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フェアレーターノアール  作者: たい焼き
【第十章】道化狂乱篇
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【第十章】道化狂乱篇ⅠーWARー

 擬流跡土との戦いが終結した。しかし、十二支連合帝国は擬流跡土により壊滅させられ被害は甚大であった。そんな中、プラネット・サーカスの活動が本格化している情報を聞き、四大帝国会議が開かれる事となった。

 時神蒼達は常森厳陣達と合流していた。

 現在彼等は何もない荒野にいた。

 蒼は黒髪と蒼い瞳が特徴の青年だ。

 十二支連合帝国が壊滅的な被害を受けてから一週間が経過していた。

 あれから復興作業が始まったのだが未だに全て元通りという訳では無い。

 そして、三年振りに四大帝国会議の開催が決定した。

 場所は神聖ローマ首都であるセフィラで行われる。

 蒼と慧留はその場所をよく知っていた。

 何故ならそこは蒼と慧留の故郷なのだから。

 蒼達も四大帝国会議に行く事にはなったがあくまでも観客席から眺めるだけだ。


「時神さん、月影さん、複雑な気持ちはあるとは思いますがあまり目立った行動は避けて下さいね」


 黒髪黒目の片眼鏡(モノクル)を掛けた執事服の男がそう言った。

 彼の名は黒宮大志、十二支連合帝国総帥である常森厳陣の腹心だ。


「分かってますよ、黒宮さん」


 黒髪の長い髪に黒い瞳の少女がそう言った。

 彼女の名は月影慧留、蒼の仲間の一人の堕天使だ。


「故郷に戻るのがこんな形だと複雑なのも無理は無いけど…」


 銀髪赤目の少女が皮肉混じりにそう呟いた。

 彼女はプロテア・イシュガルド。蒼達の仲間であり、イシュガルドの人間だ。


「時神と月影はいない方がいいんじゃねーの?」


 紺色の髪に片眼が隠れており、紺色の瞳を持つ青年がそう言った。

 彼の名は天草屍。鬼の妖怪だ。


「いや、四大帝国会議では何が起こるか分からない。戦力は多い方がいいだろうね」


 アッシュブロンドの髪と三白眼の瞳と眼鏡が特徴の青年がそう言った。

 彼の名は苗木一夜。蒼とは長い付き合いになる親友だ。


「私達もいかないと…ですね」


 水色のセミロングと瞳が特徴の少女がそう言った。

 彼女の名は霧宮美浪。フェンリルと呼ばれる狼の魔物の少女だ。


「今から神聖ローマに向かう。急を要するので飛行船でゆっくりとしている訳にはいかんのう」


 黒色の長い髪に青い瞳にゴスロリ衣装が特徴の少女がそう言った。

 彼女は四宮舞。見た目は少女にしか見えないが実年齢は百を越える魔女である。


「転送魔法を使う」


 白髪のオールバックの軍服を着た老人がそう言った。

 彼は常森厳陣。この十二支連合帝国の総帥である。


「それって…」

「澪」

「分かりましたよ~」


 黒髪ロングの一つ括りに赤目が特徴の少女がそう言った。

 彼女の名は常森澪。

 厳陣の姪であり、蒼達のかつての仲間だ。


「あたしの転送魔法で皆を運ぶね」

「そんな事出来んのかよ?」

「出来るよ~」


 澪の【神星(ザ・スター)】は霊力では無く、魔力を扱う特殊な二十二式精霊術(アルカナ)であり、その性質は霊術というより魔術に近い。

 その内の一つに転送魔法が存在する。

 消費魔力が絶大で人数が多ければ多い程消費が激しい燃費の悪い魔法なので澪はあまり使いたくは無かったのだが事態が事態なので仕方が無いと言える。


「じゃあ、早速魔法陣張るよ~、皆集まって」


 因みに董河湊はお留守番だ。

 蒼達は澪を中心に集まった。

 そして、澪達の地面には星形の魔法陣が出現した。


