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アラッタ戦役編 まとめと人物紹介

アラッタ戦役編 まとめ

(シュメール統一戦争の15年後)



茜の足跡


アラッタ遠征編

茜はシュメール軍総大将として、ラガシュ付近に攻めてきたアラッタ軍を破りました。この時、シュメール軍全体を北方軍と南方軍に分離して南方軍でアラッタの遠征部隊を破っています。


挿絵(By みてみん)


その後、ティグリス河を渡河してアラッタに侵攻するため、身代わりを立ててアラッタ軍主力を南方にくぎ付けにし、その隙をついて北方軍と共にティグリス河上流を渡河し、南方にて対峙中のアラッタ軍の後背を襲う構えを見せる事で、アラッタ軍を撤退に追い込みます。


挿絵(By みてみん)


その後、シュメール遠征軍を率いてアラッタの本拠地まで攻め込みます。途中、アラッタの護国神にして気まぐれな女神ミラナの干渉もありましたが、至高神の助けを借りてついにアラッタ王国を屈服させます。




新登場人物

エンへドゥアンナ(史実あり)

エンへドゥアンナは、アッカド帝国の王サルゴンの娘であり、シュメールに送り込まれた王妃にして才女。表向きは風の大巫女である茜に敬意を払いつつ、父の意志に従いシュメールを内側から支配しようと画策していた。しかし物語を経て茜への尊敬を深め、彼女の神格化にも深く関与する。粘土板に記録を刻むことで神話の成立を助け、自らもその旅路に同行することを望む稀有な人物である。史実では、アッカドが支配したウルの大神官となり、さまざまな詩や文章を残したことで知られている。著述家として名前が歴史に記録されている史上初の女性。



ザルマフ王(架空)

ザルマフ王は、アラッタ王国の現王であり、誠実で勇敢な君主として知られる人物。祖国と民を深く愛し、戦乱の中でも最後まで兵を鼓舞し続けた。女神ミラナの神託に従い戦ったが、風の大巫女アカーネとの戦いに敗北し、神が敗れた姿を目にして潔く降伏を決断。自らの処罰も覚悟したうえで、民の安全と信仰の継承を懇願する姿勢は高潔であった。敗北後もアラッタ王としての矜持を保ち、最後まで威厳を失わない真の王である。



エナ=シェン神官長(架空)

エナ=シェンはアラッタ王国の神官長であり、ザルマフ王の妹として王を補佐する立場にある。冷静かつ知的な人物で、神託と儀式を重んじる厳格な信仰者。女神ミラナへの深い忠誠心を持ち、敗北後もその信仰を貫こうとする信念の強さを持つ。一方で柔軟さも備えており、風の大巫女アカーネとの交渉ではアラッタの信仰を守るために自らの命を差し出す覚悟を見せるなど、民と神を思う深い慈愛に満ちた高潔な神官である。



女神ミラナ(架空)

女神ミラナは気分屋の女神。戦乱の中では最初は気まぐれな神託によってアラッタ王国の成立を煽ったが、最後は責任を取り敗色濃い戦局にも自ら地上に降臨して人々を守ろうとした。その姿勢はエナ=シェンら神官や兵士たちに深い敬愛をもって受け入れられており、敗北後も信仰を捨てきれないほどの強い精神的支柱となっている。



史実におけるアラッタは、実在が確認されていませんが、シュメールの文学に時々登場する東方の富裕国です。そのため文明的にはシュメールに匹敵する王国と考えられています。またシュメールの物語としてウルク王エンメルカメルがアラッタに貢納を要求。王同士が「使者・神意・文字」のやり取りで競い、最終的にアラッタが屈服する事になっていますが、実際に戦ったという物語はありません。この物語では、ルガルザゲシ王の15年後の世界ですから、そのような古代のやりとりを通してアラッタが滅びてしまっており、シュメール世界に恨みを抱いているという架空の話としてストーリーを進めています。またアラッタは伝説の国のため、このアラッタ戦役編では、戦闘よりはむしろ神が介入するような話にしました。


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