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第20話 再会そして再会


 くそ、見当たらないぞ……!

 まさかあんな奇天烈な脱出をするとは思わなかった。

 しかも律儀にシートベルトを締めていたような気がする。

 絶対に逃さないぞ!


 とりあえず、残ったトラック部分は徹底的に分解した。

 そして使えそうなものに関しては、ちゃんと貰っておこう。

 それにしても、よく爆発しなかったな!?

 トラック部分はあくまで付属品だったということかな?


「……まあ、それは置いとこう。それより、本体探さないと」

「人の多い場所を探してみてはいかがでしょうか?」


 エールズが提案してくれた。


「確かに、あれは積極的に人に危害を加えようと現れる傾向があるよね」

「加えて、わたし達がいることで彼らへの牽制にもなります」

「さすがエールズ! 賢いぞ!」

「えへへ……」



 そして。

 足跡とか轍とか、後は遠くの光の反応とかから分析・計測した結果、ついに俺達は人里を見つけた。

 正確に言えば湖面を囲った城壁……みたいな城塞都市だけど。

 あれだけの規模があるなら、情報も集まるかもしれない!



 それじゃあ、早速お邪魔しよう!

 スイスイ~……――



            ――ズボッ



「ズボ?」


 何の音だろう?

 恐る恐る確認してみると、右足が何かに掴まれて……いや、これは!


「「「足が飲まれてる!!」」」


 思わずモニターに表示してしまったせいで、みんなで揃って絶叫する羽目になった。

 なんかオレンジ色のカピバラっぽいゆるい生命体に、右足が呑み込まれてるんだけど……。


 一体これは、何だ?

 新手のレヴノイドか何かなのだろうか?


「ほら、かかったニャ!」

「すごいミャ! おねえちゃんの言った通りだミャ!」


 そういえば獣人はまだ見たことが無かったような気がする。

 なんて呑気なことを考えていると、コックピットに緑色の何かがビターンッと張り付いた。


 視点を変えて観察すると、それは紐状の粘液みたいなもののようだ。

 猫耳の小さい子が二人ほど、手に持った紐を縮めながらコックピットに登ってきている。

 双子……かな?

 片方はグレーの髪で、もう片方が薄茶色の三毛猫みたいな模様の髪だ。


 と。

 いきなりレキリアが、コックピットハッチをバァンと開いた。


「んニャアアアア! おち、おちる!!」

「姉さん、しっかり捕まってミャ!!」

「ひぃ、ひぃ、ひぃ……」


「うぬめら何者だ、名を名乗れぇぃ!」


 ハイテンションすぎない?

 頼むから罠とか警戒しよう?


「そっちから名乗るべきニャ」

「そーだミャ!」

「ウチはレキリア。天才聖鉄鍛冶レキリア様だ! 残り二人が……麗しのパイロットにして亡国の姫エールズ!! そして最強スペックの聖鉄……勇者ヴァルハリオンだ!!」


 両腕をいっぱいに広げて、ドヤ顔で紹介を始めた。

 恥ずかしいから名前だけにしてほしかった。


「天才とか勇者とか、初耳だニャ……どうせ自称だニャ――あ痛ッ」


 レキリアが、グレーの髪の猫耳っ子の胸ぐらを掴む。


「こっちは名乗った。そっちはどうだ?」

「まあまあまあまあまあ!」


 ここはちょっと仲裁に入らないと、なんかこじれそうだ。

 できることなら穏便に済ませたい。

 話が通じる相手なら!



 *  *  *



「――と、いうわけで。つまり俺をレヴノイドだと勘違いしていたんだね?」

「ゆるしてニャン★」


 グレーの髪のほう、姉猫メリー・テ・ンーヤが手首をしならせてあざといポーズを取る。

 続いて三毛猫のほう、弟猫ハリー・ワ・ンーヤも真似しようとするけど、いまいち形になっていない。


「なんだねチミ達~、そんなに尻尾引っ張られたいのかな~? ん~?」

「た、助けてニャー!!」

「謝り方にも作法ってもんがあるんだぞ~?」


 こら。

 二人で身を寄せ合ってすごく震えちゃってるじゃないか。

 荒れ地のゴツゴツした地面の上に正座させてるんだから、もうちょっと手心を加えてあげてもいいと思うよ。


 どうでもいいけどメリハリでテンヤワンヤって、なかなかひどいネーミングセンスだぞ。

 この世界の神様はひどく疲れているようだ……。


「それで、レヴノイドを捕まえようとしたのは、何が目的なの?」

「部品を集めて聖鉄の強化パーツにしようと思ったんだニャ」

「君たちと、この、オレンジ色の……」


 外してもらったばかりのオレンジ色のゆるゆるな生命体が、猫姉妹の背後にいた。

 結局この子は何者なんだ?