「【星移動(スター・トリップ)】!」


 澪が魔法を唱えると蒼達の姿が掻き消えた。






「さてと…向かうとするか」


 黒髪のストレートヘアーに白と黒のオッドアイの青年がそう言った。

 彼の名はドゥームプロモ・ドラコニキル。

 USWの武装組織、アンタレスのメンバーであり、その幹部、七魔王(セブン・ドゥクス)の一人であり、USWの事実上総帥代理を勤めている悪魔である。

 しかし、本来の彼は無欲且つ、面倒を嫌う性分であり、望んで今の立場にいる訳では無い。


「本当に時神は来るんだろうな?」


 金髪のリーゼントと瞳が特徴なチンピラ風の男がそう言った。

 彼の名はスープレイガ・レオンジャック。

 彼もドラコニキル同様、七魔王(セブン・ドゥクス)の一人であり、悪魔である。

 彼は非常に好戦的な性格であり、今でもかつて負かされた蒼を目の敵にしている。


「本当に君は面倒事が好きだよね~、呆れる」


 小柄な薄緑色の髪と瞳をした気だるげな少年がそう呟いた。

 彼の名はウルオッサ・テディベア。

 彼もドラコニキル達同様、七魔王(セブン・ドゥクス)の一人であり、怠惰な悪魔である。


「あなたは相変わらずいつも面倒臭そうね、ウルオッサ」


 白いワンピースを着た黒かかった茶色の髪をしたタレ目にのほほんとした少女がそう言った。

 彼女の名はアルビレーヌ・マジェルタスク。

 彼女もまた、七魔王(セブン・ドゥクス)のメンバーであり、メンバー内でも比較的常識人であり面倒見のいい性格をしている。


「グリトニオンとグリーフアルトは留守番なんだね」

「ああ」

「納得行かないんですけど。何で僕が行かないといけないのさ。僕が留守番でいいじゃないか…」

「文句を言うな。俺だって行くのは面倒なんだ。しかし、四大帝国会議では何が起こるか分からん。戦力は多めに投与した方がいいからな」

「ジーザス!」

「悪魔が神を口にするなんておかしな話ね」


 ウルオッサの魂の悲鳴にアルビレーヌは盛大に突っ込みを入れた。


「何チンタラしてんだ!さっさと行くぞ!」


 スープレイガが黒門(ニゲル・ゲート)を開いていた。

 この黒門(ニゲル・ゲート)は悪魔達が遠くを移動する時によく使う門だ。

 中は霊力や魔力の乱気流で渦巻いており、魔力や霊力を足場にして進む必要がある。


「こういう時だけ仕事が速いな、スープレイガは」

「ここまで蒼に執着するなんてね…これはもう…恋なんじゃないかしら?」

「…気持ちの悪い事をいうんじゃねぇしばきたおすぞ」

「分かった分かった。………おい、ウルオッサ、いつまでそうしているつもりだお前も来い」


 ドラコニキルはウルオッサを引っ張った。


「い…嫌だー!行きたくない!逝きたくない!!逝きたくなーーーーーーーーい!!!!」

「ねぇ?行きたくないのニュアンス違くない?」


 アルビレーヌは突っ込みを入れるがそんな事に対応している場合では無かった。


「いつまで嫌がっているんだ勘弁しろ!」

「僕は…僕は…働きたく無いんだーー!!!」


 ウルオッサはかなり駄々をこねていた。

 よっぽど行きたく無いのだろう。

 やがてスープレイガがウルオッサの前に立ち、ウルオッサの首根っこを掴んだ。


「え??え??スープレイガ?何するつもり?」


 スープレイガはウルオッサを黒門(ニゲル・ゲート)に投げつけた。


「うああああああああああああああああああああああ!!!!」


 ウルオッサはそのまま黒門(ニゲル・ゲート)を通っていった。


「さっさと行くぞ!」


 スープレイガはそう言って黒門(ニゲル・ゲート)へと入っていった。


「アルビレーヌ、俺、生まれて初めてスープレイガに感謝したよ」

