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フェアレーターノアール  作者: たい焼き
【第二章】四大帝国会議篇
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【第二章】四大帝国会議篇Ⅴー崩れゆく傀儡ー

 次々と戦いは決着を迎えていた。一方その頃、蒼は舞と共に閻魔と対峙していた。四大帝国会議篇もいよいよクライマックスへ!!

「成程…どうやら阿修羅は失敗したようだな…まあいい、私が尻拭いをしよう」

 阿部がそう言うと澪が指示を出した。

「「アザミの花」は『混獣ダイダラボッチ』をお願い。元に戻せるのはシカ君だけだからね~。ハルちゃんとみっとん、あたしとなえきん、ミンミンはあいつの相手。いいよね?」

「ああ、任せた。」

「ボスがそう言うのであれば」

「ああ、任せたぜ」

「うん」

「皆、行くわよ!」

 順に屍、兎咬、赤島、狂、薊の順にそう言って、「アザミの花」たちは各方面に散った。それはまるで花弁が散るかの如く。

「さて、さっさと終わらせるわよ!」

 遥がそう言うとともに皆は戦闘態勢を取った。

「ふん、貴様らごときにこの私に勝てるとでも?まぁ、五対一ならちょうど良いハンデか」

 阿部がそう言うと澪は阿部に言葉を否定した。

「それは違うよ~。あくまでも効率よく終わらせるためだよ?そうだね…十分で終わらせようか」

 澪がそう宣言すると阿部は鋭い眼光を向けてきた。

「ふっ…舐められたものだ。この私を倒す?十分で?身の程を知れ!」

「身の程を知るのは君の方だよ」

 一夜はそう言い放った。

「死ねええええええええ!」

 阿部は構わず【加具土命カグツチ】を構え、向かっていった。

 しかし、皆阿部の攻撃を躱した。

「霊呪法第五五五番【我転崩落がてんほうらく】」

 遥が霊呪法を唱えた。すると、阿部のいた地面が崩落した。

「式神【土剝とはく】」

 湊はすぐさま式神を召喚し、追撃をした。式神【土剝とはく】は土の式神であり、土を自在に操れる。【土剝とはく】は巨大な土の壁を作り出し、阿部にぶつけた。

 しかし、阿部は態勢を崩さずに【加具土命(カグツチ】の黒炎を逆噴射させ、地上に上って行った。巨大な土の壁も【加具土命(カグツチ】で突き破った。

「厄介な鎗やな…」

「でも、本体は大したことない。あの神器さえどうにかすればこっちのものだ」

 一夜がそう言い放つと阿部は黒炎を撃ってきた。一夜の方に黒炎が向かってきたがすかさずこれを一夜は躱す。

 美浪は前進し、阿部を殴りかかったが、黒炎の恐ろしさを察知した美浪は足で土煙を巻き上げた。すると、土煙すらも黒炎によって燃え散った。

「厄介な炎やな…私との相性最悪やん…」

 美浪は基本的に素手で戦うためこの手の相手は相性が悪い。美浪は一時撤退をした。

「あの神器…厄介だね~。攻撃があの黒炎で全て防がれちゃう」

「いいや、分かったましたよ。さっきまでの戦いで…あの黒炎の弱点」

 澪がそう言うと湊がそう言い放った。

「もう分かったのかい?」

「ええ、結構単純な弱点です。ここからは前衛と後衛で分けます」

 一夜が言うと湊は答えた。そして、再び戦いは動き出した。



 蒼と慧留はスープレイガの足止めを喰らっていた。幸い、向こうがすぐに撤退したため、そこまでの足止めは喰らわなかった。

 蒼は傷の手当てが終え、慧留と共にトウキョウ裁判所内部に向かおうとしていた。因みに【白天世界エンゲルアルビオン】はすでに解けていた。

「行くぜ、慧留」

「うん!」

 二人はトウキョウ裁判所内部に入って行った。

 入った瞬間、戦闘が既に開始されているのが分かった。

「取り敢えず、奥に行くぞ!向こう側から強い気配を感じる」

