう答えた。

「うん、そうだよ。強いだけじゃなく、感もいいんだね」

 龍は感心したように答え、更に続けた。

「そう、僕の神器【嵐天罰オオワタツミ】は手裏剣の神器で嵐の神器さ。僕の身体はその嵐の力によって包まれている」

「厄介な能力ね…」

 龍が能力を解説していると遥は面倒くさそうに呟いた。

「さぁ、行くよ!【水流刃すいりゅうじん】!」

 龍が技を放つ。【水流刃すいりゅうじん】は風の力によって水の切れ味を上げる技だ。水の刃が遥に襲い掛かる。

「【瞬天歩しゅんてんぽ】!」

 遥は再び霊呪法を唱えた。【瞬天歩しゅんてんぽ】は霊呪法の数少ない高速移動の技だ。しかし、【水流刃すいりゅうじん】は遥に追尾してくる。躱しても躱しても水は離れない。どころか、水の勢いは増している。

「その水はは相手を切り裂くまで追尾ホーミングを続けるよ!防ぎきれるかな?」

 龍がそう言うとさらに水は勢いを増した。このままではマズい。

「【霊呪法二一四番【虚神きょじん】!」

 遥が霊呪法を唱えると遥の周りに巨大な盾が出現し、水を防いだが、完全には防ぎきれず、遥の肩を切り裂いた。

「っつ!」

 遥は呻き声を上げると龍は更に攻撃してきた。

「【風魔手裏剣ふうましゅりけん】!」

 龍は両手の手裏剣を投げつけた。手裏剣の速度は尋常ではなく、遥に直撃した。

「ぐわあああ!」

 遥は叫びの声を上げ、地面に叩き落された。先ほどの手裏剣で両方の肩を切り裂かれた。

「勝負ありかな?じゃあ、止めを刺そうか」

 勝利を確信した龍は止めの一撃を放とうとしていた。周囲の空が曇り、そこから風と水が集まっていた。

「【大裂空砲だいくうれんほう】だ。相手が誰であろうと油断はしない。終わりだよ」

 【大裂空砲だいくうれんほう】が発射された。天候を操るほどのその神器の力の奔流は遥に放たれた。風と水で出来たその力は瞬く間に遥に直撃した。しかしー

「ああああああああああああああああ!!!」

 遥が叫ぶと遥から音波が飛び出し、【大裂空砲だいくうれんほう】を相殺した。

「な…一体何がどうなって…」

 龍は驚愕の表情を浮かべていた。

「私の能力よ。私は音術サウンドウェポンを使うの。流石に今のはこのヘッドホンで音の力を増大させてなかったらヤバかったわね。流石は神器の力。とんでもないわね」

「そんなバカなことが…あるかああああああああああああああ!!」

 龍は完全に取り乱し、嵐を発生させ、遥めがけてぶち込んだ。

「【音叉咆哮ノイズブレス】!」

 遥から極大の音波が発生し、嵐を粉砕した。

「嘘…だろ?」

「【ヘッドホンミサイル】!」

 龍が絶句していると、遥はミサイルを模った音波を飛ばした。その音波の威力は凄まじく龍の身体に当たった瞬間爆発を起こし、龍の神器の鎧を一瞬で吹き飛ばした。

「ぐわあああああああああああ!!」

 龍が悲鳴を上げた。音のミサイルが爆発し、煙が発生していた。すぐに煙は消え、龍の姿が見えた。龍の全身はボロボロだった。体中は火傷のような傷でただれており、ほぼ瀕死の状態だった。

「はぁ、はぁ、はぁ……」

「もう諦めなさい。あなたの負けよ。このまま抵抗しないなら命は保証するわ。これ以上抵抗するなら…手加減できないわよ」

 遥が降参を促すが龍は聞き入れなかった。

「ここで…負ける訳にはいかない!ボスにも顔向けできない!これで決着を着ける!【風魔極大手裏剣ふうまきょくだいしゅりけん】!」

 龍は遥に最後の技を放った。自身の背中についていた巨大手裏剣だ。その手裏剣が周囲の風を取り込み今までで一番の嵐を発生させた。

「【ヘッドホンブレス】!」

 遥は今までの中で一番巨大な音波を発生させた。その音波によって、龍が発生させた巨大竜巻は消し去った。しかし、嵐は消せたもののその中にあった手裏剣が遥の頭めがけて飛んで行った。嵐の発生源であった手裏剣は消せていなかったのだ。

「はははは!残念だったね!中の神器は無事だ!神器が無事なら再び嵐は発生する!終わりだ!」

 龍がそう言うと手裏剣から再び嵐が発生していた。だが、遥は冷静だった。

「ごめんね。あたしの勝ちよ」

 遥がそう告げた瞬間、手裏剣型神器【嵐天罰オオワタツミ】が粉々に砕け散った。砕け散った破片が小さな風となり、遥の身体を切り裂いたが大した威力ではなかった。

「馬鹿な!神器を砕くほどの音波だと!?そんなものが!」

「驚くより自分の身体を心配した方がいいわよ。あたしの攻撃、あなたに届いてるから」

 龍が動揺していると遥がそう告げたすると、龍の腹に巨大な風穴が開いた。そして、龍の口から血が出てきた。無論、腹からも大量の血が出てきていた。

「そ…ん…な……」

 龍はそう言いながら地上に落ちていった。そして、龍は頭の中でアザミの花のリーダー「天草屍あまくさしかばね」との出会いを思い出していた。


 子供の頃の話だ。龍はゼンと呼ばれる妖怪だった。当時の龍は十二支連合帝国に住んでおり、両親は病で失くし、一人で生きてきた。

 ゼンと呼ばれる妖怪は早世の妖怪である。

 生まれた瞬間は美しい羽根を持って生まれるがそれが毒に変わり、自らの命を蝕むのだ。両親も自らの毒で病に侵され亡くなったのだ。

 さらに、不幸なことに幼かった龍は翼の出し入れが出来ず、常に翼が出っぱなしだった。それが理由で龍は人間に迫害を受けてきた。そうしていく内に龍の心がすさんでいった。

「あいつの羽根気持ち悪りーな。これでも喰らえ!死ね!死ね!」

 そう言うと龍は石を投げつけられた。色んな方向から。それだけでは飽き足らず色んな人の罵詈雑言が聞こえてくる。


      【死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね】

 【死ね死ね死ね死ね死ね】  【消えろよ】       【死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね】