「そ…そう…」


 ドラコニキルとアルビレーヌもスープレイガに続き、黒門(ニゲル・ゲート)へと入っていった。






 ここはヘレトーア精霊城(ラウフ・カルス)の礼拝堂だ。

 ここには赤黒い髪と瞳をした色白の吸血鬼を思わせる中性的な女性と胡桃色の長い髪と瞳が特徴の女性がいた。

 二人とも灰色の宗教服を着ていた。

 ルバートとフォルテだ。彼女らは礼拝堂で祈りを捧げていた。


「祈りを捧げるなんて久し振りだ」

「そうだね、君はあまりやりたがらないし」

「戦いは…もう始まるんだね。あー、腕が鳴るね~、ワクワクするよ」

「そんな事思っているのはあなただけだよ、ルバート」


 フォルテは皮肉混じりにそう言った。

 ルバートとフォルテはヘレトーアの代表として四大帝国会議に参加する。

 以前参加していたアントとデミウルゴスが死んだ為、二人が参加する事になった。

 あのヘレトーア戦争の後、上層部の不正な行いが露見し、二人はずっとしの対処に当たっていた。

 それにより、ルバートはヘレトーアセイント教の神官を勤めつつヘレトーアの総帥代理を勤めている。

 フォルテはそのサポートをしているというのが現状だ。


「まぁね、戦争なんて多くの人からしたら楽しいモノじゃない。戦争を楽しめる者なんて僕みたいな魔を極めんとする酔狂者か、戦争無しでは生きてはいけない狂人くらいだろうね。まぁ、いずれにしても狂ってるのは共通してるけどね」


 ルバートはそう呟いた。

 戦争は多くの者からすれば楽しいモノでは無い。

 何故なら、戦争はどちらかの命が奪われるからだ。

 勝ったとしても戦争には必ず犠牲が付き物だ。

 戦争に勝って喜ぶのは一部の者だけだろう。


「あなたは本当におかしな事を言うわね」

「それが僕さ。あー、うずうずするな~」

「そんなに戦いが楽しい?」

「戦いが楽しいというより、魔を極めるのが楽しいんだよ。戦争以外で魔を極める事が出来れば別にそれでもいいよ」


 そう、ルバートが戦う理由は一つ。

 魔を極める事だ。

 ルバートは魔法が好きだ。霊術が好きだ。

 それを極める事が出来れば何でもいいのだ。

 魔を極めるのに最適なのが戦争というだけでそれ以外に効果的な方法があるのならルバートはそれを採用する。


「そんなに魔術や霊術が好きなの?」

「うん、嵌まれば嵌まる程、奥が深くて…そして知りたくなる…恋愛と似てるかもね」

「あなた恋愛なんてした事無いでしょ…」


 フォルテは呆れる様にそう言った。

 フォルテはルバートと違って魔を極めたい訳では無く、自身の種族を守る為に戦っている。

 フォルテは妖精族(エルフ)と呼ばれる魔族だ。

 妖精族(エルフ)はヘレトーアにのみ生息する希少な種族であり、それを守るのがフォルテの戦う理由だ。

 フォルテは妖精族(エルフ)の若き族長であり、責任感も強い。


「さぁて…そろそろ行こうかな」


 ルバートがそう言うとフォルテと共に歩き出した。






「さぁて…いよいよ動き出さないとね」


 長い白髪に真っ黒い瞳の少女がそう言った。

 彼女の名はルミナス・アークキエル・ローマカイザー。

 神聖ローマの皇帝であり、歴代最強の皇帝陛下と名高い。

 長くに渡るローマの内乱を治め、事実上ローマを統一した。

 USWのカーシス・ベルセルク、ヘレトーアのアラルガンド・セクラム、十二支連合帝国の閻魔弦地が死んだ事により兵力が激減した中、ローマは完全に統一した。

 現在、神聖ローマが四大帝国最強の国と名高い。

 更にUSWの光明庁長官であったカーシス・ベルセルク…いや、本当の名はクリフォト・ユールスナールは四大帝国会議の管理者を勤めていたのだがクリフォト死亡により、管理者がルミナスに移った。

