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さらば、モナクスドムス

というわけで、カノンたちは王都に向かって出発することになりました。


「何が"というわけで"だ!全然わかんねぇよ!」


グリコの突っ込み虚しく、目の前にはGクラスのメンバーや大司教様などお世話になった面々が並んでいる。


「グリコ、何言ってるんだ。当然の流れだろ。お前らは旅人、ここでの事件も終わり、旅立ちの時。ついでに、王都に行くなら届けて欲しいものもあるので、頼んだぞ。」


カイトが当たり前だろ的な顔で言う。


「それに、あの赤い玉の解析は急いでほしいからこうしてすぐに見送りって形になっちゃったけど、みんなの向かう場所も王都なんでしょ?」


何も問題ないですよねとパルルは笑顔で手を振る。


「うん、ちょっと名残惜しいけど、そろそろ出発しないといけないよね。」


両手に抱えたクッキーの袋を大事そうに持ったカノンが言う。


「お前が名残惜しいのはクッキーの方だろ!」


グリコの突っ込みで笑いが巻き起こる。


「そろそろくると思うんだけど、まだかな…。」


「何が来るの?」


デコポンの呟きにリンゴが質問する。


「というか、なんでここで待っているのかまだ聞いてないんだけど。」


そのリンゴの疑問に答えず、遠くから大きな音が近づいてくる。

その音が待ち人であることはモナクスドムスのメンバーの言葉で判明した。中でもパルルはとてもワクワクした顔で到着を待っているようだ。

そして、


「久しぶりやな、みんな!」


前後についている2つのタイヤで走る不思議な機械に乗り、ヘルメットを被った男が到着した。その機会の後ろには馬車の荷台が装着されている。


「ジャン!久しぶりー♪」


パルルが真っ先に飛び出し、飛びついた。


「よう、パルル…って、そっちかよ!」


パルルが抱きついているのは男が乗っていた機械の方だ。カノンたちにミルクが小声で解説してくれる。


「あの乗り物、魔導バイクって言うんだけどね、あれを作ったのがパルルとパルルの先輩なのよ。パルルは2人の最高傑作だって言って大切にしているの。」


パルル以外のメンバーは機械ではなく、男の方に挨拶する。


「ジャン、久しぶり。元気だった?」

「近くに来てたんだな。すぐ来てくれて助かったよ。」

「どの辺りまわっていたの?面白いものあった?」


などなど。誰が言っているかは判断つかないが、みんな彼を歓迎しているようだ。


「おう、元気だぞ。それで、依頼ってなんや?」


「この子たちを王都に連れて行って欲しいんだ。」


デコポンがカノンたちを紹介する。


「任せとき。王都までなら2日で行けるで!」


じゃあ、よろしくねとみんな口々に言っている。すでにカノンとリンゴはジャンの乗ってきた魔道バイクの荷台に乗り込んでいた。


「グリコー、置いてくよー。」


「いやいや、展開早すぎてついていけないから!」


置いていかれるわけにもいかないので、グリコも荷台へ乗り込む。荷台の中は他にも木箱や布袋など荷物が多く置いてあった。


「狭いところですまんなぁ。あっ、自己紹介まだやったな。俺はジャンや。よろしくな。」


よろしくお願いしますとカノンたちは自己紹介をする。ほな、出発するでとジャンは運転席に向かう。


「いや、だから展開早いって!」


そんなグリコの突っ込みは置いておき、外から別れの声が聞こえてくる。


「今回はいろいろあったけど、君たちが来てくれて良かったよ。また機会あったら遊びに来てね。ジャンの運転は荒いけど、気をつけてね。」


デコポンが笑って手を振る。


「俺は安全運転や!どこが荒いねん!」


「全部。乗っていればわかるよ。」


ミルクの言葉に全員が賛同する。

とにかく、出発だ。


「みんな〜、ありがと〜!またねー!」


カノンはリンゴとグリコの分までモナクスドムスに手を振っていた。

ジャンのバイクはすごいスピードで走るので、30秒にも満たなかったが。


「…ジャンさん!どこが…安全運転…なんですか!」


飛び跳ねる荷台の中、リンゴが運転席に叫ぶ。


「ん?何か言ったか?よう聞こえへんかった。」


バイクの音がすごく大きく、ジャンが何か言ってることはわかるが、カノンたちには声が聞こえない。ジャンも同様なのだろう。ジャンはヘルメットを被っているからなおさら聞こえないのかもしれない。


「カノン、預かったものだけ絶対落とすなよ!」


「わかった!」


グリコはカノンに確認するも、カノン自身が落ちそうになってて不安が募る。

グリコとリンゴは次止まったら思いっきりジャンに文句を言おうと決心した。

グリコ「次はやっと王都編だな。道中めんどくさくなって王都編に入ったとしか思えない流れだが…。」

リンゴ「いいんじゃない?もう、カノンの迷子に引き回されるの疲れたし。」

カノン「リンゴ、ひどーい。」

ジャン「まぁまぁ、落ち着き。すぐに着くから待っとき。」

カノン「ジャンは運転を落ち着かせたらいいと思う。」

ジャン「やかましいわ。振り落とされんよう乗ってろよ。」



てなわけで、次回から王都編です。

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