 蒼がそう言うと慧留は首を縦に振り、先に向かっていった。

 「アザミの花」たちも既に交戦していた。

「屍!」

「時神か!閻魔の霊圧が向こうから感じる。恐らく、おっ始めてる!速く行け!」

「頼んだぜ、天使使い」

「分かった!」

 蒼と慧留はそのまま向かっていった。

 しばらく進むと倒れてる雛澤たちを見つけた。恐らく、『混獣ダイダラボッチ』にやられたのだろう。

「慧留…ここにいる奴らの手当てを頼む」

「…分かった。気をつけてね」

 慧留がそう言うと蒼はさらに奥に向かっていった。

「閻魔!待ってろよ!てめぇの下らねぇ野望は俺が阻止する!」


 舞は閻魔と戦っていた。しかし、閻魔の新型神器【高天原タカマノハラ】によって苦戦を強いられていた。

 【高天原タカマノハラ】の能力はただただシンプルな破壊の神器であった。そのハンマーに触れた物質を粉々にする。たが、シンプルであるが故にこれといった癖が無い為、弱点を突きにくい。さらにー

「どうやら神器に頼り切った戦いはしないようだな…霊呪法も巧みに操っておる…」

 そう、彼も屍と同じように神器のみに頼った戦い方はしない。閻魔の場合は霊呪法を使用している。

「ふん、神器の力の身に過信するようでは神器同士の戦いは勝ち残れない、常識だ」

 閻魔はそう言い放った。確かに彼の言う通りではあるが、神器と他の能力を併用することは簡単な事では無い。

 実際、「アザミの花」も屍以外は神器と自身が元から持っている力を併用することは出来なかった。

「【いかずちよ!放たれよ!】」

 舞は雷を閻魔に放った。しかし、閻魔は神器により雷を粉砕した。

 さらに、神器で舞に攻撃する。

 -神器に一撃でも喰らったらアウトじゃ!

 舞は神器の攻撃は優先的に躱すが、その後に来る霊呪法が躱しきれなかった。

「霊呪法第八三二番【絶縁駆動インスレーション・インパルス】」

「八〇〇番台じゃと!?」

 閻魔が霊呪法を唱えると巨大な霊力の手裏剣が無数に発生し、舞に襲い掛かった。

 -く…間に合わん!

 舞は攻撃をもろに喰らってしまった。

「ぐああああああああああ!!」

 舞の全身から血が噴き出していた。

「ふっ…これで…終わりだ!」

 閻魔は神器で舞に止めを刺そうとする。

「【氷魔刃衝シュネー・シュヴェーアト】!」

 突然、氷の刃が閻魔に襲い掛かる。しかし、それを閻魔は神器で粉砕した。

「何者だ!?」

「何者だぁ?俺は…お前を倒す者だ」

 閻魔の質問に蒼は笑いながら答えた。



「まずは後衛は俺と美浪ちゃんと一夜さんで、前衛は遥さんと澪さんで行ってください!」

 湊がそう言うと澪と遥は阿部に向かっていった。澪と遥は攻撃を行った。

「【流星神速スタードライブ】」

「【ヘッドホンミサイル】!」

 澪は神速で接近した。そして、遥は音のミサイルを放った。しかし、阿部はそれを神器で切り裂いた。

「私はどうすれば…」

「美浪ちゃんは【身体強化フィジカルエンチャント】で二人に能力強化のサポートを!」

 美浪がそう言うと湊は答えた。そう言うと美浪は「分かりました!」と言い、遥と美浪の基礎能力を強化させた。

 更に湊自身は呪力を纏った札を放った。しかし、阿部の身体に纏っていた黒炎によって消されてしまった。

「一夜さんは遠距離から霊呪法で援護を!」

「はいよ!霊呪法第五一一番【電刃槍ボルテックス・スピアー】!」

 湊が言うと一夜は霊呪法を唱え、雷の槍を放った。阿部は雷の攻撃を直撃した。

「な…何!?」

 阿部は苦悶の声を上げた。

「君の神器の弱点は二つある。まず一つ目、攻撃に転じている時、身体に纏ってる炎が消える事、そして、身体の黒炎は自身に攻撃した時、オートでその攻撃を燃やし尽くすがそれをすると、一瞬だけ炎が消える。そこを突けばいい!」

