表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フェアレーターノアール  作者: たい焼き
【第一章】十二支連合帝国篇
12/196

EXTRAー買い物ー

 「そうだね、どこか行こか?」

 慧留がそう言うと蒼はそれに同意し、一夜も誘い、三人でショッピングに行く事に。

 彼らの日常の一つが描かれる。

「はぁ~、疲れた…やっぱ学校は面倒くさいな…」

 時神蒼(ときがみあお)がそう呟いた。白黒髪と青と黒のオッドアイが特徴の少年だ。

「そんなこというものじゃないよ、蒼」

 月影慧留(つきかげえる)がそう蒼に言った。

「明日は休みだな」

 蒼は更に続けた。蒼と慧留が入学してから一月ほどたっていた。

「そうだね、どこか行こうか?」

 慧留がそう言うと蒼も同意した。

「そうだな、たまにはどっか出かけるのもいいかもな。けど、俺あんまここの事わかんないからな~、一夜でも誘うか」

「そうだね、一夜さんがいた方が迷わなくて済むしね」

「じゃあ、そうするか」

 蒼と慧留はそう言って二人はそれぞれの部屋に帰って行った。




「う~ん、何でお前までいるんだ?美浪?」

 蒼がそう呟いた。今、蒼と慧留、そして一夜と美浪がいる場所は秋葉原であった。

「あ~、今日私も用事があったから一夜さんに話を聞いて一緒に行こうと思って」

 「アザミの花」との戦いから三日が経っていた。美浪は蒼と慧留とはあまり話したことが無い為、少し戸惑っている所もあるがたまにはこういうのもいいだろうと思った。

「なんか美浪一人いるだけで全然違うな」

 蒼がそう言うと一夜が答えた。

「そうだね。僕は最近、蒼や慧留ちゃんと一緒にいる事が多かったし、美浪ちゃんとも知り合いだけど、この四人というのも珍しいね」

「でも、いいじゃないですか。楽しそうです」

 慧留は目を輝かせながらそう答えた。蒼と一夜、美浪は微笑を浮かべた。

「じゃあ、行こっか」

 美浪がそう言うと四人は歩き出した。




 その後、四人はショッピングモールで買い物をしていた。蒼も慧留も美浪も服が買いたいからという理由である。

 しかし、一夜のみは服を買おうとはしなかった。

「一夜、お前は買わなくていいのかよ」

「僕は同じ服がいくつもあるから必要ないね」

 一夜はそう答えた。彼の私服は灰色の服と黒のジーンズだった。そう言えば私服の時はいつもこの格好だった。

「一夜さん…ちょっとはおしゃれした方が…」

 蒼の後ろにいた美浪がそう呟いた。因みに慧留は今、服を選んでる最中だ。

「面倒くさいから嫌だね。それに興味もない」

「お前も高校生なんだし、そう言うのにも目を向けろよ…そんなんだから不気味がられるんだぞ」

 蒼がそう言うと一夜は「そんなことはどうでもいい」と言った顔をした。

「一夜さん…相変わらずですね…」

「…だな」

 美浪と蒼は呆れたようにそう答えた。一夜は昔から自分の興味が無いことにはとことん無頓着であり、目を向けない。

「まぁ、いっか。行こうぜ、美浪」

「うん」

 そう言って蒼と美浪は一夜を置いて服を探しに行った。




 蒼はその後、一人で服を選びに行った。蒼と美浪が服を探しに行こうとしたところ、慧留と合流した後、慧留が「こういうのは女の子同士の方がいいの!」と言い、美浪を引っ張り出してしまったのだ。

「ったく、俺は結局一人かよ…一夜がいれば少しは気楽だったのにな」

 蒼は一夜に怒りを向けた。と、少し蒼は今までの生活を少し振り返っていた。

「そう言えば…もう、二か月になるのか…」

 そう、蒼と慧留が一宮高校に来てから二ヶ月が経っていた。しかし、色々ありずぎてとても二か月ととは思えない時間のたち方をしていると蒼は思った。

 蒼の感覚ではもっと立っていているだろうと思っていた。

 蒼は一宮高校に来てから、慧留に振り回されるわ、副会長にボコられるわ、「アザミの花」と激戦を繰り広げるわで色々ありすぎた。

「あいつらはどうなってんだろうな…」

 蒼は「アザミの花」の者たちが頭によぎった。「アザミの花」はこの「十二支連合帝国」で人間に迫害された魔族の集まりであり、彼らは人間に復讐し、魔族にとって住みやすい世界にすることを掲げていた組織である。

