表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フェアレーターノアール  作者: たい焼き
【最終章】天界叛逆篇
190/196

【最終章】使徒叛逆篇ⅩⅩⅩⅥー新しい世界ー

ー私はフローフルに愛されていた。


 ルミナスはそれに気が付いていないだけだった。

 見ようと思えば見えた筈なのに…

 気付いた時にはもう遅くて…


ー世界を返さないと…


 ルミナスは最後の仕事を行う事にした。

 パルテノスを消し去り、あるべき世界へと戻す。全ての元凶、クロノスを消し去るのだ。


「今ある世界を消し去るというのか?いいのか?私が消滅すれば世界にある魔族達の力は緩やかに失われ、やがては有るべき星へと退化するのだぞ」


 クロノスはそう言った。クロノスの言ってることは間違いでは無いのだろう。

 だが、ルミナスには確信があった。


「世界にいる者達を舐めるな!彼等は…魔法や霊術が無くても…未来を切り開ける!」

「いや、人は脆い…その弱さゆえに私が生まれた」

「確かにそうなのかもしれないわね。けど…その弱さがあるからこそ、見えるモノだってある」

「本気か…バカか!?止めろ!」


 クロノスが動揺する。


「貴方は…私と共に地獄へ堕ちるのよ…自身が神だと思い上がり、弄んできた貴方と…そして、貴方と同じ大罪を犯した私…共に地獄へ堕ちるのに相応しくない?」

「止めろ!いいのか!?あそこは救いがない…やがて完全に消滅してしまうのだぞ!」

「終わりの無い生なんて空虚なだけよ…」


 ルミナスはそう言ってクロノスと共に何処かへと消え去った。


「止めろ!止めろろろろろほろろろろろろろろろろこここここて)こそねてまねのそへれー!!!!」


 もう…何もなかった。

 ルミナスとクロノスは…地獄…つまりは冥界よりも更に奥深くに落ちていき、業火に焼かれて完全に消滅していった。





「…………」


 蒼は空を見上げていた。

 慧留はローグヴェルトが回収し、緊急治療が行われていた。

 蒼の氷により、死は免れたが危険な状態であることには変わり無かった。

 だが、蒼にはどうすることも出来なかったし後は無事を祈るだけだった。


「………」


 蒼は違和感を覚えていた。

 そう、力が無くなっていく感覚だ。

 今は緩やかで…当分力を失うことは無いのかもしれない。

 だが、世界が変わろうとしていることは何となく分かった。


「俺は…俺のやったことは…果たして正しかったのだろうか…」


 蒼がそう言うと意識が闇の中へと向かっていた。






「ここは…?」

「蒼!」

「慧留…」


 蒼と慧留が暗闇に立っていた。


「フローフル…」


 プロテアもいた。

 プロテアだけではない、一夜、美浪、屍もいた。


「お前ら…」

「どういうわけか、気が付いたらここにいた」

「そういうこった。で?これはなんなんだ?」

「俺達にも分からねぇよ」

「でも、私達がここに集まってるってことは偶然では無いですよね?」


「その通りさ!」


 上から光が現れ、何者かが現れた。


「アスディア!?」

「久し振りだね!君達!」

「まさかてめぇが俺達を呼び出したのか?」

「その通りだよ♪」

「何の様だ?」

「今は訳あって君達の精神に話し掛けてる。まぁ…まずどこから話せばいいのか…端的に言うとね…」


 アスディアは深刻そうに告げた。


「数年後、君達の身体から…霊力、及び魔力が消失し、この世界から魔族がいなくなる。魔族も本来の姿に戻り、無から生まれた者は無へ、動物から生まれた者は動物へと帰る。君達は普通の人間に戻るだけだ…だけど…それによって失われる命も存在する」

「ちょっと待てよ…どうしてそんなことに…」

「ルミナスが神を殺したからさ。蒼と慧留がルミナスを倒した後、ルミナスは『世界宮殿(パルテノス)』を破壊し、クロノスを完全に消し去り、道連れにした。それにより、この世界に魔力、霊力、魔族の概念が消滅し、元の世界に戻る…無論…概念の存在である僕も消滅する」

「なっ…」

「ルミナスは…君達ならそれでもなんとか出来るって信じてた。まぁ、ルミナスの判断は正しかったよ。そうしなければこの世界は滅びてたろうからね」

「世界を守る為に…彼女が死んだというのか…」


 ルミナスは最後の最後で…世界を守って死んだ。

 その衝撃的事実が皆に襲い掛かる。

 だが、蒼と慧留はそこまで驚いてはいなかった。


「やっぱり…そうなんだな」

「うん…」

「時神、月影、どういう事だ?」

「俺は…自分の力がどんどん無くなっていくのを感じた」

「私も…蒼と同じ感じだよ」

「まぁ、今すぐ無くなるって訳じゃない。緩やかに消えていく。まぁ、僕はすぐに死ぬから…こうして君達に別れを言おうと思ってね」

「お前はとっくにルミナスに殺された筈だろ!?」

「パルテミシア十二神の中でも僕だけは『世界宮殿(パルテノス)』と命が繋がっていて例え肉体が消滅しても魂だけは残るんだよ。まぁ、何もできなくなるのは同じだけどね…それに…『世界宮殿(パルテノス)』はもう…滅びた。僕の命も終わりを迎えようとしている」

「アスディア…」


 蒼は複雑そうな顔をしていた。


「お?普段は僕に対して邪険に扱うくせに、いざ僕が消えるとなると悲しんでくれるのかい?」

「お前には…借りがある…義理を通す前に死なれて…寝覚めが悪いんだよ…」

「ははは…そういうことか…いや…君は…いや、君達は…僕にちゃんと義理を返してくれたよ…」

「え?」

「僕はね…この世界が嫌いだった…ファンタジーで溢れてたけど…どこか虚ろで…空虚なこの世界が…君達はそんな空虚な世界を壊し、新たな世界を造り出した」

「けど…そこにお前はいねぇ!」

「いや…いるよ…君達の中にね。生きて…この世界の行く末を見れないのは残念だけど…僕の役目……は……どうやら…ここまでのようだ…フローフル…いや、時神蒼、月影慧留、その仲間達よ…辛いこと、悲しいこと、どんな絶望が君達に襲い掛かるか…正直僕には想像がつかない…けど、諦めるな!君達はいつでも、どんな時だって、不可能を可能にしてきた!魔法なんて無くても、君達は強い!生きて!生きて!自分の力で、未来を創って行くんだ!僕は…君達を()()()()()()


 アスディアがそう言うとアスディアの身体が消え始めた。


「最後の最後で…神様っぽいこと言うなよな…」

「ロクに今まで神様っぽいこと出来なかったからね、最後の最後でカッコつけたかったんだよ。どう?今の僕、イケてるでしょ?」

「ああ、最高にカッコいいよ…神様…」


 蒼が素直にそう言うと、アスディアは笑顔を浮かべー


「さよなら…」


 そして、アスディアは静かに消えていった。





 世界は…滅びずに済んだ。

 魔力や魔法の概念が失われ、四大帝国の概念も消え、元の世界へと戻っていった。

 それにより、争いが生まれた国、平和になった国、様々な国があったけれど…

 新たな世界の幕開けとなった。


To be continued

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