邂逅
小説書き始めました。
まだ書き溜めている分があるので修正しつつ、出していきます。
みなさまの感想や評価がはげみになるので見てくれた方は感想などよろしくお願いします!
「葦木っ、待ってたぞ」
そう呼びかけたのは、野球部の典型である丸刈りの頭の大男だった。
あの大男は僕の友達である名門電だ。
運動ができて、顔の造形も良いのでとてももてている超人みたいな人なんだが、僕みたいなやつと仲良くしてくれる変な人でもある。
今日は、日曜日。僕と名門とその友達で遊ぶ約束をしていた。
名門とその友達とは駅前にある服屋で待ち合わせている。
もうすぐ夏で非常に天気がいいこともあり、店内には日がさしている。
かなり早い集合時間なので店内にいる客は僕らだけだった。
店員が忙しそうに服を陳列しなおしている。
そこから自動ドアに目を移す。
多分、次に入ってくる客が名門の友達かな・・・。
名門の友達は女子二人だそうで、とても楽しみだ。
その二人とあったことはないから、ちゃんと話せるのか不安だ・・・。
そんなことをつらつらと思っていると、とんでもない美人が自動ドアから出てきた。
黒髪ロングの髪がさらりと遅れてやってくる。
「あら、もう来てたのね」
その美人は自動ドアからかけよってきて僕らに声をかけた。
透き通るようでいて芯のある美しい声。
その声でその美人が誰かようやくはっきりと分かった。
深葉佐里。
口数は少なく、どこかはかなげな美女。
それが、クラスの男子による彼女の共通認識である。
美人ゆえに話しかけづらい。
なので、彼女が人としゃべるのを目撃するのは難しいそうなのだが。
「おう、深葉」
名門が軽い調子で手を上げて返した。
「遅れてごめんなさい。名門」
そして、深葉さんは申し訳なさそうに上目遣いで名門を見た。
あれれ、普通に話している。
・・・さんをつけろよ、深葉さん!
まるで付き合っているみたい・・・。
うらやましいじゃねえか、くそっ。
「ちょっと待って、ふたりってどんな関係? 」
つい気になって発言してしまった。
深葉さんの反応をうかがっていると、深葉さんは、こちらを軽蔑するようににらみ
「あら、ゴミ虫がいるわね」
と言った。
突然のことに混乱してしまう。
深葉さんの口が悪いのか、僕の評判が悪いのか・・・。
多分、後者なんだろうな・・・。
みんなのあこがれ、深葉さんに嫌われてしまった。
つまり、女子全員から嫌われてるってことか?
僕が人生を悲観しつつ、なぜ嫌われたか考えていると
「いいな、葦木。俺も佐里にそんなふうに見られたい」
ハアハアと名門が自らを抱きしめ、顔を赤らめ、こちらをうらやましがるような視線で見ていた。
・・・なんだ、この急展開は。
こうも急に来られると反応できないじゃないか。
名門? Mなの? マゾヒストなの?
だろうなあ・・・。
誰か助けてくれー。
おーい。
「二人の関係は、お互いを満たしあう関係ですよ。オブラートにかなり包みましたが。それにしても、なぜ私が説明しなければならないのです? 」
そう言ってきたのは、身長160センチもない中学生だった。
実際服装もおしゃれしてみた中学二年生! キャー!
という感じだ。
こんな頼りないやつに助けられてたまるか。
「中学生じゃありません、れっきとした高校生です」
見上げながら強い口調で言われた。
口をへの字にして、不満を表している。
怖え~。
心に突っ込みいれる奴なんて初めて見たぞ。
「ああ、そういえば、いたな、こんな子」