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フェアレーターノアール  作者: たい焼き
【第三章】USW進攻篇
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【第三章】USW侵攻篇ⅩⅤー時の王と傲慢者(スプレビア)ー

 蒼は上空に浮かぶスープレイガに接近した。スープレイガはすぐさま剣で攻撃を防いだ。スープレイガの使用する【悪魔ソロモン】だ。

 スープレイガの【悪魔ソロモン】は柄が金色であること以外は普通の剣と変わらなかった。しかし、その剣は光を放ち、その光が蒼を穿っていた。


「っ…」

「どうした?そんなもんか?」


 蒼はスープレイガの光の一撃が肩にヒットした。そこまではダメージは無かったが、芳しい状況ではなかった。

 蒼は【氷水天皇ザドキエル】で氷を発生させた。さらに、【黒時皇帝ザフキエル】で黒い衝撃波を放った。

 スープレイガは氷を切り裂いたが黒い衝撃波を防ぎきれなかった。スープレイガもまた、肩にダメージを負った。


「振り出しだな」

「…面白い!」


 蒼がスープレイガを煽るようにそう言うとスープレイガは目を輝かせた。その後も二人の攻防は続いた。


「【黒閃光オスキュラス・レーゼル】!」


 スープレイガは【黒閃光オスキュラス・レーゼル】を放った。蒼は【黒時皇帝ザフキエル】でそれを切り裂いた。

 しかし、切り裂いた先にはスープレイガはいなかった。既に、スープレイガは蒼の後ろに回り込んでいた。


「!」


 蒼はスープレイガの気配に察知し、【氷水天皇ザドキエル】で攻撃を防いだ。二人は激しい区抽選を繰り広げていた。


「まだだ!」


 スープレイガは剣を振り回し、光の刃を発生させた。


「【光刃刀ルクスラミーネ】!」


 光の刃が蒼を襲う。しかし、蒼は【聖雨ハイリッヒレーゲン】で迎撃した。

 蒼は体勢を立て直し、再びスープレイガに突撃した。スープレイガはまた、蒼の後ろに回り込んだ。しかし、蒼はその攻撃を防いだ。


「一つ聞きたいことがあるんだが?時神」


 スープレイガが蒼の刀と刃を交えながら蒼に尋ねた。


「…何だよ…?」

「お前、何の為にここに来たんだ?」

「んなもん決まってんだろ!慧留を助ける為だ!」

「あのお姫様を?お前は戦いに来たんじゃねーのかよ?」

「そんな訳ねぇだろ!」

「いや違うね…お前は戦いに来たんだ。お前は俺と戦う事を心のどこかで臨んでいた…違うか?そう言う考えがある時点でお前は戦いを求めてんだよ…」

「な…!?」


 蒼はスープレイガに心の中を覗かれた気分になった。蒼は慧留を助けに来た。それは紛れもない事実だ。 だが、スープレイガとの戦いの決着を…ドラコニキルとの決着を…慧留を攫った「USW」と戦わなければと蒼は思っていた。

 そう、蒼はスープレイガやドラコニキルと決着をつける事を望んでいたし、「USW」と戦う事も望んでいた。慧留を助けるというのはそのきっかけに過ぎないのかもしれない。


「ふ…心当たりがあるって顔だな…嬉しいぜ…時神!!」


 スープレイガは蒼の刀を弾いた。さらに、自分の剣で蒼に切りつけてきた。蒼はそれを全て捌いていた。


-く…攻撃速度が速い!本来なら二本刀を持ってる俺の方が手数が多いはずなのに!


 蒼はスープレイガの刀の速さに対応しきれていなかった。スープレイガは攻撃速度がかなり速い。それによって、蒼は攻撃を受け流しきれていない。


「はあああ!!」


 スープレイガは蒼の身体を軽く切り裂いた。蒼は紙一重で直撃は避けられていた。


「くそ!」

「まだだぜ、時神、俺が戦いたいのは…「今のお前」じゃない!速く見せろよ!【第二解放エンゲルアルビオン】!!見せる気がねぇってんなら…こっちから行くぜ!!」


 スープレイガはそう言って空中から降りた。そして、砂漠の大地に足を着いた。空は青空であり、目を背けたくなる程に太陽が輝いていた。


-来るか!?【悪魔解放ディアブル・アーテル】!