 これにより、四大帝国はルミナスがほぼ完全に掌握したと言っても過言では無い。

 十二支連合帝国は常森厳陣が総帥になった為、他の二国と違い、安定しているがヘレトーアはアラルガンドの死が大きく、未だに力は失ったままであり、USWに至っては光明庁の暗殺組織のアンタレスのリーダーであるドゥームプロモ・ドラコニキルが務めている状態だ。

 現在、ルミナスは長い黒髪と紫色の瞳を持つ男性と一緒に四大帝国会議が開かれる『オルガリア』へと向かっていた。

 彼の名はローグヴェルト・マクガヴェイン。

 神聖ローマ最強の騎士団、セラフィム騎士団団長である。

 オルガリアとは神聖ローマの首都である『エルサレム』の隣にある大きな街であり、『鏡の城』がある。

 鏡の城とはオルガリアにある大きな城であり、誰が造ったのか、いつからあるのかは不明な謎の城だ。


「と言うのが表向きの見解だけど…鏡の城は『世界宮殿(パルテノス)』をモデルに造られた人工の城」

「あなたがわざわざこの場所に指定した事に意味があるのですか?」


 ローグヴェルトはそう言った。

 ローグヴェルトはルミナスに従っている。

 しかし、ローグヴェルトはルミナスの考えが分からない。

 分かる必要など無いと考えている。

 ローグヴェルトはルミナスに恩がある。

 ローグヴェルトはローマ聖戦で一度死んでいる。

 しかし、ルミナスが彼を生き返らせた。


「私達はこれから、世界と戦う…その為には…四大帝国と話し合う必要があるわ。その為にここを選んだ」

「パルテミシア十二神の様に…ですか?」

「何事もまずは猿真似から…という事よ」


 パルテミシア十二神…それは『世界宮殿(パルテノス)』を守護する最強の神々の事だ。

 彼等は十二人の神々がいるがその内半数が死んだ。

 かつて彼等は戦いに赴く時、『世界宮殿(パルテノス)』で話し合いをしたと言う。


「あなたらしく無いですね」

「そう?先人のやった事を真似てそこから自分で考えていく…それは普通の事よ」

「成る程…」


 ルミナスはただ進むだけだ。

 ルミナスの願いの為に。


「辿り着いた…ここが…鏡の城…」


 ルミナスはそう呟いた。

 鏡の城はその名の通り鏡で出来た城…という訳では無く、見た目は石で出来た城だ。

 この城にある中心部の部屋が鏡の様になっているから鏡の城…というらしい。


「比翼の鳥…」

「?」

「片方しか翼を持たず、雄と雌…つがいに寄り添わなければ飛べない不完全な生き物…」

「中国の神話に出てくる鳥ですね。それが何か?」

「この世界の真理だなと思っただけよ」

「?」

「誰かと共に生きなければ人は…魔族生きていけないわ。比翼の鳥はそれを端的に表している」


 そう、人は…魔族は…一人では生きていけない。

 比翼の鳥は二人で寄り添わなければ空を飛べない。

 だけど…ルミナスはそんな生き方を…綺麗だと…美しいと感じた。

 だが、ルミナスは知っている。誰かと繋がる事は簡単では無いと。

 ルミナスは比翼の鳥の様にはなれない。少なくとも…今のままでは…


「だからこそ…私には…」


 ルミナスはそう呟いた。

 ルミナスは誰にも自分の本心を話した事は無い。

 誰かと繋がっていないと生きてはいけない。

 だが、ルミナスはそれを拒んでいる。

 矛盾している、そう、ルミナスはどこか矛盾しているのだ。

 もう…止まれないのだ。


「ルミナス陛下は案外ロマンチストなんですね」

「何を言うの?私は花を恥じらう乙女よ」

「よくもまぁそんな事を言えたモノですね」


 ローグヴェルトはルミナスに皮肉混じりにそう言った。