 湊は新型神器【加具土命カグツチ】の弱点を解説した。

「しかし!この程度の攻撃で…」

 再び阿部は態勢を立て直すが、その後、勝負はすぐに決することになる。

 遥が【ヘッドホンミサイル】を再び放ち、その後、一夜は再び【雷刃槍ボルテックス・スピアー】を放った。

 阿部は【ヘッドホンミサイル】を身体の炎で防ぎ、【雷刃槍ボルテックス・スピアー】は神器で粉々にした。しかし、湊はその隙に結界を張っていた。

「【光転結界こうてんけっかい】!」

 すると、結界内が光に包まれた。【光転結界】は光を放つ結界であり、要は目くらましである。

 その瞬間、澪は目を瞑ったまま、結界内に入り込み、阿部に攻撃を仕掛けた。

「【流星群ファクスカエレスティス】!」

 阿部の頭上に数多の小型隕石が落ちてきた。

「ぐわああああああああああ!」

 そして、神器は完全に破壊され、阿部は気絶した。時間は澪の宣言通り、僅か十分程度で肩が付いた。

「大したことなかったね、やっぱ」

 澪は吐き捨てるようにそう言った。


「元に戻れ!」

 屍は『混獣ダイダラボッチ』を元に戻し続けていた。しかし、屍の霊力も無尽蔵にある訳では無い。霊力が限界を迎えていた。

 しかし、『混獣ダイダラボッチ』は後、五〇〇体以上残っていた。

「錬金術は消費する霊力の量も激しい…このままじゃやべぇな…」

 赤島はそう言いながら、『混獣ダイダラボッチ』の動きを止めていた。

「くっ…数が多すぎる…」

「くるももう限界近い…」

 兎咬と狂も限界が近かった。このままではマズい。

「私が…私がやらなきゃ!」

 慧留はそう言って黒い翼を広げた。

「おい、嬢ちゃん、どうする気だ?」

「ここにいる全ての『混獣ダイダラボッチ』は私が戻します!皆さんは警察の相手に集中してください!」

 赤島が慧留に尋ねると慧留はそう答えた。

 屍を抜いて『混獣ダイダラボッチ』を元に戻せるのは時間の巻き戻しの能力を持っている慧留だけだった。

「大丈夫なのか?」

「はい、実際、元に戻したことも何度かあります」

「分かった。じゃあ、任せた」

 屍は慧留に(ダイダラボッチ)』の相手を任せた。

「今までのよりも強力なのを使わないと…このトウキョウ裁判所一帯を覆うくらいの…」

 慧留は力をため始めた。

「守る…絶対…絶対に!!」

 慧留は神力を限界まで溜めていた。そして、慧留の身体から黒い神力が迸っていた。

「な…何だ…この力は…」

「こんなの…在り得ない…」

 兎咬は息を呑みながらそう言うと、狂も顔を青ざめながらそう言った。

「さすがに…驚いたぜ…」

「これが…天使の…『三大皇族』の力…か」

 赤島と屍も驚いている様子だった。

 -私は…この場所が好き…蒼や一夜さん、湊君や美浪ちゃん、遥さんや澪さんのいるこの世界が…私は…皆を!!

「はあああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 慧留は頭の中で蒼たちの思い出を蘇らせていた。あって、まだ数か月だが、慧留にとっては大事な物なのだ。慧留は自分の居場所を守りたいのだ。仲間を、友を助けたいのだ。