 蒼はそんな「アザミの花」とは価値観の違い、出会い方、様々な要素が重なった結果争うことになった。しかし、蒼は彼らを否定することは出来なかった。

 彼らは彼らなりの信念があり、元をただせばそうなったのもこの国の国民のせいとも取れる。

 しかし、今、蒼が考えてもどうしようもないことだった。なんせ、蒼はあの戦い以降、彼らとは会っていないし、どうなるかも分からないからだ。

「さてと、これでいいか」

 蒼は服を一通り選び終わるとすぐにレジに行った。

「そう言えば…生徒会の奴とこうしてプライベートでどっか行くは初めてかもな」

 蒼はそう呟いた。まぁ、蒼たちが生徒会に入った直後に「アザミの花」が攻め込んで来たから機会が無かったと言われればそこまでだが…

「俺…一夜以外の奴の事…あんま分かってないからな…」

 蒼は更に呟いた。そう、蒼は一夜以外の生徒会のメンバーの事はあまり分かっていない。仲間と言われればそうだが、友達とは違う気がする。蒼は他の生徒会とはあまり話したことが無い。慧留と一夜、同じクラスの湊とは話す機会が多いものの、それ以外のメンバーとはあまり話せていない。特に美浪とは。

 慧留とは学校で知り合う前に出会ってるとは言え、蒼はそこまで慧留の事を知っている訳では無い。

「なんか…色々めんどくさそうだな…」

 蒼はそう呟いた。



 慧留と美浪は二人で服を選んでいた。慧留は今までこういった所にあまり行ったことが無かった為、かなり服選びに迷っていた。

「あ、これなんかええんやない?」

 美浪がそう言うと慧留がその服を見た。

「うん、そうだね…」

「どうしたん?元気ないね?」

「あ、ごめん。友達とこういうところ言ったことが無かったから…」

「そうなんだ…」

 美浪は驚いたようにそう言った。

「そう言えば…美浪ちゃんは苗木さんといつ知り合ったの?」

 慧留は美浪に尋ねた。慧留は純粋に興味を持っていた。

「ああ、苗木さんはウチが小さい頃に知り合ったんよ。まぁ、色々あってな~。この国は魔族に対する迫害が凄いのは知っとるやろ?ウチも迫害されとって…それを助けてくれたんが苗木さんやったんよ」

「そうだったんだ…」

「あ、そんなに暗い顔せんといて、昔の事やし」

 慧留は気まずそうに眼を逸らした。そして、逸らした目の先のあるものに慧留は目が移った。

「あれは何?」

 慧留が言うと美浪がそれを見た。

「ああ、あれはゲーセンやね。色々なゲームがあるんよ。興味があるなら行ってみる?」

「うん!行こう行こう!」

 慧留は笑顔でそう言ってゲーセンに言った。




「やぁ、二人とも!服選びは終わったのかい?」

 一夜がクレーンゲームをしながら慧留と美浪に話しかけた。

「苗木さん…それ…」

「ああ、今日の夜食だよ。食料確保はゲーセンが楽だからね」

 一夜がそう言うと慧留が微妙そうな顔をした。

「身体に悪いですよ…お菓子ばっかりだし…」

「空腹を抑えれればなんでもいいのさ」

「苗木さんは基本的に衣食住は気にしないから…」

 美浪が慧留にそう言った。

「興味ないからね」

 一夜が誇らしげにそう言った。

「そこは多少は気にしましょうよ…」

 慧留が呆れたようにそう言った。

「服も選んでないんですよね…その様子じゃあ」

「勿論!!」

 またしても一夜は誇らしげに言った。

「はぁ…」

 美浪もまた呆れていた。

「そんなことより、君たちもゲームをしに来たのだろう?」

「まぁ、そうですけど…」

「なら、美浪ちゃん、久しぶりに勝負をしようじゃないか」

「いいですよ」

 一夜と慧留は目が鋭くなっていた。どうやら勝負事で火が付いたようだ。

「ええ…」

 慧留が動揺したように二人を見ていた。




 一夜と美浪は音ゲーのスコア対決をしていた。慧留は二人の余りの光景に絶句していた。蒼も慧留の隣で二人を見ていた。

 二人が勝負を始めてる途中で蒼が服を選び終わり、慧留たちと合流したのだ。

「すごい…何が何だか全然分からないけど…ねぇ、蒼、あれってどういうゲームなの?」

 慧留がそう言うと蒼が淡々と説明を始めた。

「あれは音ゲーだ。例えばあの二人がやってるゲームはあの、丸いところにアイコンが来た瞬間にリズムに合わせて叩くんだ。音に合わせて叩いて、コンボを繋げてスコアを競うんだ。失敗するとコンボが途切れてリセットされる。リセットされると得点ボーナスもリセットされる。要はコンボを重ねて得点を競うゲームだ」