「ようやく来たな」


 ルミナスの眼前に黒髪に蒼い瞳の青年がいた。

 そう、彼はルミナスが最も愛し、最も焦がれた男だ。

 彼の名は時神蒼、ルミナスの義理の弟だ。

 どうやら、十二支連合帝国は既に到着していた様だ。


「フローフル…久し振りね」

「そうだな…直接会うのは五年降りだ」

「ええ、そうね」


 ルミナスは蒼を通り過ぎて行った。

 蒼も何も言わなかった。

 蒼はルミナスに思うところはあった。

 しかし、今の蒼ではルミナスをどうする事も出来ない。

 ルミナスはそのまま鏡の城へと入って行った。

 中心の部屋には既にルミナス以外の四大帝国が集結していた。


「総議長が一番最後なんて余裕だね」


 ルバートが皮肉混じりにそう言った。


「ふー、さっさと始めようか。総議長殿」


 ドラコニキルがそう言った。


「さぁ、始めようか」


 厳陣が厳格にそう言った。


「そうね、始めましょう。平和の為の話し合いを」


 ルミナスは笑みを浮かべながらそう言った。


「平和の為の話し合いとはよく言えたモノだな」

「平和とは戦争の先にあるのよ」

「それは勝者の理論だ」


 厳陣はルミナスの言葉に難色を示していた。

 今回の話し合いは言うまでも無い、プラネット・サーカスについてだ。

 彼等は四大帝国以外の国を事実上征服した。

 そして、近い内に四大帝国侵攻も予想されている。

 その前に四大帝国で連合を組み、プラネット・サーカスを打倒するというのが今回の話し合いの内容だ。

 ルミナスは平和の為の話し合いと言うが実際は戦争の話だ。

 平和とは程遠い。だがルミナスは本気で平和の為の話し合いだと思っている。


「勝者は常に肯定され、敗者は常に淘汰される。それは今までの歴史が証明しているわ」

「確かに、勝者が肯定され、敗者は淘汰される…だが、それが全てでは無い。いや、そうであってはならない」

「見解の相違ね。あなたと私では考えが異なるわ。そんな下らない話をするのであればさっさと話を始めたいのだけれど」


 ルミナスは周囲を眺めながらそう言った。

 周囲には四大帝国の国の者たちがルミナス達の上から眺めていた。

 下にいるのはルミナス、厳陣、ドラコニキル、ルバートの四人がいた。

 この四人以外の者は上の席で眺めていた。

 蒼も既にこの席に着いていた。


「あの人が…ルミナス…」


 一夜がそう呟いた。

 蒼達の中でルミナスに会った事があるのは蒼と慧留だけだ。

 慧留も会った事があるとはいっても立体映像(ホログラム)で会ったに過ぎない。

 実際に会った事があるのは蒼だけだ。


「なんか…異質な感じがしますね…」


 美浪はそう言った。

 そう、ルミナスは異質なのだ。

 何が異質なのかは分からないがとにかく異質なのだ。


「時神の姉弟とは思えねぇな」


 屍の言う事も最もだろう。

 確かに蒼とルミナスは性格が全く異なる。


「人には目に見えない一面があるという事じゃ」


 舞がそう言った。

 確かに人は誰でも二面性を持つものだ。

 それは魔族であっても変わらない。


「さて、それでは、四大帝国会議を始めましょう」


 ルミナスがそう言うと四大帝国会議は始まりを告げた。








「さて、とうとう僕達も動き出す時が来た!(*´∀`)」


 ピエロの服に黄色い髪、赤と黄色のオッドアイ、頬に涙のペイントがある男がそう言った。

 彼の名は神混髏奇(こうまるく)。プラネット・サーカスのメンバーの一人だ。

 彼はプラネット・サーカスの実質的なリーダーであり、纏め役でもある。