 慧留は身体中から黒い波動を放った。今までの慧留の力で一番巨大な力だった。

 黒い波動がトウキョウ裁判所を包む。

「何?これ?まさか…慧留?」

 遥たちも驚いていた。

「暖かい…」

「そうだね…月影さんの思いが伝わってくるみたいだよ」

 美浪と湊がそう呟いた。

「慧留ちゃん…」

「えるるん」

 一夜と澪も慧留の名を呟いた。

 無数の『混獣ダイダラボッチ』は全て時間が巻き戻り、変わり果てる前の姿に戻っていた。

「やった…やったよ…蒼、み…んな…」

 慧留は力を使い果たしそのまま倒れた。

「慧留!」

 薊が慧留を抱えた。

「薊は月影を守ってくれ!」

 屍はそう言った。そして、屍たち「アザミの花」は慧留に心の中でこう呟いた。

 ーありがとう



「今の黒い光はなんじゃ?」

「慧留だよ。アイツの思いが…伝わった気がする。きっと上手くやったんだろ。こっちも何とかしねぇとな!」

 舞がそう呟くと蒼はすぐさま答えた。

「今の力は一体何なのかは気になるところだが…どうやら時間を費やしている暇が無くなってしまったようだ。一気に肩を付けさせてもらうよ」

 閻魔はそう言って蒼と舞に接近した。

「霊呪法第七三二番【舞踏骨ぶとうこつ】」

 閻魔が霊呪法を唱えると地面から大量の骨が出現し、蒼と舞の身体を貫く。

「ぐっ!」「ぐわ!」

「まだだ!消えろ!」

 神器で殴り掛かるが、蒼は一撃でも喰らうとヤバいと直感し、攻撃を防ごうとした。

「霊呪法第五二〇番【三重虚神さんじゅうきょじん】!」

 しかし、蒼が作った巨大な盾も一瞬で砕け散った。辛うじて、蒼と舞は攻撃を躱した。

 そして、蒼はもう一本の刀を抜いた。蒼の最強の「天使」、【黒時皇帝ザフキエル】だ。

「【黒時皇帝ザフキエル】!」

 蒼はもう一本の「天使」を解放した。【黒時皇帝ザフキエル】は時間を操ることが出来る天使である。

「「天使」を二本所有じゃと!?」

 舞はかなり驚いていた。無理もない、「天使」は本来二種類以上は使用できないのだから。

「【時間停止クロノデザイン】!」

 蒼は【黒時皇帝ザフキエル】の能力で時間を止めた。周囲の景色がモノクロになる。蒼はそのまま、黒刀の「天使」、【黒時皇帝ザフキエル】で閻魔の身体を切り裂いた。

 そして、その瞬間、時は動き出した。

「がっ…何!?」

 閻魔だけでなく舞も驚いていた。

 -何じゃあれは!?まるで時間が止まったかのような…

「霊呪法第六五四番【霊廟回廊れいびょうかいろう】!」

 閻魔が霊呪法を唱えると霊力の波が襲ってきた。

「【舞い散れ!言の葉よ!】」

 舞が言霊を使った。すると、文字の壁が出来、蒼と自身をガードした。

「終わりだ!」

 隙を突いて、舞に攻撃を仕掛ける閻魔だったが、蒼により阻まれた。

「霊呪法第二四五番【氷魔蓮刃ひょうまれんじん】!」

 地面から氷の刃が出現し、閻魔を貫いた。

「くっ…」

「【時間加速クロノデザイン】!【霰千本アイス・ツァプフェン】!」

 蒼は自分の時を加速させ、氷の刃を閻魔の全方位に仕掛けた。そして、一斉に氷の刃が閻魔に襲い掛かる。

「ぬおおおおおおおお!!」

 閻魔は神器を振り回し、氷の刃を防いだ。しかし、数が余りに多すぎたため、身体の数か所に刃が刺さっていた。

「【動くな!】」

 舞が叫ぶと閻魔は動きを止めた。

「しっ…しまった!」

 金縛りだ。先程の蒼の攻撃で霊力がかなり乱れていたのだ。それにより、金縛りが効いた。

「今じゃ!時神!」

 閻魔は蒼を見やる。すると、氷の弓矢を構えてる蒼の姿があった。

「四宮先生…ありがとうございます。【霰矢ハーゲルプファイル】!」

 蒼は氷に矢を放ち、その矢が閻魔に直撃した。さらに、舞が言霊を唱えだした。

「【輪が右手に宿りし聖霊よ、今こそ裁きを下せ!】」

 すると、閻魔の周囲に無数の光の球が出現し、閻魔に触れた瞬間、連鎖的に球が爆発を起こした。

「ぐぎゃあああああああああああ!!」

 閻魔は叫び声を上げた。そして、彼の新型神器は粉々に砕け散っていた。

「終わったか…」

「そうみたいじゃの…」

 蒼と舞が勝利を確信する。しかし、閻魔は嗤い続けていた。

「ふふふふふふふふふ…はははははははははははははははははは!」

「何がおか……まさか!」

 嗤う閻魔に問い詰めようとした舞だが、何かに気付いたかのように閻魔のいる先の道に進んだ。

「どうしたんすか?」

 蒼も舞について行く。すると、舞は驚愕の表情を浮かべた。

「な!?これは…」

「嘘…だろ…?」

 蒼もそれを見ると絶句した。蒼と舞はとある個室に辿り着いた。そこにあったのは…巨大な時限爆弾だった。

「こんなものが…後、制限時間が三十分しかないじゃと!?」

「しかも、これは「イデア爆弾」だ…実物を見るのは初めてだが…既に完成してたのか…」

「「イデア爆弾」?何じゃそれは?」

「「イデア爆弾」は「魔族のみ」を殺す爆弾だ。爆弾が起動すると、魔族の霊力や魔力などを探知して魔族だけを殺す。そして、死んだ魔族は霊結晶となり、エネルギーとして使える。速い話が魔族を霊力の結晶にして、人間の資源として利用するために作られた爆弾だ。十二支連合帝国が提案して作ってたんだが、他の三国に止めるように言われてたんだが…どうやら、隠れてコソコソ作ってたみたいだな…」

「な!?そんな兵器が…!?」

 どうやら、舞は「イデア爆弾」の事は知らなかったらしい。

 蒼は昔読んだ資料で「イデア爆弾」の存在は知っていた。しかし、これはマズい。この爆弾が作動すれば、ここにいる魔族たちは全滅し、十二支連合帝国政府に利用されてしまう。

