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過去と未来。2人の俺

作者: 僧侶A
掲載日:2019/05/22

俺は20歳になったばかりの時に一度車に轢かれて死んでしまった。事故で亡くなったこと以外に関してはそこまで特別なことがある人生ではなかった。学校の成績は普通で友達も普通にいる。そしてそこまで目立つこともなかった。それでもとても楽しい人生だったよ。


しかしそんな人生は事故によって終わりを告げられた。そのはずだったのだ。


しかし何故か俺は過去に戻っているのだ。それも小学生の頃の肉体に。とりあえず現在の正確な日時を確認しようと動こうとした。しかし、俺は体を思うように動かすことが出来ない。意思に関係なく体が勝手に動いているのだ。


そして俺は公園に着いた。すると小学生の時によく遊んでいた友達がいた。するとこの体はその友達に声をかけて遊び始めた。俺が当時していたように。


ここで俺は気づいた。この体を動かしているのは過去の俺だと。俺はこの体の持ち主ではあるがこの体は厳密には過去の俺のものなのだ。


そう気付いた俺は体を動かせないことに多少の歯がゆさを覚えつつも、そもそも俺は死んだのだと諦めていた。


しかし、夜過去の俺が眠りについた時事が動いた。


夢の中においては動く事ができるのだ。そして俺は過去の俺と対話する事が出来たのだ。


「おじさん誰?」


「おじさんは君だよ。未来のね」


「なんでいるの?」


「さあ、俺にも分からないんだ」


そんな会話をしつつ、俺は過去の俺と話した。そして俺は本当に未来の俺だと信用してもらった時点で夢から覚めた。


また俺は体を動かせず、退屈な時間が始まると思いきやちょっとした変化が起きた。俺は起きている時間帯でも過去の俺と話す事ができるようになっていたのだ。理由はよく分からないが、俺のことを認識できたからとかなのだろう。


その後しばらくしてから許可を得た場合限定だが体を動かせるようにもなった。


そこから過去の俺は俺の人生とは全く違う道を辿っていくこととなった。


そこまで頭が良くなかったとはいえ、俺は大学まで行っているのだ。小学生や中学生の中に入れられたらそれは頭が良くなるに決まっている。そして過去の俺はそんな俺とずっと一緒にいるのだ。それ相応に頭も良くなっていった。


そのままの勢いで俺たちは中学校では成績トップを取り俺にとっては雲の上の存在県内トップの高校に進学していた。


その時には俺と過去の俺、いやもう1人の俺は頭の良さに関してはほぼ同レベルであった。しかし、俺は用済みになることもなく、良き協力者であり良きライバルになっていた。


そんな俺たちは高校においても止まることはなく、好成績を維持し続けた。


そして俺たちは日本で最も成績の良い大学に合格した。


そしてそこでも俺たちは変わらずに好成績を残すことに成功した。がしかし、今までとは違うのだ。俺の方は何も出来ていなかったのだ。


高校までは俺は一度やっているというアドバンテージを利用してここまでやってきたのだ。その分俺は理解が早かったというのがこれまで好成績を残したタネである。肉体はまだ未成年であり、もう1人の俺も未成年だ。しかし俺に関してはもう20を過ぎており、既にアラサーだ。脳のピークなんてものはとうにすぎているのだ。そんな俺が知らない分野において脳のピーク真っ只中の俺と張り合うのは厳しかったのだ。


そんな俺は何も出来ることはないとフェードアウトしようとした。


すると、もう1人の俺が引き止めた。出ていくなんてやめろと。


俺がここまで来れたのは他でもない俺のおかげだと。


今までは俺が助けられていたが、今度は俺が助ける番だと。


俺は嬉しかった。突然出しゃばってきた未来の俺が迷惑かけているのでは、お節介じゃなかったかと。


俺はその後はもう1人の俺に今までとは逆に勉強などを教えてもらっていた。小中と立場が逆転し複雑な気分ではあるが楽しい。


俺は社会では表立って動くことはほぼ無いが、もう1人の俺の活動の手助けなどをして過ごしている。

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