 とは言え、真のリーダーはオーディンと呼ばれる存在であり、髏奇は代行者に過ぎない。


「全てはオーディン様の名の元に」


 白色の短めの髪に青色の猫目、修道服が特徴の女性がそう言った。

 彼女の名はアリアナ・サンタマザー。彼女も髏奇と同じプラネット・サーカスのメンバーだ。

 彼女はプラネット・サーカスのリーダーであるオーディンに執心しており、狂信者としても有名である。


「ふふふ…楽しくなって来たのだ」


 黄緑色の髪と瞳、肥満体型でピチピチした服を着ている男がそう言った。

 彼の名はクメール・サロットサロット。プラネット・サーカスのメンバーだ。

 彼はプラネット・サーカス随一の危ない性癖の持ち主であり、なんと自身の野望の為に子供だけの国を造るという暴挙に出た。

 彼のそのぶっ飛んだ行動に同じメンバーですらドン引きしている者もいるくらいだ。


「取り合えず、先遣隊は僕ら三人で行くよ」


 彼等は今、鏡の城の近くまで来ていた。

 四大帝国会議の会場へ攻撃を仕掛ける。


「仕掛けてくるのは向こうも予想しているでしょうけど…たったの三人で攻め込むなんて予想外でしょうね…」

「まぁ、今回は前哨戦なのだ。そこまでガチで仕掛ける必要は無いのだ」

「そうそう、僕らプラネット・サーカスの力を見せつける為のパフォーマンスだ。(*´∀`)あー、オラワクワクすっぞ!(^-^)」


 髏奇がどこかで聞いたような台詞を口にした。

 まぁ、二人ともスルーしたが。


「君達、僕の渾身のボケを無視しないでよ」

「今のはボケてましたの?」

「台詞を丸パクリしただけなのだつまらないのだ」

「君達、僕に対する扱いが年々…いや、日に日に雑になっているのは気のせいかな?(T_T)」

「気のせいですわ」

「むしろ慣れてきている気すらするのだ」

「一応、僕がこのプラネット・サーカスの筆頭なんだけどね?( ゜o゜)」

「あなたはオーディン様の代行に過ぎないですわ」

「そうそう、だからあまり威張らないで欲しいのだ」

「僕全然威張れてないんですけど(´д`|||)」


 髏奇は一応、プラネット・サーカスの筆頭の筈なのだがあの性格のせいで言いたい放題仲間に言われる。

 まぁ、今に始まった事では無いのだがやはり日に日に扱いが悪くなって来ているのは髏奇としてはあまり気持ちの良いものではない。


「まぁ、いいよ。今回は特に作戦なんか立てないし」

「我輩達は好きなように戦い、好きなように幼女達と遊ぶのだ!」

「いやそれはあなただけですわ。あなたの気持ち悪い趣味をワタクシに押し付けないでくださいまし」

「そうだね、ロリコンは社会的に死ぬべきだね\(^o^)/」

「我輩の扱いも日に日に悪化している気がするのだ」

「「大丈夫だよ(ですわ)。それだけは絶対に無い(ありえませんわ)」」

「自分、涙いいっすか?」


 やはりクメールは自身の扱いが悪くなってきている事を気のせいとは思えなかった。

 少なくとも髏奇よりもよっぽど扱いが悪いだろう。


「ふふふ…まぁ、気にしないのだ。我輩の崇高な趣味を貴殿達にどう言われようが気にしないのだ」

「勝手にしてくださいまし」

「同感だよ(* ̄∇ ̄*)」


 クメールの性癖を理解出来る者などそうはいないだろう。

 アリアナも髏奇も面倒臭そうに話を切った。

 相手は四大帝国…現在は鏡の城で四大帝国会議が行われている。

 会議の内容は言わずもがな。プラネット・サーカスについてだろう。

 プラネット・サーカスが四大帝国以外の小国を掌握した事は恐らく出回っている。

 しかし、プラネット・サーカスの情報は四大帝国にはそこまで漏洩はしていない。

