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謎を解き明かしに

最近はタイトル考えるのが大変になってきた。

でも、頑張る!

 お昼頃、サンチュは酒場の買い出しのため外に出てきていた。ミネラミコー側の門前まで来たのは本当に偶然だった。


「…ここ、どこ?」


 門の向こうに白い光が降り立ち、光が消えるとそこにはカノンたちが立っていた。


「えっ!カノンちゃん!?今の光は何??それから、後ろの子たちは?」


 サンチュに気づいたカノンたちが大きく手を振りながら門をくぐりサンチュの元へ駆け寄ってきた。


「サンチュさんがいるってことは、ここ、ノーステラですか?」


 リンゴがたどり着くなり質問する。サンチュがそうだと答えると3人は顔を見合わせ、とりあえずただいまと言った。

 何がどうなっているのかわからないので、ひとまずギルド連合に行こうということになった。



「それで、ヘルバさんという人によって気づいたらここに着いたと。」


 子どもたちの話をまとめ、状況をつかんだサンチュが言った。


「すごいね。まさかこんなに早く依頼達成しちゃうなんて。」


 スージーがパチパチと拍手しながら言う。依頼を受けてからまだ1日しか経っていない。カノンたちの後ろには涙目になっている元ユースティティア盗賊団がいた。


「まぁ、刑務所とかに入れられずに済んだんだから元気出せって。」


 苦笑いしながらグリコがクッパの頭を撫でる。

 クッパたちのことをサンチュと酒場にいたスージーに紹介するとノーステラの警察署長も酒場にやってきた。まだ子どもだからということと生きていくために仕方のない手段だったということになり処罰はなかったのだが、鬼のような顔の警察署長による長いお説教は免れることはできなかった。

 本日をもってユースティティア盗賊団解散。


「だけど、君たちこの後どうするの?」


 特にお咎めはなかったが、親がおらず、子どもだけで生きていく手段があるわけではない。金がないからと子どもを雇ってくれるところなんてそうそうないのだ。


「私の母のところへ行かせようと思います。」


 カノンが堂々とした様子で話す。ユースティティア盗賊団のところに泊まった夜、リンゴと話して決めていたのだ。


「いきなり飛び出しちゃったこともあるし、お母さん寂しがり屋だし。なにより、お母さんは教えるの上手だからこの子たちにいいかと思って。」


 カノンはそこまで話してクッパたちに向き直る。


「勝手に決めちゃってごめんね。私たちが育った村なんだけど、どうかな?」


 セブンとペンペンはよくわからないけどといった顔をしながら首を縦に振る。しかし、クッパは、


「禍を呼ぶとわかっていて人里に行くわけには行かない。俺はアニキについていくんだ!」


 机の縁を掴み、絶対動かない姿勢を示す。そこに、グリコが肩に手を置き言った。


「これから先は厳しい戦いになる。クッパ、お前はまだ未熟だ。だけど、鍛錬を積めばもっと強くなれる。俺が育った村で強くなって追いかけて来てくれないか。」


 その言葉にクッパは目をふせ、涙ぐんだ。


「アニキがそう言うのなら。俺、強くなって必ずアニキの元に駆けつけます。」


 クッパとグリコが泣きながら抱き合っているので、クッパたちの今後についてはこれで解決だろう。


「カノンちゃんたちはこれからどうするの?」


 サンチュがカノンに聞く。結局、昼夜魔法大戦についてまだ真相を把握していない。だから、次の目的地は…


「王様に会いに行きます。」

 はぁ?


 カノンの言葉にグリコとリンゴがハモって声を出す。


「いやいや、なんでよ。なんでいきなり王様でてくるの?」

「そうだよ、カノン。他の封印訪ねてみるとか、どこか大きな図書館探すとか、他にもあるでしょ。」


 グリコもリンゴも慌ててカノンを止める。

 忘れているかもしれないが、王様がいる王都はカノンが生まれた頃に襲われた場所である。一応、今も命を狙われる身なので、いきなり王都に突っ込むとか無謀でしかない。

 そんなやりとりを見てスージーが笑う。


「で、その封印ってどこにあるんだい?」


 スージーの問いかけにリンゴはカノンの持っている地図を広げる。


「・・・・・・・・・。」


 地図を見て固まるリンゴの周りにみんな集まる。


「あらあら。」


 地図を見てもわからない子どもたちに対して、サンチュとスージーは地図を見て苦笑いをする。

 地図の印は王都の近く1つと夜の世界に3つ記されていた。今、夜の世界に行く方法はないので、行けるとしたら王都の近くにある封印だ。


「そういえば、王都には学校もあるから大きな図書館もあるよ。」


 スージーの言葉にリンゴは複雑な顔をする。とにかく、これで次の目的地は決定だ。


《王都に行こう。》




「また作りすぎたか…。」


 ポプラは盛り付け終わった皿を見て思う。カノンが旅立った今食事は1人分でいいはずなのに、皿にも鍋にも食材がたっぷり入っている。

 ため息をつきながら鍋を台所に戻す。明日の朝と昼に食べればちょうどいいだろう。


「カノンたち、どうしているかな。」


 そんなことをつぶやいた時、外から子どもの声が聞こえてきた。


「アニキー!こっちだよ!きっとここだよ!」


 女の子の声だろう。もう外も暗いのにどこへ向かうのか。


「ほぉ、ここか。俺たちの長い旅もここで終わりか。」


 これは男の子の声だ。


「旅って言っても半日しか歩いてないよ。」


 最初とは違う女の子の声がする。ポプラはゆっくり玄関の扉を開けてみた。

 女の子の1人が男の子の手を引っ張り、もう1人の女の子が男の子の背中を押す形でそこにいた。


「こんばんは。こんな時間にどうしたのかな?」


 見たことのない子どもたちにポプラは声をかけると、一瞬戸惑った顔をされたが、女の子の1人から一枚の封筒を手渡された。

 封筒を開けてみると見覚えのある文字で手紙が書かれていた。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 大好きなポプラへ


 突然、村を出てしまってごめんなさい。ポプラからの手紙、とても嬉しかったです!

 今、私はリンゴとグリコと一緒にノーステラにいます。ノーステラでは美人で優しいお姉さんや変態だけどとても頼りになる女剣士さんに会いました。

 ここでグリコとリンゴが金貨袋を盗まれてしまったので、取り返しにミネラミコーに行きました。

(この辺りはもっといろいろあったけど、書くと長くなるから省略!)


 ミネラミコーでは盗賊業で生活していた子どもたちや不思議な泉に住む女の人に会いました。ここでの詳しい話はこの手紙を持たせた子たち(クッパたち)に聞いてください。


 それから、クッパたちは親がいなくて今まで盗賊をしながら生活していたのだけど、ちゃんとした生活をさせてあげたいです。

 ポプラにお願いしてもいいですか?

 お願いします。


 私たちはこれから王都に向かっていこうと思ってます。

 また会える日を楽しみに。


 カノンより

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 ポプラは手紙を読み終わり、穏やかな笑みを浮かべる。所々違う文字で訂正が入っているので、リンゴちゃんが一緒に書いてくれたのだろう。

 ポプラは届けてくれた子どもたちの頭を優しく撫でて言った。


「手紙運んでくれてありがとう。これから夕飯なんだけど、一緒に食べない?」


 クッパたちは顔をあげて頷く。今まで経験したことのない暖かな食卓へ導かれていった。

これにて、第2章完結!!

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