唐揚げですが何か?_アフター物語
今日はいつにもまして不思議な一日だった。
まず出社するまでは良い。
(満員電車ってこんなにごった返すのか・・・)
唐揚げ会場を思い出す。
そして無事に会社に着いたと思ったら・・・
「おう!久しぶり!」
見知らぬ人に声をかけられた。
「?!」
何事か戸惑っているとこう言って来たのだ。
「真っ先に人間になっただろ君」
そう、唐揚げ会場にいた同志だったのだ。
「・・・もしかして唐揚げの??」
恐る恐る聞くと頷くではないか。
あの夢が現実だったことに驚くと同時に感慨深い感情もこみあげてきた。
(まさか現実とは・・・ね)
そのまま軽く会釈をして会社に入るといつも陳列棚に入っていたせいか、これがまた慣れない。
おどおどしているうちに上司と思しき中年男性が声をかけてきた。
「おい!君・・・何してるんだい?」
「あ、はい・・・」
説明する間もなくきょとんとしていると、部署を教えてくれた。親切なもんだ。
ここで今日から働くことになるのか・・・
よしっ頑張るぞ!
志固く今日も仕事を始める。