 プラネット・サーカスの幹部である『童話人(グリム)』は手配書(アオス・テーター)Sランクの犯罪者で構成されている組織であり、あらゆる国の人物がいる。

 例えば以前に十二支連合帝国を襲撃した擬流跡土(ぎりゅうあと)は十二支連合帝国出身の人間であり、アリアナはロシアスタンという神聖ローマ参下の小国の出身の人間であり、クメールはカンポジアというヘレトーア参下の国の出身の天使だ。

 この様にプラネット・サーカスは種族、出身もバラバラであり、一貫性がない。

 更にあまり表だって行動する事も少ないためアンダーグラウンドな組織であると言える。


「目にものを見せて差し上げましょう…オーディン様から授かったこの力…存分に振るいますわ!」


 アリアナはオーディンを強く信仰している。

 彼女はオーディンにかつて救われた事がある。

 そのオーディンの為に今は戦っている。

 オーディンとはプラネット・サーカスを作り上げた神であり、象徴とも言える存在だ。

 アリアナはオーディンの狂信者として世に知られていた。


「汚れた大人を粛清し!子供だけの平和な世界を創るのだ!」


 クメールは男女問わず小さい子供が好きであり、支配しようとしている。

 クメールは知っている。大人になれば汚れてしまう。

 だからこそ、子供だけの汚れの無い世界を創り、自身の安寧を築こうとしている。

 そう、クメールにとって子供だけの世界は理想郷(ユートピア)なのだ。


「君達、盛り上がるのは良いけど今回の目的は殲滅じゃなくて向こうと交渉するのが目的だからね?分かってる?(^o^;)」

「殲滅すればオーディン様の贄に出来るからそれでいいですわ。まぁ、ワタクシはワタクシで好きなようにやらせて貰いますわ」

「同感なのだ。まぁ、幼女やショタがいれば話は別なのだがな!」

「はぁ~(T_T)もう好きにしてくれ(--;)」


 髏奇は諦めた様にそう呟いた。

 そもそも個人思想の強い集団なので纏まって行動するなんて方が無理な話だ。

 それならばいっそバラバラで動いてやりたいようにやった方が都合がいいだろう。

 プラネット・サーカスは一人一人の戦闘力だけは信用出来る。

 個人行動をさせた方が都合がいいのだ。

 髏奇はそれを改めて再確認した後、こう告げた。


「じゃあ、行こうか。戦争(パーティ)の始まりだ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆」

「ええ」

「おう!」


 髏奇達は鏡の城へと走り出した。

 そして、三人ともそれぞれ別々に別れ、鏡の城へと入って行った。

 【第十章】スタートしました。はい、何故こんなに投稿に期間が空いてしまったのかというと理由は二つありまして一つはまだこの話を終わらせられていないのともう一つはダリフラロスに見舞われてたからです(現在も続いてる)。現在、ダリフラの二次創作に傾倒しており、マジで話を書けていません(泣)。なので当分、フェアレーターノアールの執筆速度は滅茶苦茶落ちます。すみません。でも終わりは見えてるので必ず完結はさせます。

 ダリフラは僕がここ数年で一番はまった作品でそれ故にロスが凄いです(苦笑)。しばらくはダリフラの二次創作をpixivで書きますのでそちらも見ていただくと幸いです。まぁ、主人公とメインヒロインのカップルの二次創作しか基本書きませんけど(ユーザー名は青色)。

 今回の後書きは半分以上ダリフラの話になってしまいましたが必ずやペースを戻しますので。

 それではまたお会いしましょう!

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