初生収録、終了!
『ゆかなん』さんに耳元で囁かれた俺は、心臓が爆発するんじゃないかというぐらい脈動していた。驚きと感動で頭も爆発しそうだ。
アイマスクが外れて、視界が明るくなる。久々の光に、少し目が眩んでから辺りを見渡す。
俺の目の前に朝奈さんがいた。しゃがんで、ウェーブした茶髪をくるくる指で回しながら、俺から目をそらし気味だった。来るときに着ていたコートは脱いでいて、上半身は白いニットと、それと同じ柄のニットスカートだ。
「その、ごめんね、柏木君。腕縛ったり、アイマスクさせたり。」
「いや、いいよ。それより、生収録を聞かせてくれてありがとう、朝奈さん」
朝奈さんがにっこりと微笑んだ。美人の笑顔は眩しい。
「うちも柏木君のこと信頼できるように頑張るよ……まだちょっと、腕を解くのは怖いんだけどね」
「朝奈さんが、俺を信頼できるようになってからでいいよ。そんなの」
急に腕を縛られてびっくりはしたが、『ゆかなん』さんの収録が聞けるなら、俺はなんでも受け入れよう。
「また来週でいい?柏木君がいない時も収録するけど、週一ぐらいで生収録見せてあげるよ」
「マジで!? やったぁ!!!」
「ちょっとうるさいよ、柏木君! 一応ここ、マンションなんだから」
おっと、思わず歓喜の雄叫びをあげてしまった。一旦落ち着いてあたりを見渡す。
これが朝奈さんの部屋なのか。落ち着いた感じの部屋だが、部屋の節々に女子っぽいものがあって少しドキドキしてしまう。可愛い柄のマグカップ、メイク道具と変なぬいぐるみとか。あと……あっ!!?
「どしたの柏木君?」
「い、いやなんでも?」
俺は見つけてしまったブツから目をそらした。しかし、遅すぎたようだ。朝奈さんは俺が見ていた方向を振り向く。
「あっ!?」
朝奈さんは部屋に干されたままの下着を見つけてしまった。朝奈さんは慌てて下着を隠す。白のブラジャーとパンツを。朝奈さんのたわわな胸は、あんな大きいブラジャーによって守られていたのか……。
朝奈さんは耳を真っ赤にして、俺に背中を向けていた。ブラジャーとパンツを抱きしめながら。
「かっ、柏木君に、今日はずっとアイマスクしててもらおうと思ってたから……」
「えっと……なんかごめん」
こんな調子で、俺は朝奈さんとの信頼関係を築けるのだろうか。
あと、俺は今日見たブラジャーとパンツを一生忘れないだろう。
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