 蒼は空中で身構えた。一方、地上にいるスープレイガは刀を腰の位置まで下げ、自身の【悪魔ソロモン】の名を呼んだ。


「煌々と照らせ!【黄金汪魔ルシファー】!!」


 スープレイガは剣を上に振り上げた。すると、スープレイガから光の柱が発生した。


「………」


 蒼は様子を見ていた。やがて、スープレイガの姿が現れた。


「な!?」


 蒼は絶句した。スープレイガの姿がかなり変化していたからだ。体中には金色の薄い鎧が纏われており、四肢は鋭利な刃物のような鋭い爪が生えていた。

 さらに、髪は伸びており、地面に髪が付きそうな勢いであった。頭には金色の王冠の様なものがついていており、牙も生えていた。悪魔の尻尾は確認できたが翼は確認できない。

 蒼はスープレイガの変化に驚いていた。解放前は金髪のリーゼントであったが、今は金色というのは変わっていないがリーゼントではなくなっていた。

 それはまるでジャングルを駆け巡る、トラのようにもライオンのようにも見えた。蒼は【悪魔解放ディアブル・アーテル】を何度か見てる。

 変化には個人差が大きいというのも知ってはいるのだが、それでも、スープレイガの変化は驚きであった。だが、蒼がスープレイガに驚いていたのは姿が変わったというだけではない。


-野郎…なんて魔力だ。


 そう、魔力の上昇が半端じゃなかった。解放前とは比べ物にならなかった。これが『七魔王セブン・ドゥクス』の【悪魔解放ディアブル・アーテル】。

 スープレイガは蒼を見た瞬間、姿が消えた。すると、蒼の目の前にスープレイガはいた。スープレイガは蒼を蹴り飛ばした。


「!!」


 さらに蹴り飛ばした先にはもう、スープレイガが先回りしていた。スープレイガは蒼を地面に蹴り飛ばした。

 土煙が舞い、蒼の姿は見えなくなっていたが、スープレイガは蒼の姿を自身の探知能力で補足しており様子を見ていた。


「どうした?そんなもんじゃねーだろ?出て来いよ」


 蒼はスープレイガの後ろを取り、【黒時皇帝ザフキエル】をふり、黒い衝撃波を打った。


「【黒刃葬破シュバルツ・シュベート】!!」


 スープレイガはあっさり、【黒刃葬破シュバルツ・シュベート】を薙ぎ払った。


「こんなもんかよ!!」


 スープレイガは蒼に猛攻を加えた。蒼はスープレイガのあまりに早すぎる攻撃速度についていけていなかった。蒼は地面に再度吹き飛ばされてしまった。


「がはっ…」


 蒼は立ち上がった。しかし、全身はボロボロであり、血が噴き出していた。スープレイガはお構いなしに、蒼に突撃した。


「霊呪法第八〇〇番【氷零双翼刃ひょうれいそうよくじん】」


 巨大な氷の刃翼が発生し、スープレイガを捉えた。


「何!?」


 スープレイガは氷の刃翼によって、吹き飛ばされた。


「待たせたな…スープレイガ…見せてやる…俺の……【第二解放エンゲルアルビオン】だ!」


 蒼は【第二解放エンゲルアルビオン】を発動した。そして、蒼の身体から黒い霊力の奔流が発生し、蒼を包んだ。


「ようやくか…」


 【氷零双翼刃ひょうれいそうよくじん】から抜け出したスープレイガがニヤリと嗤いそう呟いた。











「時神君。君は【天使エンゲリアス】の力を理解しきれていない」


 厳陣そう言った。蒼は意味が分からないといった表情をしていた。


「エンゲ…?何だそりゃ?」

「【天使エンゲリアス】だ。君は「天使」と呼んでいたかな?【天使エンゲリアス】が本来の名前だ」

「へぇ~」

「いいかい、時神君。【天使エンゲリアス】は本来、魂の一部を切り取り、力と変えるものだ。その魂の媒介は一人につき一つ、これは絶対だ。君のように異なる【天使エンゲリアス】を持つ天使は一人もいない。同じ【天使エンゲリアス】を二つ以上形になっているのならば話は別だが…君のその【天使エンゲリアス】…片方は誰かからのもらい物だね」


 厳陣がそう言うと蒼はバツが悪そうな顔をした。


「そう…です…【氷水天皇ザドキエル】が俺の本来の【天使エンゲリアス】です。【黒時皇帝ザフキエル】は貰ったんです、ある人から。すみません、これ以上は話せません」


 厳陣は蒼に気を使い、それ以上は言及しなかった。


「【天使エンゲリアス】は本来、その所有者でなくては扱えない。君は非常にイレギュラーな存在なんだよ」

「イレギュラー?でも、俺、【黒時皇帝ザフキエル】の力は普通に使えているぞ」

「まぁ、待て、【天使エンゲリアス】は自身の魂を切り離したものだ。意思がある、対話をすれば、何か分かるかもしれん」

「どうやって、入り込めばいいんだ?」

「私はきっかけを教える事しかできないと言った筈だ。そこは自分で考えてくれ。私にも分からん」

「…分かったよ」


 蒼は不満げに返事をした。


-対話…か…考えたことなかったな…


 蒼は【天使エンゲリアス】に意思がある事を今知ったのだ。蒼はいかに自身が【天使エンゲリアス】を理解していなかったのかを思い知らされた。


「まずは形から入るか!」


 蒼はそう言って【氷水天皇ザドキエル】と【黒時皇帝ザフキエル】地面に突き刺し、自身は座禅を組んだ。そして、目を閉じた。心を研ぎ澄まされるうちに蒼は別の世界にいるような感覚を覚えた。