 十二支連合帝国政府はさらに力をつけてしまうだろう。何としても止めなければならない。

「取り敢えず…一夜に連絡だな…」

 そう言って、蒼はスマートフォンを取り出した。


戦いが収束しようとしていた。『混獣ダイダラボッチ』は全て元に戻り、魔道警察官は長官である阿部がやられたことにより統率を失い、ほぼ全滅していた。

「これで…一通り終わったわね…」

「?電話か…蒼から?」

 遥がそう言うと一夜はすぐに電話を出た。蒼からだった。

『一夜か!ちょっとヤバいことになってるんだ!』

 蒼がそう言いさらに話を続け、一夜は驚愕の表情を浮かべた。

「何だって!?「イデア爆弾」だと!?そんな物がこんな所に!?しかも爆発が三十分後だと!?」

 一夜が驚愕の声を上げると他のメンバーも驚きの表情を浮かべた。

「「イデア爆弾」…まさかマジで作られてたのかよ…あいつらはどんだけ俺らを消したいんだよ…」

「取り敢えず…現場に行った方がいいよ」

 赤島がそう言うと湊が現場に行くように促した。

「そうだね~。ここはもう粗方片付いたから行こう」

 澪がそう言うと皆はその爆弾がある場所へ向かった。


 蒼は爆弾を処理しようとするも、対策が思いつかなかった。

「くそ…どうすれば…」

 蒼が爆弾を壊すことは恐らくそこまで難しくない。しかし、壊してしまえば、爆発する可能性がある為壊す訳にはいかなかった。

「これは…思ったより厄介じゃの…あ奴が言っていた「奥の手」とはこれの事じゃったのか…やられた」

 舞がそう呟いていると、一夜たちが現場に来ていた。

「間に合ったか…だが、時間はあまり残されていないようだね」

「ああ、後五分で爆発する。このままじゃマジでヤバい」

 一夜と蒼はかなり深刻な表情をしていた。

「屍の錬金術で何とかならない?」

 薊が屍に聞くと、屍は頷き、錬金術を使った。両手を合わせてその後、爆弾に触れた。しかし、屍の身体は爆弾から弾き飛ばされてしまった。

「屍さん!」

「「屍!」」

「ボス!」

 赤島、狂、薊、兎咬の順で屍の名を呼ぶ。立ち上がった屍だが頭から出血していた。

「くそ…この爆弾…特殊な素材で作られてやがる…俺の錬金術じゃ無理だ」

「慧留の力で…」

 蒼はそう言うが慧留は意識を失っており美浪にオブられている状態だった。

「無理やよ…蒼君。慧留ちゃんは力を使い果たして、今、気絶しとるんや」

「くそ!打つ手がねぇのか!」

 蒼がそう言うと慧留が目を覚ました。

「まだだよ…まだ…」

 しかし、慧留はまだ力が回復していない。恐らく今は使い物にならないだろう。

「慧留…無茶すんな…くそっ…でもどうすれば…」

「大丈夫…爆発は…しないから…」

 蒼がそう言うと慧留はそう言った。

「何…だと…?まさか…」

 屍がそう言うと爆発まで十秒を切っていた。

「まずい!爆発する!」

 湊が叫ぶも時間は無情にも過ぎ去っていき、カウントがゼロになった。しかし、爆発は起きなかった。さらに、「イデア爆弾」はそのまま、霧散した。

「どうなってるのじゃ?」

「だから…言ったでしょ?爆発しないって。私の力でさっき、元に戻したのは…『混獣ダイダラボッチ』だけじゃなかったんだ…私のさっきの力で…この爆弾も作られる前の姿に戻したんだ…この「イデア爆弾」は…特殊な霊力を放ってるから私の眼で「視えたんだ」。だから、この爆弾も一緒に元に戻した」

