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第壱話 Written by 琥珀

「こらっ!なにやっとるんじゃ。店はどうした、店は」

 爺ちゃんの罵声が飛ぶ。

「あいあい、分かったっての!店もどりゃいいんだろ!」

 ったくうっさいな。

 俺は一緒にいた仲間に手を振って店に戻った。


 (ひかげとうふ店


 俺の住んでる家。とうふや。ぼろぼろのくせに活気は未だ衰えない、ここらじゃ名の知れた豆腐や。親父は頑固に短気ときたもんだからまったくやってらんねーよ。

 俺はそう思いながらも裏口から店に入って並んでいたお客に声をかける。

「らっしゃい、どちらの豆腐で?」

「キヌを一丁お願いするわ」

 注文があったものを持ってくる。それをお客の持ってきたなべにひょいと入れる。

 まな板からするりとすべった豆腐がうまくなべにおさまる。

 どんなもんだい!

「ありがとうございやしたぁー」

 お客は背を向けて帰っていく。

 これの繰り返しだ。きっと無愛想にも見えるだろう。けれどそんくらいで客が減るわけでもないし、そんなに気にすることじゃあないだろう。


「竜介ー」

 リュウスケ、と店の奥から声がした。

 この声からすると銀子だろう。あの大馬鹿野郎、仕事中だってのに大声で呼びやがって。

 と思いつつ、時計を見ると7時。もう客もいなくなったし閉店の時間だ。

 そう思い俺は店ののれんを下ろした。


「なんだぁ?銀子」

「早く来なさい!竜介」

 うっせー奴だ。

 銀子はここの娘。同い年で短気、俺にだけ冷たい。という奴。「可愛い」「綺麗」とこの町帝京(ていきょう)では有名らしいが俺にはどうも理解できない。

「こらぁ!早くしろって言ってんだろぉ?」

 言葉遣いが男っぽいのも特徴のひとつ。

「来たぜ」

「出たよ、アレ」


「妖怪か!?」


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