「ここは…どこだ?」


 蒼が目を覚ますとそこは見知らぬ空間であった。まるで宇宙空間のような場所であった。周りは真っ暗だが、あらゆる場所に星が輝いているのが見える。蒼の地面だけ、青空の様な景色であった。


「ここは…貴様の心の中だ」


 声が聞こえた。全身が水色と白の浴衣に覆われており、水色のボリューミーな長い髪が特徴の美しい女性だった。


「あんたは?」

「わたくしはあなたの【天使エンゲリアス】、【氷水天皇ザドキエル】よ」

「お前が?」

「ようやくわたくしを見てくれた。あと少し遅ければ貴様はわたくしと【黒時皇帝ザフキエル】の力に圧し潰されるところだったのよ!」

「そんなこと言われても…」


 蒼は【氷水天皇ザドキエル】に怒られた。何故怒られていたのか蒼には分からなかった。


「あなたは半分人間の半天使。半分人間だから【天使エンゲリアス】を制御しきるのに普通の天使より負担が大きい。無理に力を使い続けば、あなたは【天使エンゲリアス】の力に負け、死ぬところだったのよ!」

「対話することで防げるって事か?」

「まぁ、対話できれば力をコントロール出来るようになるわ、わたくしはね」

「…?どういうことだ?」

「わたくしはあなたの正当な【天使エンゲリアス】よ。だから、あなたはわたくしの力を制御できる。けど、もう一本の…【黒時皇帝ザフキエル】の力を制御するのは…容易じゃないわ」

「俺の力じゃないからか?」

「そうよ、あなたの寿命が極端に縮んでしまったのだって彼女のせいだし」

「…そうなのか?」

「ええ、【黒時皇帝ザフキエル】は特殊な【天使エンゲリアス】でね。「人間の時間を喰わせること」で人間でも力を扱う事が出来るの。まぁ、一瞬で「所有者の時間を持ってかれて」普通は使った人間は即死なんだけど…天使と人間二つの血があるあなただからこそわたくしを扱いつつ【黒時皇帝ザフキエル】を扱う事が出来ていた。まぁ、そのせいでわたくしの力を制御できない足枷にもなったのですけど」


 蒼はいまいち要領を得なかった。だが、何となく分かった…つまり…


「俺は人間と天使の血がある。それによって【黒時皇帝ザドキエル】の力を扱う事が出来たけど、それが俺の寿命を縮める原因だった。そして、俺は完璧な天使じゃないからここまで来るのに時間を要したって事か?」

「そう言う事よ、ここだって【天使エンゲリアス】を使い続けていれば勝手に入れるのよ。あなたは半分人間だから、それが中々出来なかった。【第二解放エンゲルアルビオン】はね…本来はここで対話してから習得するモノなの。あなたはこの世界に入らずに習得してしまったからそのせいでわたくしの力に押しつぶされそうになるわ、人間の寿命を奪う【黒時皇帝ザフキエル】に寿命を奪われるわの状態になっていたのよ」


 蒼は自身がどれだけヤバい状況だったか改めて理解をした。


「えっと…【黒時皇帝ザフキエル】もいるんだよな?どこにいるんだ?」


 蒼が聞くと【氷水天皇ザドキエル】は微妙な顔をした。


「あやつはわたくしとは別の空間にいるのよ。そう簡単には会えないわね」

「お前はあった事あるんだろ!?」

「まぁ、わたくしは会う方法を知っているのですけれど…彼女は…あなたの事が嫌いのようで…」

「ああ~、成程な…」


 蒼は妙に納得した。何故なら、【黒時皇帝ザフキエル】に嫌われる理由に心当たりがあったからだ。


「納得するの速いわね。心当たりがあるの?」

「ああ、まあな。【氷水天皇ザドキエル】、頼む、俺を【黒時皇帝ザフキエル】のところに連れて行ってくれ」


 蒼はまっすぐに目を【氷水天皇ザドキエル】に向けた。【氷水天皇ザドキエル】は根負けしたようで「分かりました」と言った。


「ですが、難しいですよ」

「分かってるよ。けど、何とかしねぇといけないんだよ」

「まぁ、そうね。あの子を御しなければあなたはどのみち死ぬわ。わたくしもあなたに死なれるのは困ります。あなたはわたくしの『主人マスター』なのですから。では、行きましょう」


 【氷水天皇ザドキエル】は空間に穴を開け、蒼と【氷水天皇ザドキエル】はその穴に飛び込んだ。










「へっ…新しい力か…」


 スープレイガはそう呟いた。蒼は姿を現した。

 全身は黒い衣を纏っていた。さらに後ろには巨大な黒い翼が二つ生えており、周囲には歯車の様なものが浮いていた。

 歯車と歯車は黒い線により、繋がれていた。瞳の水晶体の部分は真珠のように薄ピンクだがそれ以外の部分は黒色だった。これは両目とも同じであった。

 そして、頭上には歪な形をした輪っかがあった。その姿は黒い天使と呼ぶのに相応しい姿であった。


「【ワルプルギスの夜】」


 蒼は【黒時皇帝ザフキエル】の【第二解放エンゲルアルビオン】を発動した。蒼は黒刀を前に掲げた。スープレイガは迎撃の準備をしていた。しかし、その頃には蒼に身体を切られていた。


「何!?」

「【時間停止クロノデザイン】、【時間加速クロノシュネル】」


 蒼は時間を止めたのだ。時間を止める力が桁違いに上がっていた。


-奴の能力は時間操作、それは分かってた。だが、認識すらできなかっただと!?