 舞が呟くと慧留は息絶え絶えになりながらそう答えた。そして、慧留はそのまま気絶した。

「そんな…馬鹿な…私の計画が…完全に阻止されたというのか…そこの一匹の天使の小娘のせいで…」

 閻魔はよれよれとこちらに歩いてきていた。計画の失敗に気付き、衝撃の声を漏らしていた。

「お前の負けじゃ…閻魔」

「こんな事が…あってたまるか!我々十二支連合帝国が…閻魔がこの世界の頂点でなくてはならないのだ!貴様ら魔族の様な汚らわしい存在に負けるなど…私が全て!私が頂点だ!魔族などただの道具!生きている価値もない家畜同然…貴様らに…」

 閻魔が言い終わる前に屍が飛び出し、閻魔を殴り飛ばした。そして、閻魔は完全に気絶した。

「少し黙れ…外道が…」

 閻魔は吐き捨てるようにそう言った。

「何がともあれ、これでお前ら「アザミの花」の望み…結果的にはかなった訳だが…気分はどうだ?」

 蒼が屍たち「アザミの花」たちに問いかけた。

「…思ったより満足感ねぇな……虚しさしかねぇ…失ったものは、もう戻ってこないと痛感した。だからこそ、俺は…いや、俺たちは進まなきゃならない…すぐには無理だけど…俺たちは進みたい。ありがとう、皆」

 屍がそう言うと他の者たちも首を縦に振った。

「ええ、私もあなたたちを通じて…強くそう思ったわ…お礼を言わせて。ありがとう、蒼、慧留、美浪、遥、湊、澪、一夜」

 薊がそう言うと赤島が続いた。

「まぁ、何だ…ここまで、世話になるなんて思わなかったぜ。ありがとな…」

「ふん!この借りは必ず返す!…それだけだ」

 兎咬がそう言う。恐らく彼なりのお礼の言い方なのだろう。狂もお礼を言った。

「ありがとう」

「これにて、一見落着だね…まぁ、後始末が大変だけど」

 澪が嫌そうな顔でそう言った。

「まぁ、でも澪の言う通りね。十二支連合帝国政府はこれだけの事をしでかしたのよ…最悪、四大帝国のいずれかの国に吸収される恐れもあるわ…」

「そうだね~。まぁ、そこは当てがあるからやるだけやってみるよ」

「まぁ、その事についてはおいおい考えていこう」

 一夜が締めくくると蒼は「お前が締めんな!」と言って一夜を蹴飛ばしたのであった。



 ここはUSWの中心部「ネオワシントン」。ここにはUSWの本部があり、政治を行っている場所である。

 USWと十二支連合帝国とでは時差があり、向こうは夜中だが、ここでは、昼間であった。

 そして、ここはとある一室である。

「これをご覧ください」

 男がそう言うと、椅子に腰かけているもう一人の男がその映像を見た。その映像は「とある天使」の映像であった。

「素晴らしい。ようやく見つけた。これで…」

 男がそう言うとさらに男は言葉を続けた。

「もう少し、力を見たい。後の報告を期待しているよ」

「かしこまりました」

 一人の男は部屋を出た。

「さて、楽しみだ…」

 男はゆっくりと目を閉じたのであった。


To Be continued

 はい、四大帝国会議篇Ⅴ投稿しました!!いよいよ、次で四大帝国会議篇も終わります。次の章も考えているのですが…一体どうなる事でしょうかね?

 それではまた!!

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