「ゴッツくんだニャ!」


 はぁ~、ゴッツくんね……。


「正直、真正面からレヴノイドと戦ったら勝てないけど、搦手を使えばどうということはないニャ! 聖鉄に頼らずレヴノイドを倒す! これこそが私達姉弟の最適解だニャ!」

「たくましいね……」

「えっへんだニャ!」

「ミャ!」


 誤解も解けたことだし、街の案内でもしてもらおうかな。

 なんて思ったのも束の間――



 ――ウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウウウ!!


 サイレンが街中から鳴り響いた。

 何事!?


「本物のレヴノイドが来ちゃったニャ……」


 なら、望むところだ。


「俺達はレヴノイドを追い払うために、探していたんだ。街に被害が出る前にね」

「勘違いしちゃった負い目はあるけど恥を忍んでお頼み申し上げるニャ」

「ボク達の街を、助けて欲しいミャ」

「任せて。とりあえず、二人は街に戻って!」

「「わかったニャ!(ミャ!)」」

 

 始めよう。

 俺達は、そのために戦っているのだから。

 やられる前に、手厚く歓迎してやるぞ!




「オ前モ転生者ニシテヤローカー!!」


 聞き慣れた声……!

 奴が、来た!


 けれど、その姿はかなり変化していた。

 運転席の下がタコみたいな八本足になっていて、足の一つ一つが通常サイズの8tトラックの集合体に……なんだこれ! 狂ってる!


「ありゃー……ひときわナンセンスなデザインになって帰ってきたね……」

「オ前モ転生者ニシテヤローカー発進!!」


 なんだよ、発進って!

 うわ、タコ足から分裂したトラックがいっぱい発進した!!


「止まれ、止まれ! 事故防止だ! 人身事故反対!!」


 目からビーム……なぎ払い!

 あ、普通に全部壊せた。

 こっちはそんなに強くないみたいだ。

 というより、ただのトラックじゃないか!

 これほどの量、何処から調達したんだ……?


「オ前モ転生者ニシテヤローカー!!」


 まだ吐き出すつもりか!

 懲りない奴!!


「一体、何の恨みがあってこんな真似をするんだ!」

「恨ミナドナイ! 義務ユエニ轢キ殺ス!」

「義務で死人を出されてたまるか! 成敗!」


 ズビビビビビビビッ!

 ドドドドドッドゴォオオオオ


 目からビームのなぎ払いで足のトラック集合体を破壊!

 お前の好きにはさせないぞ、デュラハトック!


「――貴公、そこまでにせよ」


 ……!!


「この、声は……!」


 聞き覚えのある声を響かせながら、果たしてそいつは雲間からやってきた。

 俺とほぼ同じ構造のボディに、禍々しい大剣と、ドクロのフェイス。

 コックピットハッチは前回の反省を踏まえてか、追加装甲が施されていた。

 また背中には悪魔を思わせるコウモリのような翼が。


 右手の拳と右膝を地面につけ、スーパーヒーロー着地をした、こいつは……!


 間違えるはずがない。

 そう、奴は!!



「ガシャポンドクロ!」

「ううむ、違うな」



 あれ?


「ガッピチャンだったな!」

「それも違う。先刻のほうが近かったぞ。どうした、貴公?」


 えーっと……。

 フォーカスして、名前をもう一度調べよう。


 “魔導転生ガシャドゥーク”


「あ、ガシャドゥークだったね!」

「貴公……我輩を弄ぶとは、いい度胸ではないか」


 レヴノイドを同時に二体も相手にしなきゃいけないのか……。

 やむを得ないな!



 ティキキィーン!!


 という音と共に、身体が軽くなる。

 そして“ポーズが認証されました”というメッセージ。


「よし、まとめてやっつけるぞ!」

「はいっ!」「おうよ!」



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