 以前、スープレイガと戦った時にも蒼はこの力を使った。あの時のスープレイガは時間操作の力を認識していた。時間が止まっても思考は働いていた。だが、今回はそれが全くなかった。


「く!」


 スープレイガは四肢を駆使して攻撃を続けた。蒼は【黒時皇帝ザフキエル】を使い、スープレイガの攻撃を凌いでいた。


「どうやら…いつでもその力が使えるわけじゃねーらしいな」


 スープレイガはそう言うと蒼は眉をひそめた。そう、蒼は時間停止の力を無尽蔵に使えるわけではない。蒼の周りにある歯車。全てで三つある。

 この歯車が全て止まってしまっている時は時間操作を使う事が出来ない。時間の加速のみは唯一歯車が動いてなくても使えるがそれ以外の時間操作は歯車が動いている時でないと使えない。

 それうでなくとも、時間操作の力は少し使うだけでも莫大な霊力を消費する。それは【時間停止クロノデザイン】も例外ではない。


「【光刃刀ルクスラミーネ】!」


 スープレイガは両手足から光の刃を無数に飛ばした。蒼はそれらすべてを弾き飛ばした。しかし、スー王令がは蒼の左側に回り込んでいた。


「終わりだ!」


 スープレイガは攻撃を仕掛ける。完全に蒼の死角だった。躱しきれないはずだった。しかし、蒼は攻撃を躱した。


「何!?」


 さらに蒼はスープレイガの胸部を切り裂いた。そこから血が噴き出した。


「悪いーな。俺の勝ちだ」


 蒼はそのままスープレイガに突撃した。蒼の歯車はすでに動き出していた。時間操作を使える。


-…どうなってる!?奴の動きが速くなってる!?いや…違う!俺の動きが遅くなってる!?


 スープレイガは自身の状態に気付いた。蒼が使ったのは【時空減速フェーツガヴェイン】。指定した時間の流れを一時的に遅くする技だ。

 蒼は【時空減速フェーツガヴェイン】を十秒程発動させていた。その間でスープレイガの動きを遅くし、攻撃できた。【時空減速フェーツガヴェイン】は【時間停止クロノデザイン】より消耗が少ない為、ある程度は連発で出せる。

 スープレイガは両手の爪で攻撃した。この攻撃は蒼にヒットした。


「がぅ!!」


 蒼の【時空減速フェーツガヴェイン】は解けていたようだ。蒼は続けてスープレイガの攻撃を受け、吹き飛ばされた。

 スープレイガはそのまま追撃をしようとした。しかし、蒼の姿が消えていた。


「どこにいる!?」「ここだ」

「!?」


-速いとか遅いとかそんなレベルじゃない!?まるで時間を飛ばしたかのようだ!


「【時空天滅ロロガス・スプレンガー】」


 蒼はスープレイガの身体を滅多打ちに切り裂いた。その後、蒼はスープレイガを吹き飛ばした。


「が!!」


 スープレイガは再び攻撃しようとするが蒼に攻撃が当たらなくなっていた。蒼はスープレイガの攻撃を全て躱し、切り刻んでいった。


「終わりだ…てめぇの動きは見切った」


 蒼はそう言ってスープレイガを再び吹き飛ばした。蒼は【黒時皇帝ザフキエル】の【第二解放エンゲルアルビオン】を会得した事で【時空眼クロノ・マーテル】を開眼していた。

 この目は相手の未来を視る事が出来る。未来を視て、スープレイガの動きを完全に把握したのだ。


「ふざけんな…この俺が負けるかよおおおおおお!!!」


 スープレイガは向かっていったが蒼に悉く動きを読まれ、そして、切り刻まれた。【第二解放エンゲルアルビオン】を使用してからは蒼が一方的にスープレイガを圧倒していた。


「お前の負けだ…スープレイガ」


 蒼はそう言った。蒼はかなり驚いていた。とっくに気絶してもおかしくない程の攻撃をスープレイガに加えている。にも拘らず、彼は立っていた。強靭な精神力である。だが、このままでは倒されえるのは時間の問題であった。


