「死ぬときは前のめりに・・・」巨匠と云われる男の兄!?
『タッチ』や『みゆき』等の代表作で、『野球漫画』や『青春』の代名詞的存在。
巨匠、あだち充先生。
彼には、同じく『まんが道』を歩んで来た実の兄がいるのをご存じだろうか?
彼の名は、『あだち勉』。
知る人ぞ知る、漫画界の魁的先生だ!?
今回は、あだち勉先生の作品『実録あだち充物語』がイチオシです。
-『実録あだち充物語』 あだち勉先生作品-
少年ビッグコミックス
全1巻(絶版本)
彼の巨匠、あだち充先生には、実兄が在る。
名を、あだち勉(敬称略)という。
その勉先生が描いた作品に興味深い1冊があります。
上記、『実録あだち充物語』です。
簡単に、勉先生のことを説明しますと、あだち充先生の実兄で劇画風の作品を描いてらしたレジェンドです。
勉先生曰く「オレが充を漫画家にした!?」
あだち充先生が若年時代に、ご両親の反対を押し切って、上京させたと云います。
この英断が無くば、漫画家『あだち充』は存在しなかったそうです。
充先生も、勉先生に感謝しているのだそうで・・・
さらに、勉先生は全盛期『人気漫画家』だったみたいで、充先生はデヴュー当初『あだち勉の弟』として
認知されていたと云います。
その勉先生の漫画家としての晩年作に『実録あだち充物語』があります。
ボクが思春期の頃には、逆転して、充先生が『飛ぶ鳥を落とす勢い』で、勉先生の作品は
生で見たのは『実録あだち充物語』のみとなります。
あだち充先生のコミックスの累計部数がすごくて、大分初期のあだち充作品もこの頃は入手出来て
思い起こせば貴重な時期でした。
その中にひっそりと地味に、勉先生の『実録あだち充物語』が売られていました。
何気にあだち充FANだったボクは、当時マイナー作品もコンプリートする熱狂ぶりで
『実録あだち充物語』を手に取ったのは必然の出来事です。
充先生の若年時代の描写も見事ですが、ほんのりユーモアと、多少の『盛り』がある良作で、
作中で勉先生が『死ぬときは前のめりに・・・』と言われるシーンが印象的で現在も忘れることが出来ません。
おそらく、思春期にこの作品と出会わなければ、ボクも既に現役を退いていたことでしょう。
全てのクリエイターに、のみならず、全ての方にオススメのレジェンド作品です。
『継続は力なり』
某有名地元進学塾のスローガンです。
3年~5年で種を蒔いて、10年で漸く一人前。食べてゆくには20年、30年かかる。
ある書物より引用すると『フグの養殖より儲からない』
それが、創作活動を生業に選ぶということ。
死ぬときは前のめりに・・・
生涯現役でいられたら、売れても売れなくても文筆家冥利に尽きますよね。