悪は滅して、光は幸せを迎える ②
そして、3日後俺は早速メーリンさんを連れてアルビーの執務室に向かった。まだ少し気まずそうな表情をしながら執務室のソファに座っているメーリンさんにちょっと申し訳ないな、と思いながら俺は立ち上がって大きな声を出す。
「と、言う事で大々的に誕生日パーティーを行います!!」
「父上と母上から許可が有れば、何でも出来るでござる」
「証拠も殆ど揃ったし、、あとは当日を待つだけ、だね」
「我の専属メイド達使って良いよ。有能だし、、、、一応」
「カイ、カイの所も使って!頑張ろう」
「、、、、、、、、ありがとう、ございます(頭を下げる)」
メーリンさんは立ち上がって頭を下げてそう言った。その言葉には感謝が詰め込まれているんだって、分かるぐらい声が少し震えて、両手はエプロンを力強く握りしめてまぁ顔を下げたままだった。
そんなメーリンさんに声をかけたのは、アルビーだった。
「顔を上げて下さい。寧ろ、俺達は謝らないといけない立場です。今まで、、、、ユイリアから教えられるまで、大事な弟のノゼルドの状況に気付かなかった馬鹿な兄なんですから」
「そうでござるよ。拙者達にお礼を言うのであれば、全てが解決した時でござる!」
「そうそう、それに我達がお礼言われたくて、やってるみたいだしね」
「ノゼルドの為だから、カイ達は頑張れるし、、それに絶対に成功させるもん!」
「カイ兄様が言うと絶対に解決しそうな気がする、わたし(やっぱりみんな兄弟愛があるんだな)」
みんなの口から出る言葉の端々から伝わるノゼルドの愛情や真剣さに俺は嬉しくなる。俺は家族愛とか兄弟愛に弱いんだな、、それが目の前で行われてる事だから余計にそう思うんだって俺は思う。表情が緩むのが分かる。
兄弟の話をして表情が優しいものになったり楽しそうな表情になる。
うん、普通の光景だ。
ノゼルドは知らないんだよね。早く一緒に笑い合いたいな。
そんな俺達の会話を聞いて、涙目になってソファに座って震える声で話し始めるメーリンさんに俺達は視線を向ける。
「ッ〜、、、、私、殿下達の事、誤解してました。ノゼルド殿下の事、1ミリも興味がないんだって思ってました。でも、でも、、、、殿下達のノゼルド殿下の想いを知って、殿下の為にこんな事を計画してくれて、とっても、とっても嬉しくて感動してます」
最後には泣いちゃって、美人の泣き顔をまさか合法で拝めてしまった。と、心の中でガッツポーズをした俺は置いておいて。
此処まで言われるとは思わなかったのかアルビー達は嬉しそうな照れくさそうな、小っ恥ずかしそうな表情を各々する。
ユノルドに関しては、表情を見られたくないのか、何処から取り出したのかフェイスシールドで顔を隠した。思わず二度見したぞ、俺。
〈なんか、私何も出来てないのに、嬉しく感じちゃってる〉
〈分かる。人からお礼とか伝えられるの嬉しいよねぇ、ユイリア!、、優衣はどう思う?〉
「(俺は、、、、今までお医者さんからの頑張りましょう、って言う言葉で頑張ってたなぁ。言葉って凄いよね、、、、まぁ、死んだんだけど、、ハハッ)」
〈〈だから重いんだって!!!〉〉
「(重ければ、思いほどに神様とユイリアに後悔と衝撃が与えられるからね)」
俺は頭の中で神様とユイリアに宣言してから、現実の方に意識を集中して、紅茶を口に含む。ソファに座って、計画の話をするのは楽しくつい会話が弾んだり、上手く行く事を願ったりする。
だけど、神様とユイリアは俺の頭上でまだ俺の事で会話をしている。まぁ、無視だ、無視。
〈ねぇ、神様、私達優衣に何かしたかな?いや、してたわ。許可なしに転生させてた〉
〈無理矢理が悪かったって事だよね。確かに、悪かったとは思うけど、まさか此処までとは〉
〈このままだと私達のメンタルの限界が来ちゃうかもしれない〉
〈その前優衣のメンタルはもう一周している可能性がある〉
なんて言う会話を頭上でされているのが少しイライラして来たので、回線を切ってこっちに干渉出来ないようにした。
最後に文句言われた気がしたが、自業自得だ。そう思いながら足を組んで、アシェルオススメのクッキーを口に含む。
「(絶対に成功する、、、、だって俺には【絶対王政】があるから)」
心の中で勝利を宣言しながらも相手の動きがどうなるかなどの不安を抱く。
それにしても、こうやって客観的にユイリアの立場を実感して利用出来る機会は今後のハッピーエンドに使えると思う。
ただ、王族+【絶対王政】って言う魔法が強過ぎるんだよなぁ。
一言で「メイド長と言う存在をなくし、ノゼルド達が元々幸せだったようにして」って言や、この世界は言った世界に変化するだろうよ。
だが、それをした所で本来居た世界のノゼルド達はどうなる?