【消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ】   【お前なんか生きてる価値もねーんだよ!さっさと死ね】

 【気持ち悪い羽根】      【気味悪いよね】    【魔族は敵だ】


 そんな言葉が龍の心を抉っていた。絶望しかけていた。そして、全てに諦めたかのように眼を閉じた。

 その時、周囲にいる人間は全員血まみれで倒れていた。

「綺麗な羽根だね」

 そんな声が聞こえた。自分の羽根を褒められたのは両親以外で初めてだったので龍は驚き、上を向いた。そこにいたのは一人の青年と一人の少女だった。

「こいつらは愚かだ。自分の立場を弁えず、自身より弱いものを陥れ、楽しんでいる。クズどもだ。こんな奴らは生きている資格はない」

 男はそう答えた。そして、龍に手を伸ばした。

「俺は天草屍。こっちは蛇姫薊へびひめあざみ。俺たちと行こう。この世界は…間違っている。俺たちで変えるしかない」

 屍はそう言い、薊も首肯した。

「魔族が人間に迫害される世界…そんなものは間違っている。私たちと共に行きましょう」

「僕で…いいの?僕は…」

 龍がそう答えると屍は答えた。

「いいや、君だからこそだよ。俺も君と同じだから、君の力が必要だ。さぁ!」

 龍は自分の手を伸ばし、屍の手を掴んだ。その手はとても暖かくて、心地よかった。そして、屍は優しい笑顔を浮かべた。


 遥は龍のすぐ近くに走った。身体に大穴が開いてはいるが、魔族は人間より頑丈だ。この程度では死なないと遥は思っていた。

「ぼ…くは…ここまでか。天草…さんの役に…立てな…かったなぁ…」

 龍がそう言うと遥が龍に質問をした。

「その天草ってのがあなたたちの親玉?」

 しかし、龍は答えなかった。そして、遥の質問に関係の無いことを語りだした。

「僕は…ずっと…一人で…居場所が…無くて、石を投げ…つけられて、罵声を…浴びせ…られて…孤独だった。辛かった…悲し…かった…そんな時…、天草さんが…僕を…救ってくれた…居場所が…出来た」

 遥は龍の隣に座り込み龍を見据えていた。

「何だよ…その眼は…憐みの…つもりか…?お前も…同じだ…魔族だからって…相手を貶める…人間だ…」

 龍がそう言うと遥は話し始めた。

「あなたはずっと苦しんできたんのね。そして、自分が出来た居場所の為に戦ってたのね。あなたの言うことは事実よ。人は魔族に迫害をしてきた。そんな人間が多いのも事実だと思う。あなたたちのような人たちが現れて当然だと思う。けど、あたしは知ってる…魔族と人間は共に歩めることを」

 遥はそう言いながら、蒼や慧留、美浪の顔を頭に浮かべていた。

「そんなこと…出来る訳…がない…僕は!」

 龍は話すことをやめなかった。しかし、それでも遥は語り続けた。

「あなたたちのやってることは自分で自分を貶めてるだけ…それじゃあ何も変わらない!あたしは…」

 龍は遥の言葉に聞く耳を持たなかった。

「ふざけるな…ぼ…くは…」

 龍は身体を起こそうとした。しかし、立ち上がるだけの力が無かった。龍が再び倒れこむ。すると突然、龍の背中から虹色の翼が生えていた。

「綺麗…」

 遥は無意識にそう口にした。龍は目から涙が出てきた。何故なら、親と屍以外にこの羽根を褒めた者はいなかったからだ。

「君は綺麗だというのか…僕の翼を…」

 龍がそう尋ねる。

「ええ、すごく綺麗よ、とても」

 遥は龍を慈しむようにそう言った。龍はその遥の眼を見て嘘は無いことを確信した。

「そうか…」

 -もっと速くに…君のような人間に出会えていれば…良かったのかな?

「僕は…もう…死ぬ…でも…君のような人間に…出会えたのは…不思議と…嬉しく思うよ…何かの縁…なのかな?」 龍がそう言うと遥は自分の手を龍に手を添えた。

「あなたの思い…願い…受け取ったわ。後は…任せて…」

 遥はそう言って涙を流した。自分の為に泣いてくれることがこんなに嬉しいことだなんて、龍は知らなかったのだ。

「うん、君のやり方を見せてもらうよ…音峰遥…」

 -さようなら…屍さん…

 龍の身体は羽根になり、霧散していった。

「龍、あなたの思い…絶対無駄にしないわ」

 遥は前を向き、その先を見据えた。


 To Be continued

 フェアレーターノアール十二支連合帝国篇Ⅴを投稿しました。

 蒼君全く活躍しませんでしたね(笑)主人公なのに…

 とうとう、一夜パイセンが活躍しました。カッコいい!後、強キャラ感を出してた遥の活躍もありましたね。

 今回のこの十二支連合帝国篇も中盤戦に入りました。まだまだ続きます。お楽しみに

 それではまたお会いしましょう!!

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