「はぁ、はぁ…確かに…このままじゃ、勝てねぇな…しょうがねぇなぁ、どんな手を使ってもてめぇを殺す!!」


 スープレイガはそう言って魔力を放出しだした。そして、スープレイガの全身から、鋭利な爪が出現した。


「【光速魔爪クレリスタス・クラバス】」


 スープレイガの姿が掻き消えた。すると、蒼の頬を蹴り飛ばしていた。


「!!」


 蒼は驚いた。動きは見えた。だが、それでも追いつけない。


「てめぇがいくら俺の動きを読もうが、それより速く動けばいみねぇよ!!」


 スープレイガはそう言った。蒼は確かにスープレイガの動きを完全に見切れる。だが、それでも彼の速度は相当なものだ。

 蒼はスープレイガの動きについていく為に【第二解放エンゲルアルビオン】を発動させてから常に【時間加速【クロノシュネル)】を使い、スープレイガの速度についていっていた。

 しかし、今のスープレイガは蒼の【時間停止クロノデザイン】を使っても追いつけない程の速度であった。

 文字通り光速の速さであった。蒼も全く対応できない訳ではなかった。攻撃はある程度当たるし、躱す事もある程度は出来た。

 しかし、スープレイガは【光速魔爪クレリスタス・クラバス】によって攻撃性能も格段に向上していた為、スープレイガの一撃の方が重かった。


「がは!!」

「蒼!!」


 遠くにいたラナエルが叫んだ。ラナエルは助けに行きたかった。しかし、自分が言った所で足手まといになるだけだと分かっている。だから、見る事しかできない。


「終わりだ!!俺が…俺が最強だ!!!」


 スープレイガは吠えた。










 この世界は弱肉強食。強さこそが全てという考え方をスープレイガは持っていた。彼は幼少の頃から「USW」のコロシアムで戦っていた。

 負ければ死に、勝てば飯が貰える。負ける事など許されなかった。スープレイガは幼くして悪魔としての才覚を発揮し、負けなしであった。

 スープレイガは生まれた時からコロシアムで育っていた。親の顔など知らない、知る必要が無かった。コロシアム内では常に抗争が絶えなかった。

 試合前だろうが後だろうが変わらなかった。スープレイガはその強さ故にいじめ、闇討ち、不意打ち、集団暴行などを当たり前のようにされていた。

 しかし、彼はそれら全てを自身の腕っぷしで潰していった。勝つことが全て、勝てば全てが許される。

 スープレイガは自分が最強だと驕り高ぶるようになっていった。自分が最強、自分に舐めた態度をとる奴は容赦なく潰す。スープレイガはそのような価値観を持つようになっていた。

 そんなスープレイガに転機が訪れた。コロシアムで最強を誇っていた彼の噂は「USW」中に広まっており、国が彼をスカウトしたのだ。スープレイガはこれをすぐさま飲んだ。

 国に仕えればいい暮らしが出来るとスープレイガは思ったのだ。コロシアムから出る事になったその日、やはり、集団でスープレイガを襲う者が現れた。

 結局、スープレイガはそいつらを皆殺しにした後、「USW」に引き取られた。立ち会っていたのはカーシスとドラコニキルであった。


「やあ、やあ、君の噂は聞いているよ。これからよろしく、スープレイガ・レオンジャック君」


 カーシスが笑顔でそう言い、手を伸ばしたが、スープレイガはカーシスの手を振り払った。


「舐めてんのか?何だその挨拶は!?俺に跪け!!いつから俺はお前らの部下になった?俺はてめぇらに仕えてやるんだぞ?それなりの出迎えをしろや…」


 スープレイガがそう言うとカーシスがやれやれと言った顔をした。


「嫌われてしまったかな?」

「人間ごときが…図に乗るなよ…クソが!!」


 スープレイガはカーシスにそう言い放った。


「無礼であるぞ!」


 そう言って何人かの「USW」の兵隊がスープレイガに突っかかって来た。


「やめた方がいいよ」


 カーシスがそう言うが遅かった。兵隊は全てスープレイガによって倒されてしまった。


「これはこれは…とんだおてんばだね…」


 カーシスが嗤いながらそう言った。


「いかがなさいます?」


 今まで沈黙を貫いていたドラコニキルがカーシスに尋ねた。


「そうだね…まぁ、君がいれば大丈夫だね。彼を黙らせたまえ、彼は少々、傲慢な性格をしているようだしね。躾をせねば」

「殺さなくてもよろしいので?かなり危険な思想の持ち主の様ですが…」

「いいよ、あれくらいの者の方がちょうどいいというものだ。私は彼を気に入った。持ち帰るよ」

「分かりました」


 カーシスがそう言うとドラコニキルは返事をし、スープレイガの前に立った。


「あん?んだてめぇ…」


 チンピラだなとドラコニキルは思った。髪は金髪で派手だし、髪は垂れ下がってるから変に不気味だし、服はボロボロの囚人服の様だし、本当に面倒だとドラコニキルは思った。


「命令なんでね…貴様を連れ帰る…力ずくでな」


 ドラコニキルがそう言うとスープレイガはイラっとした顔をした。


「ほう…いい度胸じゃあねーかよ!てめぇは殺す」


 スープレイガはそう言ってドラコニキルに殴りかかった。ドラコニキルは攻撃を躱した。そして、スープレイガの足に自分の足を引っかけ転ばせた。


「痛て!!」


 スープレイガは立ち上がり、再び殴りかかったが、ドラコニキルは足だけでスープレイガを翻弄していた。やがて、スープレイガは業を煮やして背中に背負っていた【悪魔ソロモン】を手に取った。


