息子聞け
頑固父…生き残った未来の私
駄息子…超絶イケメン
今の私が、息子にメッセージを残すとしたら、一体どんなことを伝えたいだろうかと考えた時、なぜか2人芝居になってしまった。という文章です。
元々は、将来、息子が僕に何か相談したくなった時のために、動画を残しておこうと言う計画に端を発したものです。そのため息子が父(僕)に相談を持ちかける、と言う切り口になっています。
こんなに堂々と答えて息子に納得してもらえる立派な父になる未来が、なにとぞありますように。
①友達と喧嘩した
駄息子『父さん…。友達と喧嘩しちゃったんだけど、どうしたらいい?』
頑固父『父さんは一度喧嘩して口汚く罵りすぎて一言も話さなくなって何年も気まずい思いをしてなんなら中学校に上がってからも周りの友人に有る事無い事噂をされて外堀から埋められて人間関係に溺れそうになったことがあるぞ!!!後戻り出来るならまずは仲直りしたいことを伝えて、お互いに譲り合えるか話し合うのがいいと思うな!!!』
駄息子『わ、わかったよ父さん』
頑固父『どうしても必要ならば喧嘩を恐れるな!仲直り上手であれ!愛してるぞ!!』
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②勉強したくないパート1
駄息子『父さん、社会の勉強したくないよ』
頑固父『わかる!!因みに理由を聞いてもいいかな?』
駄息子『だって年表の暗記が苦手なんだよ』
頑固父『わかる!!年表の暗記は本当に難しい!!!でも、いつ、どこで何が起きたかを覚えていくと、全く別々の場所で生まれた人や事件が、時代の大きな流れに乗って出会い、絡まり合い、さらに大きなうねりとなって無数に張り巡らされた伏線を回収して【歴史】になる、その瞬間がたまらなく気持ちいいぞ!!!!あと旅行に行った時、その土地その土地の背景が分かると楽しいから覚えて教えてください!!!!』
駄息子『もう…分かったよじゃあ勉強して教えてあげる』
頑固父『そうか!!!楽しみだな!!愛してるぞ!!!』
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③勉強したくないパート2
駄息子『父さん、算数の勉強したくないよ』
頑固父『わかる!!因みに理由を聞いてもいいかな?』
駄息子『だってこの数式覚えても将来使わないと思うんだ』
頑固父『わかる!!ただ父さんが数式についてかっこいいなと思う所を説明させてもらうと、数式っていうのは世の中で起きている実際の出来事を、現実を変えずに机の上に再現することが出来るんだ!!もっと詳しい人は【概念を表現することができるところが面白い】って言ってたけど父さんにはちょっと難しくて分かんなかったな!!!あと現実的な話をすると苦手科目が一つあると志望校の偏差値を大きく下げなきゃいけない可能性があるので選択肢がそれだけのために大きく狭まるのが勿体無いという意見はあるかも知れないな!!!!』
駄息子『うーん、そっか、今は勉強しないよ』
頑固父『わかった!!愛してるぞ!!!』
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④いじめ
駄息子『父さん…今日、友達に臭いって言われたんだ…』
頑固父『お前は臭くない。食べたいくらいいい匂いしてる』
駄息子『父さん…今日、友達に荷物隠されたんだ…』
頑固父『お前は悪くない。お前はその荷物を隠した本人から受け取る権利があって、もしそれを拒むなら彼は自分を恥じるべきだ』
駄息子『父さん…今日、友達に無視されたんだ…』
頑固父『お前は悪くない。お前はその友達が答えるまで胸を張って話しかける権利がある』
駄息子『父さん…今日、友達をいじめちゃったんだ…』
頑固父『すぐ、一緒に謝りに行こう。愛してるぞ』
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⑤恋をした
駄息子『父さん、好きな人が出来たんだけど、どうすれば良いかわからないんだ…』
頑固父『敵を知れば百戦危うからずと言うからな、父さんの初恋の時は彼女の好きな音楽好きな漫画好きな服好きな食べ物好きな色好きな芸能人を調べて少しずつ寄せていったが失恋したな!!!
でも、相手がもし好きな何かの中で、お前も好きになれるものがあったら、きっとお前とその子の中に、一つ共通の話題ができるかも知れないな!』
駄息子『そっか!分かったよ!』
頑固父『覚えておくんだぞ、人の数だけ、恋がある。愛してるぞ!』
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⑥何かを始める時
駄息子『何かを始める時、父さんならどうする?』
頑固父『ふむ、それを続けた先にある目的を自分がどれだけ切実に必要としているかを、新しく始めることのために犠牲になる予定の行動の重要性と比較するな!』
駄息子『な、何だか難しいね…』
頑固父『考えるな!!!感じろ!!!愛してるぞ!!!』
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⑦何かを辞める時
駄息子『ずっとやってきた水泳だけど…辞めようと思うんだ…』
頑固父『辞める理由じゃなくて、やる理由を探してごらん』
駄息子『水泳初めてみたけど、なんかめんどくさくなっちゃったー』
頑固父『すぐにやめなさい!いますぐにだ!!!愛してるぞ!!!!』
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⑧仕事の悩み
頑固父『息子、最近仕事はどうなんだ!』
駄息子『実は…プロジェクトメンバーにイジワルな上司がいて、仕事の粗探しをしてくるんだよ。ミスを見つけるとみんなの前で2時間以上公開説教タイムなんだ。最近そのせいかじんましんが出ちゃって…』
頑固父『なるほど。理不尽だよな!そんな時父さんはそのさらに上の人に忖度しつつ取り入りながら、さも困って相談する風に苦情を申し立てて、立場をなくして追い出した事があるぞ!でも、人間誰しも完璧ではないよな。まずは、その意地汚くて器の小さい上司が、なんでそんなに狭量なのか、原因を探して解消してあげるのも良いかもしれないな!』
駄息子『そっか!分かったよ!』
頑固父『覚えておくんだぞ、環境が人を変える。愛してるぞ!』
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⑨結婚したい
駄息子『父さん、プロポーズってどうしたの?』
頑固父『そうだな!!まずは友人のライブの日がクリスマスイブだったんで、その日母さんとライブに一緒に行く約束を取り付けて、その裏で友人にサプライズでプロポーズをする事を伝えて、観客にサクラをたくさん紛れ込ませて、ライブが終わったあと友達に母さんを連れ出してもらい、その隙に会場をロマンチックに飾り付け、母さんが戻ってきたと思ったら照明オフ!暗くなった店内にキャンドルの灯りで道がつき、その先には父さんの姿が!母さんに呼びかける父さん!父さんに答える母さん!そんな感じです!!!!』
駄息子『そっか!参考にはならないけどすごいね!』
頑固父『愛してるぞ!!!!』
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⑩がんになった時
駄息子『父さん、がんになった時、どう思った?』
頑固父『お前に父さんの事をもっとたくさん知って欲しかったと思ったな!それと、母さんとお前に苦労をさせたくないと思ったな!あと、沢山じゃなくてもいいから、自分の魂の塊が入った曲を丁寧に作りたいと思ったな!あとばーばと叔父さんに、もっと恩返ししたかったな!あともう一度会いたい友達が沢山いて、心残りが他にも沢山あって、そうか、父さんはこんなに幸せだったのかって思ったな!!!!』
駄息子『父さん、ありがとう。愛してるよ』
こんな文章を最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。
2022/6/8 23:41 雅弘拝