「へぇ~、でもあれ、かなり難しそうなんだけど…」

「最高難易度だからな…俺もあれは出来ん…」

 二人が話していると一夜と美浪は曲を終えていた。二人共フルコンボだった。しかし、スコアは僅差で一夜が勝っていた。

「二人共フルコンボなのに一夜さんが勝った?」

「ああ、あれはコンボを繋げるのは「良」と「可」の二つあって、「良」の方が多く得点が加点されるんだ。一夜の方が「良」が多かったから一夜が勝ったんだよ」

 蒼が淡々と再び説明した。

「奥が深いんだね~」

「ああ、あの音ゲーは奥が深すぎるゲームだ…俺も一時一夜とやってたんだが…な…」

 蒼は遠い眼で見るようにそう言っていた。慧留はそれ以上聞かないようにした。

「はぁ~、一夜さんは強いですね~」

「ははは、それほどでも。まぁ、僕の腕についてこれるのは君くらいだからね」

 美浪と一夜が会話していると蒼と慧留は遠い眼をしていた。

「ねぇ、蒼、私クレーンゲームやりたい」

 慧留が蒼にそう言うと一夜と美浪が反応した。

「いいね、行こう!」

「って、一夜さんさっきも行ってましたよね!?」





 慧留はクレーンゲームに挑戦していた。

「クマのぬいぐるみか…」

 蒼がそう呟いた。しかし、中々取れない様子だった。蒼はゲーセンのゲームを一通りかじって入るがお世辞にも特にではない。

「う~ん、そこは中々難易度高いよ?他のにしても…」

 一夜がそう言いかけると美浪が慧留に声をかけた。

「ウチも手伝うよ。ウチの合図でボタンを動かして」

 美浪がそう言うと慧留が頷いた。

「じゃあ、押して」

 慧留が美浪の指示に従い、ボタンを押した。

「離して」

 慧留は美浪の指示でボタンを離した。

「押して」

 再び慧留は美浪の指示でボタンを押した。

「今や!離して!」

 美浪がそう言うと慧留はボタンを離した。その瞬間、アームはクマのぬいぐるみを掴んだ。そしてそのままクマのぬいぐるみを取ることに成功した。

「やった!!」

 慧留は歓喜の声を上げた。

「ほぉ~、あれを取るとは…」

 一夜が感心したように言った。

「やったね、慧留ちゃん」

 美浪がそう言うと慧留は嬉しそうに笑った。慧留は今までこのような経験をしたことが無かったのでとても嬉しかったのだ。

「うん!ありがとう!美浪ちゃん!」

 慧留がそう言うと美浪も嬉しそうな顔をした。一夜と蒼はそれを微笑ましく眺めていた。




 美浪は家に戻っていた。あの後、四人でプリクラを撮り、そのまま、四人は解散した。

「ふふ…」

 美浪は撮ったプリクラを眺めていた。そこに写っていたのはしかめっ面の蒼とぎこちなく笑う一夜と笑顔の美浪と慧留が写っていた。

 美浪は蒼や慧留と…特に慧留とはほとんど会話したことが無かった。だから、今回で少しは仲良くなれて良かったと思っていた。

「いい人たちでよかった…」

 美浪はそう言って、ベッドに入ってそのまま眠った。




 THE END


 短編を投稿させてもらいました。日常回も書いてみたかったのです。今回は蒼、慧留、一夜、美浪の四人だけでしたが、これからも色々、合間合間に短編を出そうと思います。

 次からは本編に戻ります。次の話は恐らく、『十二支連合帝国篇』よりは短いです。まぁ、ぶっちゃけ、ここまで見てくれた方なら分かると思うのですが、次の話は「十二支連合帝国篇」の後日談的な内容なんです。しかし、これから重要になってくる人物が続々と出る話ですので気長に待っていてください。勿論この話が終わった後も物語は続きます。それではまた!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