「ふー、【悪魔ソロモン】か…厄介なものを…」


 ドラコニキルは頭を抱えた。流石に【悪魔ソロモン】を使われてはこちらも手を抜くわけにはいかなかった。

 ドラコニキルは自身の腰に下げている長剣を抜いた。無論、これはドラコニキルの【悪魔ソロモン】だ。ドラコニキルは長剣を抜いた瞬間、走り出し、スープレイガに攻撃を仕掛けた。

 スープレイガはドラコニキルの攻撃を防ごうとしたが、ドラコニキルの力が強すぎて、自身の剣が弾き飛ばされてしまった。


「…終わりだな」


 ドラコニキルはスープレイガに剣を突き立てた。スープレイガは歯ぎしりをした。


「さて、では行こうか。スープレイガもいいね」











-ふざけやがって!!どいつもこいつも舐めた事しやがって!俺が最強なんだよ!!


 スープレイガは蒼に攻撃を続けた。


「何がそんなに気に入らねぇんだよ…お前は何の為に戦ってんだよ?」

 蒼はスープレイガに問いかけた。スープレイガはそのまま蒼を蹴り飛ばした。

「戦いに理由がいるか?ただ強さを証明する。それだけで戦う理由としては十分だ!そして、俺が最強である事を証明する為にてめぇを潰す!」


 スープレイガは蒼に止どめの一撃を入れようとする。しかし、蒼はその攻撃を躱し、スープレイガを切り飛ばした。


「な…!?」

「そうかよ…だが、悪りーな、勝つのは俺だ!スープレイガ!」


 蒼はそのままスープレイガに向かっていた。スープレイガは【光速魔爪クレリスタス・クラバス】を蒼に放った。

 しかし、蒼はそれら全てを切り伏せた。スープレイガは再び【光速魔爪クレリスタス・クラバス】を使い、蒼に向かっていった。


-俺は…お前と戦いに来た!確かにそうかもしれねぇ!けどな…俺には…やらなきゃならないことがあるんだよ!

 蒼は【時間停止クロノデザイン】を使い、時間を止めた。時間を止めた時は世界が白黒モノクロに変わる。蒼は今、白黒モノクロの世界にいた。蒼はスープレイガの目の前に立っていた。まだ、【時間停止クロノデザイン】の効果が続いている。


「【黒刃葬破シュバルツ・シュベート】」


 蒼は【黒時皇帝ザフキエル】を思いっきりスープレイガに振り上げた。黒い衝撃波がスープレイガを襲った。スープレイガはそのまま地面に伏した。


「………」


 蒼は【第二解放エンゲルアルビオン】解除した。そして、元の姿に戻った。


「あお~~~~~~~~!!!!」


 やって来たのはラナエルであった。蒼に抱き着いた。


「痛ええええええええ!!」


 蒼はたまらず声を上げた。


「よかった…無事で…」


 ラナエルはそう呟くと蒼はラナエルの頭を撫でた。


「ああ………!」


 蒼は後ろを振り向いた。スープレイガが立ち上がっていた。しかし、虫の息だった。スープレイガの身体が光り出した。

 やがて、スープレイガは元の姿に戻っていた。【悪魔解放ディアブル・アーテル】が完全に解けていた。自身の意思に反する【悪魔解放ディアブル・アーテル】の解除は持ち主の限界を意味する。これ以上戦うのは無理である。