そう考えた時、魔法で解決するんなら俺が居なくなって解決してる。
それなら、、、、魔法を使わずに解決した方が幾分も良い。
ってね。
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それから3日後ノゼルドの誕生日になった。
全ての証拠を集めきり、全ての証拠を纏め切って、全ての準備が終わって、すっかり筋肉痛だわ。
俺達兄弟はオシャレをした。王族らしい格好で、用意したのが明らかにメイドや執事だよなぁ。
俺なんか濃く赤いドレスを着せられて完全に女の子だわ。
メイド達が嬉しそうな顔して、前日に俺にファッションショーをされたの完全に俺女子に遊ばれてる男子高校生の気分だったわ。
離宮近くに設置したパーティー会場に来たんだが、完全にお父様とお母様が本気を出しやがった。
まぁ、2人からしたらただの誕生日パーティーで俺達がお願いしたから余計に何だろうよ。
会場入りすると、事前に俺達が味方として用意したメイドさん達や執事さん達はテキパキと料理やドリンク、テーブルを用意してる。
「証拠とか出すのは、、ノゼルドが挨拶してから、だよね?アルビー兄様」
「うん。メイド長達が油断している時にやった方が良いからね」
んな会話をしてると、パーティー会場に俺がお父様でいるアーノルドに頼んで、呼び出しておいた使用人達が入って来た。
表情が硬いなぁ〜。まぁ、そりゃあそうか。
この国の最高権力者である皇帝に呼び出されたら生きた心地とかしねーか。
俺がその立場なら心臓停止してるな。
オドオドしてる様子からして、何かしら悪い事をしてる自覚はあるみてーだけど、自業自得だな。
因みに、今日は何故か神様とユイリアの2人は、俺が集中出来るようにって、接触しない、とか言ってたけど、、、、
少し離れた所から、映画を見てるような格好してるのが少し見えたから、無視だな。
ツッコミ待ちにしか見えん。
俺達sideの使用人達とメイド長側sideの使用人達の間の温度差があり過ぎる笑
まぁ、事情の知らない使用人達からしたら、挙動不審の同僚達の様子は不思議か。
それに俺達王族が居る事もあってか、下手な事をしないようにしてっけど、なんか見てる視線とかが怪し過ぎる。
「!、ユイリア、メイド長が来たでござる」
「ぁ、本当だ」
ノーシュドに言われて向けた視線の先に自信満々な表情をしたメイド長が会場入りした。
他の使用人達同様にお父様、アーノルドに呼び集められたはずなんだけどな。ありゃあ、報酬とか褒美とか、勘違いしてる系か?
無理もねーか、アーノルドは作中随一のお人好しなキャラだし滅多な事で起こる性格でもねーから、そう思うのもしょうがない。
でも、真相は今までも自分の悪事がバレる。
そう考えただけで笑えるな。
少しそわそわした様子を隠すような素振りもせずに、会場を歩いてるメイド長は俺達に気付いたのか、深呼吸してから挨拶しにくる。頭を下げる姿に冷たい視線を向けるがな、俺達は。
「ノーシュド殿下、アルビー殿下、ユノルド殿下、カイ殿下、ユイリア殿下、今日もお美しい限りで、今日のお姿も大変お似合いでございます」
「「「「「ありがとう」」」」」
本当はノゼルドに対してやって来た事の怒りとかぶつけたいし、無視だってしたい。
でも、それをしたらメイド長達と同じに成り下がる。
だから、怒りを抑えていつも通りに返答をするしかない。
まぁでも、顔に怒りを出さなくても、各自顔以外には怒りを露わにしてんだけどな。
アルビーは眉間に皺を寄せて怒りマーク出来てるし、ノーシュドは服の袖を握りしめて皺が出来てるし、ユノルドは服のポケットから魔法具出そうとしてるし、、、、
待て待て!それは出すなよ!って、心の中でツッコんでもしょうがねーんだけど。
そして唯一の良心であるカイは頬を膨らませてるのが、、、、
好きィィィィィィィィ!!!!!!
おっと、上田○也が出てしまった。
まぁ、控えめに言って天使、言わなくたって天使だな、カイは。
そんな俺達の事を一切気付かない能天気なメイド長ことエイダ・グロッカスは、挨拶をし終わったと思ったら意気揚々とメイドさんや執事さん達に指示をする。
うわぁ、、執事長が今日休みだからっていつも以上に好き勝手やってんなぁ。
メイド長、エイダは執事長が苦手だって、調査して分かったけど、そういや一緒に居る姿転生しても、ゲームしてる時もなかったわ。
周りの様子からして、勘付いている使用人達がチラホラ。
全員、俺達side側の使用人だけど、当の本人達は気づいてない。
自分達がした悪事はバレる訳ない、何て思ってんだろうな。
それを今日、バラすって考えると笑みが溢れるぜ。
「ふふっ」
「?、ユイ、どうしたの?」
「ううん、カイ兄様、何でもないよ」
「それなら良いけど」
あぶねー。
大事な日に笑ったヤバい弟だって思われたかな?今。
嫌だぜ?カイにだけは思われたくねーよ。
思われた日にゃあ、引き篭もるか最悪魔法で記憶消すかのどっちか、だな。
でも、早くノゼルドの幸せを願っているのは、俺だけじゃないって分かってるから、笑ってしまってるんだろうな、、、、俺は。




