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今日の最高気温は50度です

掲載日:2025/12/11

今日の最高気温は50度です

続けて、

「外出には、防暑着を忘れずに」

そう、今は防寒着ならず、防暑着が必需品になっていた。

そして、

気象庁からは、

「酷暑Gメン」

が各地に出されていた。

「こら!こら!防暑着着て!」

外に出ていた子供たちに声を掛けていた。

ただそれ以外は死んだ街のようだった。

誰も歩いていない。

配送、建築土木はロボット、営業はオンライン・・・



スポーツも変わった。

屋外スポーツはすべて原則禁止。

高校野球も例外ではなかった。

ついに、甲子園がドームになったのだ。



犯罪も様変わり。

外の犯罪はほとんどなくなった。

そのため、防犯カメラの必要性が問われるほどになった。


「渋谷区○○町3丁目15-6、水上マンション205号室で、

変死体発見!」

渋谷警察署強行犯係は出動した。

この辺は昔と変わらないが、その後が変わった。

警視庁捜査一課ではなく、AI課が出動してきた。


「AI課瑞穂です。」

「同じく鈴木。」

すぐに、渋谷署に捜査本部が置かれた。

「え~、渋谷署の皆さんはAI課のサポートにまわってください。」

AI課皆川係長は言った。

ますます、昭和の現場百篇は遠くなっていた。


「わしら、AIの部下かいな!」

渋谷署の長老西田にとっては不満やるかたなしだった。

「長老!AIなんかに従ってられますか!

こっちはこっちで勝手にやりましょう!」

と若手清水。

「お~!お前!昭和の刑事のようやな」

と長老。

「なんすか?それ?」


もう昭和の時代は1世紀以上昔の時代なのだ。

次の日から清水は毎日のように現場に通った。

鑑識、AI課の調査の結果、

「他殺」

と認定された。


「いよいよ我々の出番ですね。」

と、清水。

「それはAI課も言ってるよ。」

と、西田。


直接の死因は、今や死因のトップとなった

「熱中症」

しかしそれがどうして他殺となるか?

エアコンがなぜか切られていたのだ。

「被害者が寝ている間に誰かが切った」

所轄もAI課もそう判断していた。


「最近多いっすよね、『熱中症殺人』」

と、清水。

「まあ、手ごろだからな。」

と、西田。

「殺人に『手ごろ』なんてあるんすか?」

「う~~~ん、言葉に気を付けなきゃいかんな」

西田は少し反省した。

「それにしてもAI課が有利だな。」


今はエアコンはリモコンではなく、

コンピューター管理されていた。

それを勝手に切ることは、

コンピューターの知識が必要だった。

そういう意味だった。


予想通り、AI課が容疑者を特定した。

吉田というシステムエンジニアだった。

しかしAI課による事情聴取は進展しなかった。

「黙秘権」が行使されたのだ。


AIには「黙秘」に対する対処はできなかったのだ。

「俺たちはAIじゃないぜ!人間だぜ!

俺たちの番じゃないか?!」

ついに西田に事情聴取が交代されたのだ。


「なあ吉田、俺は人間だぜ!AIと同じ対応はないよな」

「・・・」

「真田さん、暑かったろうなあ・・」

「・・・」

「俺たち人間だもんなあ・・AIと同じにはできないよなあ・・」

「そうでしょ・・」

初めて吉田が口を開いた。

その吉田によると、

亡くなった真田とは、その数日前まで面識がなかった。

数日前エアコンシステムの故障で初めて会ったのだ。

そこで言われたことを、吉田ははっきり覚えていた。

「おじさん、そんなこともわからなきゃ、

これからの時代生きていけないよ。

死ねば?」





これは将来必ず起こることなのです。

そしてこれは、

まさしく、

「気象との戦争」

なのです。


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― 新着の感想 ―
お久しぶりです。 東京の最高気温が頻繁に50度を超える頃には、海面上昇で世界中の主要都市がなくなってそうですね。東京も堤防があるとはいえ、港区などの沿岸部は被害を受けそうです。 それはさておき、文章…
 外での犯罪が実行困難になっても、スポーツが屋内限定に切り替わっても、AIが捜査の前線に立っても、言葉の暴力とリスクは昭和や平成と然程かわらないんですね……。  自分にもあてはまりそうな点が幾つかあ…
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