「はぁ…、はぁ…、負けるかよ…俺が……てめぇ如きにぃ…負ける筈が無ぇんだよ!!!!」


 スープレイガは蒼に向かっていった。蒼はスープレイガの腕を掴んだ。


「お前の負けだ…」


 蒼は短くそう言った。


「……チクショウ…………」


 スープレイガはそのまま倒れた。


「ラナエル…スープレイガを先に治してくれ」

「ええ!?」

「頼む…」

「分かった」


 ラナエルは蒼の頼みを聞き、スープレイガを治し始めた。







「さてと…慧留はどこにいるのやら…」


 蒼は頬を掻きながらそう言った。蒼がいるのは広大な砂漠である。どこがどこだか分からない。因みに蒼は完全に体力を回復していた。

 スープレイガはまだ、気絶してるままだ。起き上がる前に蒼とラナエルは早々にスープレイガの元から去っていた。


「あのデカいところ怪しいぞ!」


 ラナエルがそう言うと蒼はその場所を見た。


「そうだな…ならあそこに行くか!」


 蒼はそう言って進んでいった。








「やれやれ…これでようやく、最終段階まで進める事が出来る」


 カーシスはそう言った。カーシスの後ろには慧留がいた。カーシスは「USW」に戻った後、すぐに慧留を古代兵器の場所へ連れて行ったのだ。


「私を…どうする気?」

「殺しはしないさ」

「この古代兵器はね…全て、君を守る為にあるのさ…」

「カーシスがそう言うと慧留は意味が分からないといった顔をした」

「神を殺す為のモノさ。まぁ、何れ分かる時が来る。君に来て欲しいのはこの先さ」


 カーシスはそう言って地下の祭壇に連れて行った。


「ここは?」

「ここは…「USW」始まりの地さ。さぁ、始めよう」


 そう言ってカーシスは指を鳴らした。すると、祭壇に巨大な空間の穴が発生した。そして、周囲の地形も変化した。黒い薄暗い景色から宇宙空間の様な景色になっていた。


「これは…」

「どうだい?美しいだろう?君にはこれから私の計画の礎となってもらう」

「!?」


 慧留は逃げようとしたがカーシスがそれを止めた。


「無駄だよ…なぁに、死ぬ訳じゃない。君にはこの世界の事を教えようと思ってね。私の計画に協力をするか否かはその後決めればいい」

「この世界の事?」

「知りたくはないかい?この世界がどうやってできているのか、どんな悲劇があるのかを」

「悲劇?」


 慧留は戸惑った。この世界には何があるというのか…慧留には分からなかった。


「分かりました」


 慧留は了承した。慧留はこの世界の事を何も知らない。知らなければならないと思ったのだ。


「そうこなくては…」


 カーシスがそう言って『鍵』を出した。


「それは?」

「これは『万物の古鍵』という鍵だ。これを君に…」


 カーシスは『万物の古鍵』を慧留に手渡した。何故だろう…慧留はこの鍵の使い方を知っている気がし

た。とても手に馴染む感じがしたのである。

 慧留は祭壇に行き、穴に「万物の古鍵』を差し込んだ。すると、慧留は黒い空間に吸い込まれてしまった。


「それでいい。ツキカゲエル…全てを知った時、どのような選択をするか…楽しみだ」


 カーシスはそう呟いた。













 慧留は黒い空間にいた。宛もなく歩き続けた。


「ここは?」


 慧留はそんな事を呟いた。しばらくすると、黒い空間から魔族同士が殺し合っている映像が流れた。


「これって…もしかしてこれ…記憶?」

「その通りさ」


 現れたのは小さな少年であった。


「あなたは?」

「僕の名はすぐに分かるさ、エル。取り敢えず、君はこの世界の事を知りたいんだろう?」

「それは…そうだけど…」

「ならついて来て。…けど、もしかしたら君にとっては残酷な事実かもしれないよ」


 少年がそう言うと慧留は微妙な顔をした。


「?どういう事?」

「すぐ分かるよ…」


 少年が歩くと慧留も歩き出した。色々な記憶が周囲に具現化されていた。慧留の過去も映し出されていた。慧留は少し、懐かしいなと思った。

 そうやって宛もなくずっと歩いた。やがて、慧留はこの世界の事を知ることになる。


「そんな…こんな…嘘…だよ…」


 慧留はそう呟いた。










「準備は出来たかの?常守」

「はい~、出来ました」


 舞が澪に尋ねると澪は間の抜けた声で返事をした。


「急ぐぞ!」


 舞はそう言って【黒門ニゲル・ゲート】を開いた。澪と舞はすぐに【黒門ニゲル・ゲート】に入って行った。


「さて、どのくらい戦局が動いているかじゃが…」

「大丈夫ですよ…彼らはみんな無事です!」


 舞はそう言うと澪がそう言った。


「だといいのじゃが…」

「教え子を信用できないようではまだまだですね!」

「危なっかしいお前たちを信用しろだと?冗談ではない…」


 舞はそう呟いた。


「そろそろ着きますね」

「そうじゃの」


 澪と舞は「USW」の地に足を踏み入れた。


「わお~~、砂漠じゃん…なんか…ザ・魔界って感じ…」

「まぁ、そうじゃろうな…「USW」は悪魔が多く住む国じゃし」


 舞は澪にそう言うと辺りを見回した。


「さて…どうしたものか…」


 舞は少し考えたが取り敢えず進むしかないなと思った。


「まずは奴らの位置を把握するか…」

「そんな事出来るんですか?」

「常守、少し黙れ。集中する」


 舞はそう言って周囲の気配を探知した。『感知能力クオリア』だ。舞は魔女である。魔女は悪魔と同系統の種族だ。相手を探す時も基本的に『感知能力クオリア』を使う。


「どう…ですか?」


 澪が聞くと舞が答えた。


「取り敢えず、皆無事じゃが…援軍に来た赤島と兎咬、音峰以外はほぼ戦闘不能じゃ…最初の六人の中では時神しか残っとらん」

「まじですか…なら早くその子たちを助けに行かなきゃ…」

「そうじゃの…まずはここから一番近い、苗木からじゃな」


 澪と舞は冷静だった。二人はすぐさま、一夜のところに向かった。







「しっかし、バカ広いとこだな」


 蒼はラナエルと共に城を走っていた。蒼がいるのは『闇魔殿オプスデラカストラ』本城にいた。この城以外にいくつかの宮殿があったがそれは全て、『アンタレス』の『七魔王セブン・ドゥクス』が待ち構える宮殿だった。

 この蒼たちのいる本城はカーシスのいる場所である。つまり、この本城に慧留がいるという事になる。


「でも、なんか今までで一番不気味な感じがするよ…」

「それは同感だな…ここのどこかに慧留がいる気がする」


 ラナエルと蒼はそう言った。この本城は他の『闇魔殿オプスデラカストラ』同様、白で構成されていたが、どこか、他とは違う雰囲気を醸し出していた。その理由は周囲に壁画や飾り、絵などが飾られていたからかもしれない。

 蒼は妙に思った。


-おかしい…いくらなんでも敵がいなさすぎる。どうなってんだ?


 蒼は疑問を浮かべた。ここが一番重要な城なら見張りがいてもいいものだ。『七魔王セブン・ドゥクス』どころか、敵一人いやしない。


「それは多分、蒼の他の仲間たちが上手い事敵を攪乱させてるんじゃないかな?」


 ラナエルはそう言った。蒼はなんとなくだが、それは違うと思った。根拠はないのだが…


「いや…どうもそんな感じじゃない…嫌な予感がするな…」


 蒼がそう呟いた。このように本来敵がいなくてはならない状況で敵がいないというのはたいていろくなことが起きないと蒼は分かっているのだ。

 蒼はそのまま執務室に向かった。








 澪と舞は倒れてる一夜を発見した。辛うじて生きてはいるが非常に危険な状態だった。


「あと数分もすれば死ぬな…急いで手当てするぞ!」


 舞がそう言うと澪は「はい!」と返事をした。

 舞がどうにか一夜の一命を取り留める事に成功した。


「ぐ…」


 一夜が目を覚ました。


「大丈夫か?」

「ええ、何とか…って、四宮先生、常守君、どうして…」

「話は後じゃ…他の者たちも助けに行かねばならん。まったく…妾が来て正解じゃったな…」


 舞がそう言うとごもっともだと一夜は思った。


「六人で残ってるの…蒼だけのようですね…」

「まぁ、まぁ…敵さんもそれなりにやられてるからそんなにへこむことも…」

「準備が出来たら行くぞ、苗木、常守」

「「分かりました」」


 舞がそう言うと二人は同時に返事をした。








『彼女が来るのに…もう少々時間がかかるようだ…それまで…『闇魔殿オプスデラカストラ』を任せたよ……ドラコニキル』


 カーシスがそう言うと執務室から空間の穴が開き、ドラコニキルが現れた。


「…はい」


 ドラコニキルはカーシスの声に答え、返事をした。カーシスは今、地下の祭壇にいる。ドラコニキルとh遠く離れている。念話で話していたのだ。

 ドラコニキルは今、スープレイガの魔術から脱出した。ドラコニキルは不意打ちでスープレイガの【王魔封印シニアトゥーム・アルテリエ】で別空間に凍結封印されていたのだ。


「スープレイガは時神蒼にやられたようだな…」


 ドラコニキルはそう呟いた。


「俺が閉じ込められてる間…色々あったようだな…時神蒼もすぐそこまで来ている…」


 ドラコニキルは蒼の事を少し思い出していた。初めて出会ったのは『四大帝国会議』の時だ。あの時は特に興味はなかったが…


「ここまで…俺の平穏を邪魔する存在になっていたんだな…いいだろう…俺が始末しよう」


 ドラコニキルはそう言って最後に…


「来い……時神蒼」







 赤島英明と兎咬審矢はグリーフアルトと戦っていた。



「厄介だな…」

「くそ…!」


 赤島と兎咬はそう呟いた。赤島と兎咬もかなり傷を負わされていた。


「おいおいおいおい…二人掛かりでこれって…勘弁してくれよ…マジで…やる気でねぇ~」


 グリーフアルトはそう言い放った。赤島と兎咬は二人掛かりでグリーフアルトと戦っていたが、グリーフアルトは二人を圧倒していた。


「おいおい…どうするよ、兎咬?やべぇぞこりょあ…」

「おまけに…相手は【悪魔解放ディアブル・アーテル】も出していない」


 赤島と兎咬はかなり焦っていた。ここまで手も足も出ないとなると勝ち目は薄かった。


「はぁ…まぁ、いいや、てめぇらさっさと殺すとするか…奪い取れ…【強欲王子マモン】」


 グリーフアルトは【悪魔解放ディアブル・アーテル】を発動。右腕が巨大化した以外はそこまで変化はなかった。


「これが【悪魔解放ディアブル・アーテル】か…思ったより外見の変化がない…」

「ああ、俺は恐らく、【悪魔解放ディアブル・アーテル】による見た目の変化が最も少ない…まぁ、見た目なんぞどうでもいいのさ…問題は中身さ」


 兎咬がそう言うとグリーフアルトはそう言って兎咬の方へ突っ込んでいった。






 To Be continued

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